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変態プロレス放談

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しがない変態プロレスファンが、プロレスを中心に気付いたこと・感じたことを徒然なるままに書いてみました。 ひとつよしなに…!🙇🙇🙇
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記事一覧

【何でも公表する】事が、優しさとは限らない話について

はじめに 先日、東京女子プロレスの乃蒼ヒカリ退団のニュースが発表された。 2023年12月から欠場に入っており、2024年2月には一身上の都合で当面の活動休止が発表されていたものの、本人の挨拶も無いまま退団という形の幕切れとなった。 このリリースがなされる前の2024.5.14に、あるファンの方が、東京女子プロレスの甲田哲也代表と、乃蒼ヒカリが所属していた事務所社長の2人に宛てる形で、嘆願書のようなツイートを投稿した。 この嘆願ツイートは現在削除済だが、今回私が行う指

プロレス場放浪記~第4回・好きです かわさき 電流爆破~

はじめに率直に言って、私は深く感動していた。 屋外で行われた電流爆破デスマッチを見て、多くの人達が盛り上がっている光景に。 そして、その電流爆破デスマッチが、プロレスファン以外の人達に受容されていた雰囲気に。 2024.5.11、川崎フロンターレが企画したイベント『ボーイズビーアンビシャス』内で行われた、電流爆破デスマッチ。 当初は2022年夏に予定されていたものの、台風によりサッカーの試合自体が中止に。 それに伴い中止となったイベントが、約1年9ヶ月振りに実現した

『WRESTLE MAGIC』を生観戦した感想を振り返る

はじめに 2023年秋~冬にseason1(全5大会)、2024年4月にseason2(全4大会)が開催された、プロレスリング・ノアの『MONDAY MAGIC』。 「NOAHの熱い戦いを連続ドラマのように多くのプロレスファンの皆様に楽しんでいただく」というコンセプトの下、月曜夜に開催された同ブランドでは基本的に全カードが当日発表。 参戦選手や試合数、試合形式すらも殆ど分からない中で行われる実験的な大会だったが、結果的に全9大会が満員。season1初回を除けば前売段階

「推しが推せる時に来た」と感じた話について

はじめに「推しは推せるうちに推せ」という言葉がある。 詠み人知らずの唄みたいだけど、定期的に耳にするのは、誰にでも刺さりうる"別離"について触れているからだと私は思う。 いつ、好きな人や大切な人が目の前からいなくなってしまうかなんて、誰にも分からない。 それは何も、推しという存在に限った話ではないだろう。 私も実際、親族とか、大学時代に世話になった先輩とか、プロレスを通じて知り合った人とかとの離別で感じた後悔とかは、少なからずある。 一方で、必ずしも推せるうちに、自

『MONDAY MAGIC』season2を全部生観戦した感想を振り返る

はじめにプロレスリング・ノアが2023年に立ち上げたブランド・『MONDAY MAGIC』。 2023年10月~12月にかけて全5大会が開催されたseason1は、ブランド名通り月曜開催という条件でも、初回を除く大会が前売り段階で完売する盛況っぷり。 season1最終回では、2024年4月に全4大会からなるseason2が発表されると、チケットも全4大会が前売り段階で完売。 2024.5.4に控える『WRESTLE MAGIC』に向けた強化月間とも言うべき側面も強いs

DO YOU WANNA DANCE WITH ME?~2024.4.11『拳王vs清宮海斗』~

はじめに 2010年代後半から、プロレスリング・ノアの看板カードに定着したライバル関係がある。 それは、『拳王vs清宮海斗』だ。 2019年11月の両国国技館メイン、日本武道館でもタイトルマッチが複数回組まれるなど、近年はビッグマッチでの対戦が多い両者の一戦は、これまでに11回実現した。 戦績では7勝4敗で拳王が勝ち越しているものの、直近2試合はGHCヘビー級王座戦で清宮が連勝中。 過去にGHCヘビー級王座戦5回、GHCナショナル王座戦2回と度々タイトルと団体の舵を

プヲタが初めてThe BONEZのライブに行った話

はじめに2024.4.6の夕暮れ時、私は千葉県の幕張メッセを訪れていた。 この日は新日本プロレスの春のビッグマッチ・両国国技館大会があったりして、プロレス興行も色々開催されていたのだけど、この日は個人的にプロレス以上に惹かれるイベントが開催されたのだ。 The BONEZの幕張メッセワンマンライブ『SUNTOWN』だ。 しがないプロレスファンの私からすると、プロレスラー・伊橋剛太の代名詞になってる「イェイ!カモン!」の元ネタになってる楽曲のボーカルがいたり、 同じく

わたしと中野サンプラザ

はじめに2021年春、私は初めて一人暮らしをすることになった。 それまでは親兄弟と実家で暮らしていたものの、一人暮らしになる数年程前から、親が実家のある地方に戻る計画を話していたこともあり、「ゆくゆくは一人暮らしをしなければならないのだ」という自覚に至っていた。 でも、必要に迫られたから次に向けて動けただけであって、今でも「よく一人暮らし出来てるね、わたし」って思う事がしばしばあるくらいには、社会に不適合だという自覚もある。 そんな私が人生初となる一人暮らしの場所に選ん

約束~2024.3.30『中嶋勝彦vs安齊勇馬』~

はじめに「あの三冠戦は何なんだあ!!!あれをどう思う!?」 2024.3.30、東京都大田区。 プロレス観戦終わりに偶然遭遇した年長の知人に会うや否や、肩をゆすられて、いきなりこう言われた。 咄嗟に「これは一緒に飲みに行かないといけないな…!」と察した私は、知人に提案する形で、蒲田駅近くにある中華料理屋まで移動する事にした。 会場から店までの移動中に交わした知人との話は、この日の全日本プロレス大田区総合体育館大会で組まれたメインイベント・『中嶋勝彦vs安齊勇馬』で占め

『MONDAY MAGIC』season1を全部生観戦した感想を振り返る

はじめに他の人に向けて、自分のオススメの何かを提示するタイミングが訪れた時に、私自身気を付けている事がある。 「自分の好きな団体や選手であっても、相手の好みによっては薦めない選択肢を取る」という事だ。 例え、自分の好きなもの・オススメしたいものがあったとしても、相手の好みとマッチングするものでなければ一方的な押しつけになってしまうし、何より続かないと私は考えている。 個人的な理想形としては「プロレスコンシェルジュになりたい」という表現が適切だろうか? 仮にもし「色々知り

○○ニキと言われたい願望と、その理由について

はじめに2020年春に訪れた新型コロナウイルス禍。 当時、春以降に予定されていた数多くのイベントやエンターテインメントが中止や延期に追い込まれ、外出を自粛する風潮が強まった。 私の好きなプロレスも例外ではなく、ほぼ毎週のように足を運んでいたプロレス会場に3~4ヵ月行けなかったし、その間はテレビの無観客配信やプロレス以外の事(自炊や音楽鑑賞etc)で心の飢えを凌いでいた。 今振り返ってみても辛く苦しい時期ではあったけれど、個人的にコロナ禍で唯一良かったと感じている事がある

拍手を褒められて救われた話

はじめに「わあ、大きい拍手してくれてる!」 先日、市ヶ谷にある小さな会場でプロレス観戦をしていた時に、ある選手の方から直接言われた言葉だ。 私は声をかけられた時、驚きを隠せずにいた。 個人的に、会場で拍手は出してナンボのもので、ある種当然の事だと思っていたから。 大会後、懇親会のようなものに参加させていただく機会があり、その選手の方とお話する機会もあったのだけど、「凄く大きい拍手をしてくれるのが嬉しかった」と改めて言われた。 そんな風に言われる事なんて、多分初めての

squeeze~2024.2.28『拳王&大和田侑vs清宮海斗&大岩陵平』~

はじめに先日、私がプロレスを観戦しに行った時に、カメラで撮影した1枚がある。 SNSで観戦時の写真を投稿すべく選定していた時に、この写真を見つけた。 そして、写真を見た時に、ふと『スクイズ』という言葉が頭に浮かんできた。 スクイズという単語を調べてみると、このような意味が出てくる。 「スクイズ」という言葉が私の脳内に浮かんできたのは理由があった。 以前、タッグマッチなどでコーナーに控えている選手が、相手の首や関節を絞り上げているパートナーの選手に対して「スクイーズ!」

壁破壊の件で考えさせられた個人的感想について

はじめに自分の目で確かめないと、分からないことがある。 現地にいないと感じ取れない空気や匂いがある。 新型コロナウイルス禍が訪れた2020年春以降、私の好きなプロレス界では動画配信の流れが加速していき、現地にいなくてもリアルタイムで試合を見たり、感想を共有できるようになった感覚がより一層強まった。 正直な話「配信があるから、別に無理して現地に行かなくてもいいや」と思うことも増えたけれど、それでも現地に足が赴いてしまうのは、肌感覚で伝わってくるライブならではの雰囲気や興