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【異色の旅行記】マリファナ香る部屋に、地獄のカーアクシデント『こんな旅行は二度としたくない』LA旅行記を書いてみる。


実を言うとタイトルで察しているだろうが、今までいろんな場所に旅をしたが私が、二度と行かないであろう旅行先に選ぶ堂々の第一位がロサンゼルスだ。

出だしがこれかよ!と、旅行記を読む気が失せた
と思うが、この旅も私の人生である意味忘れられない一つの旅であり、思い出し書き綴る今、あの時だからこそ出来た良い経験だったかもしれないとしみじみと思う。

私はnoteのプロフィールにも書いているが、人生にはその時にしか出来ない旅があると信じていて、まさにこの旅はそれを体現したような時間だった。おおよそ10年近く前なので記憶が曖昧なところもあるのだが、ロスに行く際の注意点などもお伝えするので、読んでいただけると嬉しい。




バンクーバーから夜行バスでシアトルへ

シアトル郊外の住宅街

当時バンクーバーに留学していた私は、帰国前にどうしてもロサンゼルスに行ってみたかった。何故ってその当時、カリフォルニアという場所というより、カリフォルニアガールという言葉がイケてる女の子の象徴みたいなものだったのだ。
ケイティ・ペリーは、おっ○いバズーカのような衣装を着て

California girls, we’re unforgettable
カリフォルニアガールズ、私達のこと頭から離れなくなるはずよ

なんてスラングたっぷりの歌をポップに歌い上げていたし、南カリフォルニアをイメージしたHOLLISTERや姉妹ブランドのGilly Hicksが大流行していて、男はみんな胸にカモメの刺繍を携えたTシャツを着て、女はピッチピチのヨガパンツを履いて学校に行っていたのだから影響されるのも無理はない。
カナダに留学していた当時まだ幼い若者だった私は、映像や写真で見るロスの魅力にたっぷりとハマり、これは行ってみなければと夜行バスのチケットを取ったのだ。

シアトルから空港のあるシアトル・タコマまでを結ぶリンクライトレール

バンクーバー国際空港からシアトルまで直行便の飛行機も出ているのだが、カナダ→アメリカというルートになると国際線扱いになり値段が跳ね上がる。
それに比べ、グレイハウンドのバスでシアトルまで来てしまえば、シアトル→ロスはアメリカの国内線扱いになりかなり安い(航空券の値段は往復で£129。当時£1が126円だったので、往復で16254円ほど。バンクーバーの直行便だと5万を超える)
貧乏な学生だった私にとっては利便性なんかよりお金が大事で、今でこそやってくれと言われたら、海外の夜行バスなんて勘弁してくれと思うが、当時は若さゆえの体力があって、朝2時発の車内で少し寝ただけだったが、特に辛くは感じなかったと思う。

シアトル・タコマ空港内のレストラン

シアトル・タコマ空港は小さな空港なので、迷うことはない。リンクライトレールも空港の地下に発着する。ここからロスまではデルタ空港で2時間40分の旅。

知らない男が抱きついてくる街、ハリウッド

LAのランドマーク的スポット、RANDY'S DONUTS

ロサンゼルス空港にある日系レンタカー会社で車を借りてハリウッドまで向かう。
スタッフは全員日本人だったが、対応したスタッフが遅れてきたのか、スケボーに乗って出社してきたのには驚いた。別にその人が何の交通手段を使ってこようが関係ないし、遅れたといっても待たされたのは5分程だったのだが、なんだか話し方のノリが物凄く軽かったのも相まって凄く気になる。アメリカ人相手だとそれは慣れているのに、日本人となるともっとちゃんとしてくれっ!とハードルが高くなるのは日本人の性分だろうか。

運転が荒いLAの人々。クラクションが鳴り止まない

チャイニーズシアターのある、ハリウッドは観光客でごった返している。
ニューヨークのマンハッタンも人混み的にはこんな感じだが、こっちの方がタチが悪い。何というか、どこもかしこも行き過ぎた陽キャの集まりのような感じなのだ。

ただカメラで風景を撮っているだけで「写真撮ってあげるよ!お金ちょーだい!」とカタコトの中国語や日本語を言われ続け、観光客目当てに小銭を稼いでやろうと意気込むコスプレイヤーが街中にひしめきあっている。

カマロの擬人化。バンブルビーはよく出来てる
バッドマン
手前のスパイダーマンはまだしも、後ろのスーパーマンの
クオリティはいかがなものか。。。
ジョニデやトムクルーズのそっくりさんまで

もう至る所にいるそっくりさん達。まるで本人かのようにブロンドのお姉さんの腰に手を回し、チップをもらうとほっぺにキスまでしている。私はこういう雰囲気が物凄く苦手だ。クラブとか、フェスとか。人が陽の気に酔ってる姿が好きじゃない。

そしてそれにプラスして衝撃的なことが起きた。チャイニーズシアターに歩いて行く途中、あまりに驚いて無言になってしまったのだが、いきなり真横から男に抱きつかれた。
その男はよれよれの汚れたTシャツを着て、ビールの瓶を持ち「俺たち友達!」って具合にピースをしていた。酔っているのか、キマっているのかわからないが、匂いも酷い。すぐに離れてほしいけれど、もし突き飛ばしたら何かされるかもとそっと体を押し返した。

身なりが完全にホームレスだったので、離れてすぐに携帯やパスポートを確認したが、何も盗られた様子はなかった。被害といえば、私の洋服が汚れたことと、心臓の音が鳴り止まないことだ。

かの有名なチャイニーズシアターに着いたが、さっきの出来事が衝撃的すぎてあまり景色が入ってこない
ハリウッド名物、有名人の手形

ごった返す観光客と、ホームレス、そして声をかけてくる人たち全てに疲れてホテルに戻ろうかと思ったが、なんとか昔から大ファンのマイケル・ジャクソンの手形だけは見つけてテンションが上がり、もう一つの観光名所へ行ってみることにした。まさかそこで大事件が起きようとは知る由もなく。

グリフィス天文台はどこ?

ロサンゼルス観光スポットで必ず名前の上がるグリフィス天文台

ハリウッドに停めた駐車場に戻ると、何やらたむろしたお兄さん方に睨まれる私。

え?ここ、もしかして売り渡し場所かなんか..?

ガイドブックにも載っていた大通り沿いの駐車場だったものの、乗り込んですぐに車の鍵を閉め、すぐさま発進。どうなってるんだこの街。

グリフィス天文台と、ナビを入れるとものの10分ほどで着くようだ。天文台はハリウッドの小高い山の上。頂上まで行く途中に駐車場がある。

山の中腹くらいまで行った時、車の列が見えた。警備員が誘導灯で照らしている。窓を開けろと言われ、したがった。

警備員『グリフィス?』

確かにそう聞こえた。私は「Yes」と答えた。

案内された駐車場は、奥から順に詰めるようで、前後左右、ギチギチに車が詰められていく。
おかしいと思った。だってこれ、どうやって出るんだ?私が隣や前の人より先に帰りたかったら、私の車はどうやって出せばいいの?

パニックになる私を他所に、車はどんどんと詰め込められていく。まるでテトリスだ。ただ綺麗にハマっても車は消えはしない。

車を降りると、ドのつく綺麗な格好をしている人々が続々と車を降りて行く。ドレスアップをしているのだ。
もう一度、何かがおかしいと思い、警備員に聞く。

私「グリフィス?」
警備員『イエス。グリフィスパーキング』
私「Where is グリフィス オブサバトリー?」


警備員はオブサバトリーと聞いて察した顔をしていた。

警備員がため息混じりに指差したのは【Greek シアター】と書かれた建物だった。

事実はこうだ。
この日、グリフィス展望台に向かう坂の途中にあるThe Greek Theatreという円形劇場で、何らかの舞台が行われていた。
駐車場に入ろうとした私はグリークと、グリフィスを聞き間違え、ギリシャ劇場の駐車場に停めてしまったのだ。

どうりでおかしい訳だ。舞台を観る人は、舞台が終わるまで車を出さない訳だから、こうして車を詰め込まれたのも辻褄が合う。

絶望した。
舞台っていつ終わるの?まだ開演前なら3時間くらい?
こんなに疲れているのに、ここであと何時間、前後左右の車が出るのを待てばいいのだろう。もう放心状態で自分の車に寄りかかる。

もう少しリスニングを鍛えておけばよかった。だけど、私が観光客だってことくらいわかるだろうに。真っ暗な駐車場が私の絶望感に拍車をかけていたその時だった。

ななめ右後ろの車がどいた。
送りに来ただけだったのか、右後ろの車の横には一台通れるかどうかくらいの抜け道があって、目で追いかけるとその車は、入り口と同じ場所から道路に出て行ったのだ。

文面ではわかりづらいだろうが、詰め込まれた駐車場も一応、区画のようになっていて、8台を5列ほどにしたら、一台分空けてまた詰めていく。そんな感じだったのだ。

つまり私の車は一台分空いた通路から2列目。真横の車さえどいてくれれば、出られる状況だったのだ。

けれど隣の車の持ち主が戻ってくる事に期待するのは難しい。私はぼんやりさっきどいた車のスペースを見ていると「ワンチャン、ここから出れるのでは?」と思えてきたのだ。
後ろの車が私の車との車間を普通より開けてくれていたので、切り返しまくって、ななめ右後ろに車のお尻を入れたら。

その目論見が可能かどうかを自らの腕で測る。サイズはピッタリだ。全く余裕がないレベルではあるが、絶対に無理でもない。

私は自分の着ていた服を横の車の左後ろ、そして後ろの車の右前にかけた。真っ暗な駐車場で、距離の目印にしたのだ。エンジンをつけて、窓からこれでもかというほど体を乗り出して、バックを始めた。

もう永遠かと思うくらい切り返して、嫌な汗をかきまくって、なんと私はそのぴったりの隙間から自分の車を出した。魔法かと思った。傷つけてないか何度もライトで照らしたが、大丈夫だった。
もう今度こそ帰ろうと思ったが、グリフィス天文台はここから車で3分の距離だ。ここまで来て帰るのも何だか釈で、今度こそグリフィス天文台の駐車場に停めて中に入る事にした。

フーコーの振り子。地球の自転を観測するためのもの
もう何処となく雰囲気がギリシャっぽくて、さっきの悪夢を思い出し、早々に展望台に出る。

見て欲しい。このぶれ方を。
映画の舞台にもなったロス一番の夜景を、私は精神的に疲れすぎて見ている場合じゃなかった。せっかく来たのだから記念に残そうとシャッターを押すも、さっきの冷や汗のせいだろうか。何度撮ってもブレるので、コンクリート塀に腕を乗せた。すると真後ろでキャーッと叫び声がして飛び上がった。振り返れば女の子が一人、私を指差している。
何かと触れていたコンクリート塀を見ると、信じられない量のアリが群れをなして登っていた。すぐだったはずなのに、私のズボンに3匹アリが這っていた。

帰ろう。そう思った。



マクドナルドでチーズバーガーのセットを買って、胃の中に押し込んで今夜の宿へと向かう。明日行くディズニーランドに近くて、安いだけで決めた宿だったのでこのホテルへの思い入れは特にない。綺麗でもなければ、汚すぎて寝れないって程でもなかった。外はうるさいけれど、もう気にせずに眠った。

ベッドメイキングすらせずに、とりあえず記録として写真を撮っている私のやばさが伺える一枚
調べたがもうこのホテルはなかった。スターウッド系列に買収されたようだ。

助けてくれ、夢の国よ

泥のように寝た。寝たりないくらいだが、今日は大好きなあの場所に行ける。
そう、私はディズニーランドが大好きなのだ。いつか世界中にあるディズニーランドに行ってみたいと思っていて、ここアナハイムのディズニーランドはウォルトディズニーが唯一完成を見届けた、世界で初めてのディズニーランド。この旅で一番楽しみにしていた場所だ。

ハロウィン時期だったので、装飾がオレンジ

夢の国よ私を癒してくれ。というしがみつくような思いでパークに入ったが、さすがは夢の国。すぐに昨日あった現実世界の嫌なことなど吹き飛ばせてくれる。
向こうはキャラクターグリーディングにあまり重きを置いていないようで、ミッキーでもミニーでもすぐに写真を撮ることができる。そこら辺にいるし、ミッキーの家に並んだりしなくて良い。サインだって書いてくれる。日本のディズニーランドじゃ30分は待たないといけないのでこれは嬉しい。

眠れる森の美女のお城がお出迎え。シンデレラ城ほど高さはなく、こじんまりとしたお城
広さはディズニーランドくらいだと思う。一番気になるCars Landに向かう。
Carsの世界観をそのままに、一歩入るとそこはラジエータースプリングス!

この旅で初めて、テンションがぶち上がった。私は弟がいるせいなのか、カーズが大好き。もうここは完全にカーズのいるあの世界。ラジエータースプリングスに私はいる!!!気分は最高潮!!

しかもタイミングよく、マックイーンが登場!
ちゃんと目も動いています

ゆっくりと走っていく実物大のマックイーン。かっこいい。。。

しかも消防車のレッドまで!!!朝だけのイベントなのか、マップには書かれていなかったので、こればかりはタイミングなのかも。

いつかルート66を走ってみたいと思っていたけれど、モーテル泊まりはもう無理そう

ラジエーター・スプリングスには最大のメイン。カーズのアトラクションがある。

車に乗り込んで、山の中を走り抜けるアトラクション。

シングルライダーだと待ち時間なし

これはもう一言で言うならば、ただただ楽しすぎました。
2台並走してどっちが早いかな?というレースアトラクションなのだけど、スピードもすごいし、臨場感もすごいし、荒涼とした赤土の山の中を走り抜けていくギリギリさも、楽しくて楽しくてたまらない。
このアトラクションに乗るために、このアナハイムに来たいと思わせるクオリティ。本当にすごかった。これは一番人気のアトラクションなだけあって、待ち時間が長い。行った時はど平日で、でも80分待ちだった。
せっかく、海外のディズニーランドに来たのだから、並ばずに遊び回りたいのが本音だろう。そんな人にはシングルライダーがおすすめだ。とにかく待たないしもし誰かと行っても隣の車に乗れるので実際一緒に乗ってるようなもんで、隣でくっついてイチャつきながら乗りたい人以外は、シングルライダーでいいと思う。。

この後はアメリカverソアリンに乗ったり
ちょっとレトロなミニーちゃんを観たり(口紅濃くないか)
ラプンツェルも出るショーも観て
夜のパラダイスピアで夕食
食事はやっぱり日本が断然に美味しい。

チキンにビスケットにグレイビーソースのかかったマッシュポテトという、アメリカづくしの夕食を食べて2泊目のホテルに向かう。
楽しかった1日だったが、やはりこの旅、気を抜かせてはくれない。
この後も安定にやばかった。

ここは何処?この匂いは何?

この写真を見て、ホーンテッドマンション乗車記録!!でも書くつもりなのかと思っただろうが、これは私の泊まったホテルの写真だ。さすがにこの写真は建築当時のもので、今はセピア色ではないのだが、このホテルは本当にやばかった。

前にも書いたが安さと近さで選んだ私は、ヤバさというものを一切度外視してホテルを選んでいた。口コミなどロクに見ず、Booking.comで予約したこのホテルのヤバさは異常だった。

まずホテルの裏に駐車場があるのだが、そこがヤバいやつの溜まり場のようなスポットで、ギャングなのか不良なのか、タトゥーに深い帽子を被ったイカツイお兄さんたちが、たくさん集まってタバコを蒸していた。ロビーの奥にはビリヤード台があって、そこにもまた同じようなお兄さんたちがこっちを見つめてニコっと笑っていた。

そして何がやばいって、このホテル。
もうロビーも部屋もどこもかしこも、マリファナの匂いがする。

日本人からすると、マリファナの匂いがわかるなんて?!と勘違いされそうなので書いておくが、私の住んでいたカナダでは大麻は合法で、街の至る所に大麻が売っていた。バスの中でぷんぷん匂う人なんてしょっちゅういるし、留学先のクラスメイトも「バーガー買うよりこっちの方が安くて満腹になるんだ」なんて言いながら、昼休みの喫煙所でぷかぷか蒸しているのはザラだった(日本人ではないが)

近所のファーマーズマーケットでも可愛いポップな文字で「マリファナクッキー」なんて売られていたし、それを売ってるのが子供づれのファミリーだったりして、まぁカナダの生活でマリファナごときでは驚かなくなっていたのだが、それにしても匂いがすごい。
一人がしているなんてもんじゃない。部屋中に焚きつけたんじゃないかってほどの匂いがするのだ。

換気扇かと思い椅子を使って覗いたけれど匂いのもとはそこではなく、窓を開けようとこのカーテンを開けた時に気がついた。

見てわかると思うが、部屋の中はカビの匂いもして、しかもお湯は水と交互でしか出ない。

窓がない。
もう一度言う。 窓 が な い。

立て付けとかそういう問題じゃなくて、上の部分の窓がないのだ。
2階だったので防犯上はまだいい(良くはない)が、窓がないホテルなんてあるのだろうか、信じられない。
下のロビーに言いに行こうにも、下にはあのお兄さんたちが屯しているし、そのロビーからこの匂いの元が強烈に香ってくるのだから、もう大人しく鍵を閉めてこの部屋に泊まるしかない。

しかもこの道中、私は道に迷ったのだ。
ウォルトディズニーの住んでいた部屋があるってネットで見て、ディズニーの反対側の門から探しに出たせいで、とんでもない距離を歩くことになって、しかもその当時はスマホのGPSなんて無かったものだから、歩いては見えるホテルに入ってそのロビーで道を尋ねて、本来なら歩いて15分ほどの距離を1時間半かけて帰ったあとにコレだった。

窓の開けっ放した部屋で、マリファナの匂いにやられながら目を瞑る。
もうやるのは勝手だし、あの人たちがキマってようがどうでも良いのだが、人に迷惑をかけるのだけはやめてほしいと思う。普通に気分が悪い。

あまりにマリファナ、マリファナ書いたのでもう一度念押しに書いておくが、私は薬に手を出したことはない。
まず一時的な快楽で、この先まだ70年ほど使う予定がある頭や体を壊したく無いし、そもそもがやってみたいな、楽しそうだなと思ったことがない。
初めの方でも書いたと思うが、私は陽の気にあたるのが好きじゃない、だから言ってしまえばお酒に酔ってテンションが上がってる人も好きじゃない。別に見ている分には楽しくて結構。とは思うのだが、私に関わる人となると一気に壁が出来てしまう。

だから飲み会も好きじゃないし、クラブなんて自分からは行ったことはないし、お酒飲んで楽しー!とも特にならない。お酒は味を楽しむもので、私のテンションに介入するものではないのだ。
もう何を飲んでるのかわかりまてん!でも楽しいれす!なんて状態で飲み続けてる人とは、申し訳ないけれど一線を引いてしまう。厳しいことを言うようだけど、酒に飲まれるような人は嫌だ。もちろん何か辛くてヤケ酒して、そんなお酒の使い方をする日もあるだろうが、私が言ってるのはお酒飲むと毎回こうなっちゃうんです。という人だ。

私はお酒の力を使わなくても心の内を話せる人でいたいし、酒でパーッと忘れちゃいたいと思うほどストレスの溜まる日常を送らない努力をしているつもりだ。

まぁ努力をしてたってどうにもならなかったり、泣いたり辛かったり、生きていれば日々色々あるけれど、でもお酒は、嫌なことを洗い流してくれる洗剤ではないから。自分で自分の心をお掃除出来る方法は、自分で持っていたいなといつも思う。そしてしっぽりと日々の疲れを癒すためにお酒を嗜む人が、大人でとても素敵だと同時に思うのだ。

無駄に部屋からの展望だけは良いのも、なんかムカつくポイントだった

USJ ハリウッド

この風景。ロスと言えば、という感じで良くみる

あの部屋で朝まで寝たがおかげさまで体調に異常はなく、朝起きたらマリファナの匂いは消えていた。チェックアウトには顔にタトゥーの入った、目の充血したお兄さんが笑いながら私からお金を受け取っていたが、もう何も気にならない。感覚が麻痺してきたようだ。

USJ ハリウッドで一番のオススメだと聞いていたスタジオツアーに乗ってみることにした。アトラクションらしいが、動物園をゆっくり周るバスみたいな感じで、シートベルトもなければ、窓もない。これでアトラクション?疑問に思いながら乗車

まずは映画で使われたセットを見て行く。
日本の撮影所では中々作れないだろう広いセット。セットというより普通に街。

ワイスピで使われていた車の展示などが続く
特に何があるわけでもない場所に停車したバス

ここまでは普通のツアーだった。観光バスって感じ。だけどここから状況は一変する。

ん?水が流れてきたぞ?
と思ったら横転する!ってレベルの水流に

それはもうバッシャンバッシャンって勢いで、ダムでも開けたんかってレベル。
バスは揺れるし、臨場感が半端じゃない。実際にこういう場所で、こんな規模で水流して撮影しているんだからハリウッド映画ってすごいんだなとしみじみ。

何事もなかったかのように進むバス

池の隣の道で停まったかと思えば、なんとバスが池の中に沈んでいくではないか

どんどんと遠くなる水面
そして着いたのは駅らしき場所。地下鉄かな?
するとドーんっ!と大きな音がしてタンクローリーが激突!
するとまた溢れ出てくる水!!!!!
もうバスが埋まってしまうよ!!!!ってくらいに溢れる水。地下にいてあり得ない量の水が入ってくる怖さって、尋常じゃないなと思った
無事に生還するとジョーズがいた。
はたまた何もなかったかのように進むバス。ここがスタジオの中とは思えない。閑静な住宅街のセット
でも何やらおかしい。刃物を持った男が歩いてきた。普通に怖い
そしてそんな閑静な住宅街に、巨大な飛行機が墜落していた
これ作るの凄いな…
本物の飛行機を壊したのか?だとしても規模がエグすぎる
アトラクションにしてはリアルすぎる墜落現場。右下の人怖いんよ、普通に
ぎゃー!!!ゾンビー!!!

最後はそうだ、ここはアメリカでしたとばかりに、ゾンビに追いかけられて終了。
窓もないバスでリアルなゾンビメイクしてる人に追いかけられたら怖いって。
だけど、これは絶対乗るべき最高のアトラクション。鳥肌立ちっぱなしだった。

余談だが三半規管の弱い方、ザ・シンプソンズ・ライドという乗り物には絶対に乗ってはいけない。
吐かせる為のアトラクションだと思った方が良い。俺は無敵だぜ!って人か、このあと再起不能になっても泣き言を言わない人にならお勧めする。私は知らずに乗って、不能になった。

ビバリーヒルズのロデオドライブに来てみたが、買うものがない

ビバリーヒルズと聞けば、誰しもが思い浮かべる優雅な雰囲気。
確かにここはロスの中でも本当に綺麗な場所の一つだった。ホームレスもいないし、ゴミも落ちていないし、臭くない。
ただ貧乏旅行をしている私にとって買えるような店はどこにもなくて、高級ブティックを横目に取り合えずナイキに入った。ナイキならリュックを背負った学生が入ってきても白い目では見られないだろう。

日本にはないデザインのものが沢山。欲しい物がいくつかあったが、荷物になるので買うのはやめた。
かの有名なルート66の最終地点、サンタモニカ・ピアにやってきた
ここにある遊園地は海外ドラマを見てくるとしょっちゅう出てくる。メンタリストでも出てきた。
私は世界で一番「メンタリスト」ってドラマが好きだ。同じ人がいたら嬉しい。
シンプソンズに三半規管をやられて食欲が全くないので、BUBBA GUMPで良くわかんない魚のフライを摘んで帰路に着く。空港側のホテルはビジネスホテルだったがアパホテル並みに快適だった。
快適すぎて写真が一枚もない。旅行記を書く上ではどうしようもないが、今回に至っては良いことだと思って欲しい。


半日だけシアトルに寄ってみた

やっと帰れる。それが本当に心からの声だった。
二度と来ないぞとロスの空港でチェックインをすると、この画面が出た。

ふざけるな。最後の最後まで。

デルタ空港は飛びません。アラスカ航空に行ってね。
は???事前の連絡は??メールもチェックしてましたけど??
あーだ、こーだ言っても仕方ないのでアラスカ航空へ。定時から1時間以上遅れてのフライトに振り替えられていた。まぁその程度なら良い。保安検査場を通ったら空港内のアナウンスで何やら声が聞こえる。


「ライオ〜〇〇。ライオ〜〇〇。Please come to the gate3.ライオ〜ライオ〜」

みなさん読んでてライオってなんのことだと思うだろうが、私はもうこの人生で100万回は聞いてきた言い回しなのでよくわかる。

これは、私の名前なのだ。

私の名前は「涼」という。読み方で言えば「りょう」だ。
クラスに1人はいただろう、日本人ではかなり沢山いる名前のひとつだ。

この「りょう」という読み方。英語圏の人はまず発音できない。
私の場合、スペルは「RYO」そもそもこの発音自体が向こうにない。
そしてどうしてこれがライオになってしまうかと言うと、このスペルに限りなく似た人名、それがライアン(Ryan)なのだ。分けるならばRy(ライ)an(アン)

つまり英語圏の人はRyをライと読む。でも私はその後にOが付くので
ライオ〜〜〜、ライオ〜〜〜と呼ばれる羽目になるのだ。

微塵も引っかかってない呼び方だが、私なのを察して3番ゲートに向かう。どうして呼び出しなんかされなきゃいけないのか意味がわからない。そして3番ゲートは一番遠い。

ヒーヒー言いながら急いで3番ゲートに向かうと「ライオ?」と言われた。「イエス」と言った。もうこれでいい。変なプライドなど持っていない。名付けてくれたおじいちゃんに謝って欲しいが、私は英語圏ではライオだ。

「Yes.I'mライオ。Did you need me?」

なんか出発時刻もエアラインも変わり、しかもずっとライオとアナウンスされていたせいか、「なんか用??」と喧嘩腰のような英語を使ってしまったが、すぐにWere you looking for me?と言い直した。
これで乗れないなんて言われたら、たまったもんじゃないからだ。

彼女は言った「真ん中の席にしてもいい??」と。
窓際を希望していた、寝たいから嫌だと言ったら「お願いよ。ね?これあげるから」とペラッペラのチーズの入った、ペラッペラのサンドイッチをくれた。貧乏旅行がバレているのだろうか。私はペラッペラのサンドイッチを受け取って、頷いた。最後にもう一度言うがプライドはない。

ロスからシアトルまで2時間半。1時間遅れたものの、シアトルからはまたグレイハウンドの夜行バスでバンクーバーまで戻るのでまだまだ時間はある。

この坂の下に、あの有名なコーヒーショップがある。

シアトルは観光するところがほぼない。本当にない。みんなシアトルに行って何をするかってそれは一つだけ。ここに行くのだ。

港??いやいや違う。目的地はその港の前だ。

ジャーン!と言ってもスタバかよと思われるだろうが、何を隠そうこのスターバックス、世界で初めて出来たスターバックスの1号店なのだ。
ここからスターバックスは世界中にチェーンを広げ、今の大企業になった。

ロゴは当時のまま。1号店限定のグッズがあるためか、店前には長蛇の列ができている。私はコーヒーが飲めないので、ここでしか飲めないコーヒーに微塵も興味がなく、とりあえず見た。という目的を果たせたので、おさらばした。

坂の途中にある、椅子らしきもの。ここで座って話したりするのだろうか。
ようやく家のあるバンクーバーまで帰ってきた。お疲れ様すぎるぜ自分

こんな珍道中でも、生きて帰ってこれたからこそ笑い話で済まされるが、この4ヶ月後。ロスでエリサ・ラム事件が起きた。
あれもバンクーバーの学生(しかも家のそばであるUBCで、年齢は私と同い年)が治安も調べずに全米一治安の悪いと言われる通りにあるセシルホテルに宿泊し、遺体で見つかってしまった。現在も未解決事件で、カナダでは当時、あのニュースをずっと報道していた。真相を探せ。みたいなやつだ。
Netflixにもあるので、もし興味がある方は見てみたらいいと思う。ロスのヤバさが良くわかる。Netflix《事件現場から セシルホテル失踪事件》

今や日本はとんでもない円安で、ドジャースで活躍する大谷選手を観に、ロスの安宿を探したりするかもしれない。けれどロスで安い。ということは裏がある。大通りに面していても、そこが危ない通りじゃないか、また過去に何かあったホテルじゃないか、口コミを良く見て、できるならば日系のホテルかどこかを探して欲しいと思う。

マクドナルドにいても客が殴り合いをしだす街で、スリや、ひったくりにも気をつけ、さらに薬物なんてものも完全に遠ざけた場所で観光するとなると、無難にガイド付きツアーを予約するのが賢明なのではないだろうか。

この旅行記を見ただけじゃ、ロスなんて絶対行かない!と思う人もいるだろうが、私もまだロスの良さを見つけていない可能性も高い。
貧乏旅行をする場所ではなかったのかもしれないし、お金を払えば素晴らしいスポットがあったのかもしれない。

だが私はもう二度とロスには行かない。この世界にはお金を払わなくても素晴らしい物や景色が見られる場所が沢山あって、そっちに時間とお金を費やして生きようと思う。

ロスが大好きなのにこんな記事を書かれて悲しいと思う人がいたならば申し訳ない。けれど、ここは私のただ個人的な気持ちを吐き出す場所なので、気に障ったならばそっと距離をとってほしい。私はこれからもきっと、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いとはっきり言うし、そのことで傷つける人が出てくるかもしれない。

ネットの世界の良いところは、好きじゃない人と距離を取れることだ。だからこそ私の記事で気に障った人がいるならば、遠慮なくフォローを外してほしい。
そしてまた気になるものがあれば、戻ってきてくだされば、その時は気に入る記事をご提供しているかもしれない。そんな具合で、これからもnoteを活用していこうと思う。

ものすごく長い旅行記になってしまったが、ここで終わりとします。


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