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マックのフィレオフィッシュにもワイン 緩く繋がる魚とタルタルにサルディーニャの島ワインの潮香

マックでフィレオフィッシュをテイクアウトし、自宅でワインに合わせる。

これまで、マックのスイートチリシュリンプバーガー、えびフィレオにはワインを合わせたが、フィレオフィッシュは初登場。
過去に検証した相性は以下の通りで、エビのフレーバーがワン・ポイントにワインと繋がりもそれなりに見つかった。

マックのスイートチリシュリンプバーガー
M.シャプティエ, クローズ・エルミタージュ, ブラン, レ・メゾニエ, ビオ, 2019, 3,051円。相性: ★★★★☆
パーラ, ソプラソーレ, ヴェルメンティーノ, イタリア, サルディーニャ, 2021, 13.5%, 2,376円。相性: ★★★☆☆

マックのえびフィレオ
M.シャプティエ クローズ エルミタージュ ブラン レ メゾニエ ビオ 2019, 3,051円。相性: ★★★☆☆
カーサ・ダンブラ, イスキア・ビアンコ, イタリアカンパーニャ州, 2021, 13%, 1,989円。相性: ★★★★☆

さて、今回はフィレオフィッシュ。マックのサイトによると中身はスケソウダラ。ちなみに2019年10月に以下の通り工程がリニューアルされている。これにより、冷凍工程が2回から1回に削減され、食感、風味がさらに良くなったようだ。

【従来】
①アラスカのベーリング海で獲れた「スケソウダラ」を漁獲後、魚のまま冷凍してタイに輸送
②タイの加工工場で魚を解凍し、骨や皮などを除去したあと、切り身を型枠に並べてブロック状に成型して再び冷凍
③冷凍されたフィッシュブロックを、フィッシュポーションの形状(四角)にカットし、衣とパン粉をつける
④袋詰めして日本へ出荷

【リニューアル後】
①アラスカのベーリング海で獲れた「スケソウダラ」を漁獲後、漁場近くの工場で速やかに骨や皮などを除去し、鮮度を保ったまま、切り身を型枠に並べてブロック状に成型・冷凍のうえ、タイに輸送
②タイの加工工場で、冷凍されたフィッシュブロックをフィッシュポーションの形状(四角)にカットし、衣とパン粉をつける
③袋詰めして日本へ出荷
マクドナルドのホームページ
https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2019/1028a/

まずはフィレオ2倍の“倍フィレオフィッシュ”を注文(470円)。

これにきっと合うだろうと踏んでいた樽の効いたシャルドネを合わせる。イタリア シチリア島のもの。さらに間違いなさそうなスペインのスパークリングワイン、カヴァに。そしてさらに数日後、倍ではない通常のフィレオフィッシュを購入し(340円)、シーフードとの相性が良いイタリア サルディーニャ島の白ワイン(ヴェルメンティーノ品種)に合わせてみた。

マックレシピでは半分のチーズがベストバランスらしい

しっとりした弾力のバンズ、(倍フィレオでない通常の方は)小ぶりサイズで上部を人差し指と中指、下部を親指で軽々と持てる。お店推奨の持ち方はキムタク式で、パンの上部は、人差し指・中指・薬指の3本で押さえ、下部は親指と小指で押さえる、らしいが。あのCMが流れてる間は、私にはできそうにないw

少し意外だったのが魚の風味の弱さ。これはフィレオ2枚の倍フィレオでもそう。強い魚の風味が苦手という消費者をケアして最大公約数的の味付けにした結果だろうか。ソースのタルタルの中のマヨネーズ、ピクルスもどこかメリハリに欠ける感じがするが、これらが緩く絡み合ってふわりとジャンキーなリズムを奏でる。サカナくん、どこにそんなリズムを隠してたの。食べ進めていくとこれはこれで悪くない。ただ、シーフードを食べる心構えでワインを準備して頂くと、2枚に重ねても魚の風味が弱く、期待していたほどワインに絡んでこない(こういう消費者の方がレアですねw)。それでもサルディーニャ島の白ワイン(ヴェルメンティーノ品種)の潮の香りが、緩い魚の風味にもふんわりと繋がり好意的だった。

さて、フィレオフィッシュとそれぞれのワインの相性について詳しく。


クズマーノ, ヤレ, シャルドネ, シチリア, 2020, 3,069円
Cusumano, Jale, Chardonnay, Sicilia

祖父の代からバルクワインを生産していたクズマーノ家、2000年に現オーナーの兄弟が自社でボトル詰めを開始。海抜700mの畑「フィクッツァ」から収穫されるシャルドネ。"ヤレ"とは、畑沿いの白っぽい小道の呼び名。畑の周りの森に吹く風がブドウにアロマをもたらす。手摘みで収穫、低温でスキン・コンタクト。225Lのバリックでアルコール発酵。そのまま澱と共に6ヶ月間寝かせて瓶詰め。
琥珀がかった力強い色調。
香りには焼きリンゴ、リンゴジャム、コーンや樽由来のバニラの香りの厚み。ホシワラ、アカシアのニュアンスに加え、潮の香りはしっかりと産地の個性を表現。
味わいは瑞々しく重くない。ひとひらの蜜の高貴な甘美なニュアンス。穏やかながらワインを心地よく引き締める酸味。ほろ苦さやミネラルのニュアンスに富む奥行きある余韻。

ダブルフィレオにワインを合わせる。タルタルソースのマヨネーズとみじん切りのピクルスに、ワインの果実味の厚みと酸味が好相性。一方、魚の風味が倍フィレオでも弱く、ワインに絡んでくる力がない。そして余韻にはやんわり微妙なほろ苦さが残った。樽の効いたシャルドネだと、自ずとそれに負けない果実味を備えていて、これらのパワーがフィレオフィッシュにはtoo much。合わせるべきはスプライトなのかなと心折れそうになるがチャレンジを続ける。相性: ★★★☆☆


アンヌマリー, コンテッスカヴァ, ブリュット・ナチュレ, レセルヴァ, NV, カステル・ダージュ, スペイン, 12%, 2,266円
Anne Marie, Comtesse, Cava, Brut Nature, Reserva, Castell DAge, Spain

バルセロナ近郊でビオディナミ栽培されるブドウを使用。チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ品種のブレンド。ゆっくりプレスしステンレスタンク内発酵、24ヶ月間瓶内2次発酵後、補糖無しで瓶詰めされたドライなスタイル。
香りにはリンゴジャム、バニラ香、白コショウに微かに干しワラのヴェジェタル、海藻のミネラルのニュアンス。白い花とアカシア、厚みありつつも上品なまとまり。
味わいは瑞々しくジューシーな果実味。きめ細やかな泡の舌あたりが心地よい。キレのある酸味、余韻に苦みやミネラルのニュアンスに富み、上品でドライなフィニッシュ。

倍フィレオに。ワインの泡の刺激と酸味は、フィッシュフライの脂とタルタルソースのマヨネーズ、ピクルスとの相性良し!とはいえファーストアタックのみで、この組み合わせも中盤以降は魚の風味が立ち上がってこず、ワインのフレッシュで快活な果実味に圧倒される。相性: ★★★☆☆


シルヴィオ・カルタ, セレナータ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スーペリオーレDOCG, イタリア, サルディーニャ, 2021, 13.5%, 2,695円
Silvio Carta, Serenata, Vermentino di Gallura, DOCG. Superiore, Sardinia, Italy, 2021, 13.5%

甘口のレモンリキュール“リモネッロ”でもよく知られる。ヴェルメンティーノ品種、カンノナウに加え、カニュラーリという珍しい品種からもワインを造る。
透明なボトルに映えるややはっきりとした色調。
香りには青みを含むライムの柑橘香、レモン、やや甲高くフレッシュ、香りの奥にほのかに白桃、アンズなどの甘美な香りをほのかに、レモングラスのハーバルなタッチ。
味わいにはフレッシュながらもゆったりとした果実の甘味、やや穏やかな酸味。中盤からキュッとほろ苦さが余韻まで、最後にふっと潮香。あか抜けない甲高い果実味も魅力的。

上述の2種類のワインは倍フィレオに合わせたが、こちらのワインはスタンダードのフィレオフィッシュに。フィレオの魚の風味が弱く、ワインの甲高い果実味が強く口内の余韻を支配。ただ、ピクルスの酸味と緩い魚の風味に、ワインに含まれる潮の香りがふわりと重なる心地よさがある。四つ星か迷う。相性: ★★★☆☆

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