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手放したい感情との向き合い方

「なんで、私ばっかりこんな目に合うの?」

突如宣告された皮膚の難病。
「あぁー、もう大好きな筋トレできないんだ」
「終わった・・・」

私はとにかく飽き性。
何をやっても中途半端。
中途半端の嬢王といえるほどの中途半端人間。
そんな私が続けられた数少ないものの一つが筋トレでした。

トレーニングがもうできないと分かって真っ先にやったこと
それはジムの解約手続き。
当たり前だよね。行けないんだもん。
仕事終わりと休日はトレーニング漬けの日々を送っていた
私の目の前からトレーニングが消えた。

「なんで私から続けられるものを奪うの?神様って残酷すぎる」

そこから始まる自分責めと他人の欠点探しの日々。
私はこんなに不幸なのに、どうして性格が悪いあの人は幸せなの?
なんで私が難病?なんであの人じゃないの?私のなにがいけないわけ?

手のひらの皮剥けが日に日に悪化。
次第に指を曲げることも困難になり日常生活に支障が出始める。
部屋を見渡せば剥け落ちた皮膚が散乱している。
掃除しては落ちる、掃除してはまた落ちるの繰り返し。
こんな生活を送るある日仕事からの帰宅途中、私は泣きながら歩いていた。

叫びたい・・・

そんな衝動に駆られた私は、辺りを見渡し誰もいないことを確認すると
星がかすかに見える夜空に向かって「もうイヤ。もうこんな生活やめる」
と近所迷惑にならない程度に叫んでみた。
そしたら涙が止まったのと同時に謎のやる気がこみ上げてきた。
家に帰って真っ先にやったことはデスクに向かい
ストレスに感じていることの書き出し。
ひたすら箇条書きで書き出しました。

ペンが止まらない・・

私、こんなにストレス感じていたんだ・・

書きながらまた涙があふれてきたのと同時に
生まれて初めて味わう感覚を味わった。
それは「心の底から自分に感謝をする」ということ。

飽き性で超がつくほどのネガティブ思考の私は
自信に満ち溢れ自分に自信を持っている人に憧れていたので
数々のセミナーを受講していました。
あるセミナーで提唱されていた「自分に感謝をする」私はこれがどうしても理解できないでいました。
自分に感謝するってどうゆうこと?感謝ってgive(なにかしてもらったことや与えてもらった)に対してするものでしょ?とずっと思っていた私。

「あ、私の思考基準ってぜんぶ他人じゃん・・・」

感謝もそう、見た目もそう、全てが他人基準になっていることに
気が付いた瞬間、書き出したメモを見返し目に留まった
「トレーニング」の文字。

私は何が目的で筋トレやっていたんだろう?

正直、深堀していくのが怖かった。
だってあんなにハマって、休日の午前中はトレーニングしかしない!って
決めて送っていた日々が無駄になる気がしたから・・
どうしょ・・
深堀る?
今日はやめとく?
いや勢いあるいまがチャンスだよね?
そんな葛藤の末、私は深堀するという選択をしました。

いろんな角度から自分自身に質問を投げかけては紙に書く。
これを繰り返していると、一つの答えにたどり着いた。

「ブランド物を持たなきゃ」

なにこれ・・・?ブランド物を持つこととトレーニングに
何の関係があるのかさっぱり理解できない。
しばらく呆然と眺め考える。

そっか、ブランド物を持たない自分には価値がないと思っていたんだ・・・

自分に価値を見出すための手段がトレーニングだったんだ。
これに気が付いたら涙が止まらず30分以上泣いていた私。
(翌日、目を腫らして出社しました・・・笑)

純粋にトレーニングが好きでやっていたんじゃなかったとわかった瞬間
今までの私ならきっとトレーニングに費やしてきた時間が無駄だった・・
と思ったはず。
この時の私は違った。

皮膚の病気とトレーニングに、そしてストイックな私の
トレーニングメニューに耐えてくれた私の身体に
感謝の想いでいっぱいだった。

そっかそっか、私はブランド物を持つ自分に執着していただけなんだ。
ブランド物を持っていない自分って本当に価値がないのかな?
まったくそんなことない!
ブランド物を持っている私と持っていない私で変わるものなんて
なにひとつない。
自分の価値は持ち物で決まるものじゃない!
と腹落ちしたとたん胸に溜まっていたモヤモヤが一気になくなった。

ここからの行動は早かった。
買い取り業者に予約を取り残したいもの以外のバッグ、アクセサリー、服
全て買い取ってもらいました。
クローゼットとジュエリーボックスは寂しくなったけど
私の心はものすごく満たされていった。
だって私の好きなものだけを部屋に残したから。
好きなものだけに囲まれているから。

ブランド物への執着を手放したら日常がどんどん変わっていった。
職場も変わっていなければ、住んでいる家も変えていない。
執着に気づく前と気づいた後で環境はなにひとつ変わっていない。
唯一変わったのは、思考。
物事の捉え方だけが変わった。
他人の目を気にすることがなくなり、ブランド物を持たなきゃと
思うこともなくなった。

最近出会った子には
「どうしたら、れいさんのように自分に自信が持てるようになりますか?」と聞かれるようになった。
この言葉は純粋に嬉しくて心の底から笑顔になれた。

少し前の私には考えられない景色が見えている。
執着を手放したら生きやすくなっただけでなく
某大学病院で治らないといわれた病気も改善してきた。
部屋に散乱する皮膚の量があきらかに減っている。
毎朝、目が覚めるだけで感謝がこみ上がるよになるなんて
思ってもみなかった。
人生こじらせているのは自分自身。
これに気づくチャンスを掴んだ私自身に感謝しかない。

過去に受講したセミナーで講師の方が「人生を変えるのは一瞬。カンタンよ!」といっていたけど、人生を変えるって本当にカンタンなのかも!

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