「1ヶ月食費1万円生活」
先日、引越しをした。
私は今、千葉の田舎の家賃2.5万円の物件に暮らしている。
理由はひとつ、住む場所がなくなったから。
先日まで私は千葉の知人の家に居候させていただいていた。その知人が、アパート退去のため「そろそろ出ていってね」みたいなことをほんのり言われ、私は新しい住居を探すこととなった。
とりあえず家賃の安さを第一条件に物件を探し始めた。住みたい場所も特になければ時間もなかったのでとりあえず今の住居から比較的近い場所で検索して、一番最初に出て来た物件をオンライン内覧し、そこに決めた。
これからの住処を決めるにしては、かなりギャンブル的な決め方だったと思う。だけど、狭いけど落ち着ける家で、家の雰囲気も開けていて私はとても気に入っている。
そうして私は今月から一人暮らしを再開した。
4.5畳の個室で収納はベッド下の引き出しのみ。来る前にかなりモノを整理して来た。
そんなこんなで、今月からの私の暮らしは一気にすっきりしたものとなった。物理的にももちろん、金銭事情的にもそうならざるを得ない状況になった。
一言で言えば、節約生活である。毎月の費用を算出し、月々の食費は一万円程度で収めるという目標を立てた。
今までの2/1から3/1といったところだろうか。
それにあたり、私は一番すこやかで安く食費を収められる方法を考えた。
まず、食べ物はなるべく無駄なく使うことだ。なるべく採れたものをそのままに近い形でいただくことが、一番栄養も取れる気がする。お米は玄米、野菜もなるべく皮とかむかずに食べられそうな部分はいただく。キャベツとかも、茎は細かく刻めば普通に食べられる。
節約生活と言って、安さだけを考えて野菜を買うと農薬なんかが気になるので、そこはケチりすぎないこと。無農薬野菜とかまでは難しいので、スーパーで見てなんとなく活き活きしていてよさげな野菜、旬のものなんかを選ぶようにしている。食べ物を口に運んだり、選ぶ際に最後にモノを言うのは視覚、嗅覚、味覚の本能的な部分であると思っている。
「これ作るために材料揃えよう」って感じで買った材料ではないので、何を作ったらいいのか?と、いざキッチンに立つと少々迷う。
じゃがいもがあるので、とりあえずポテトサラダを作ろうと思った。
普段ならポテサラといえばきゅうり🥒、ベーコン、卵や彩りのコーンとか入れそうだけれども、ご想像の通りキッチン台の上にそんなに豊かな材料はない。
とりあえず、じゃがいもと買っておいた新玉ねぎをレンチンし、スプーンでざくざく潰す。
これが主な作り置きストックになりそうなので、できたらもうちょっと緑の栄養素が欲しい。冷凍庫をのぞくとほうれん草のストックがあった。ポテサラの具にしたことはないが、あるもので賄えと材料に加えることにする。
彩りももうちょっとほしい。キッチンを漁るといつぞや買ったドライトマトあった。これも刻んで入れる。
玄米を買った時におまけでもらった青じそのふりかけもついでに入れる。体をあっためたいのでなんとなくしょうがチューブも入れる。
以前買って古くなっていたヴィーガンマヨネーズも入れる。たぶん一人暮らしになったらマヨネーズは買うことはない気がするから、しばしのお別れだと少し感慨深く泣きそうな気持ちになりながら(嘘)、感謝を込めて投入。
栄養素もほしいのでお味噌も入れる。蒸しチキンのようなものも作り置きしていたので手でザクっと割いて加える。
でっかいしゃもじでざっくり混ぜる。空花オリジナル「こんなのあるかなポテトサラダ」の完成!
ありあわせで作った、たぶんまだ誰も作っていなさげな、ありかなしかわからない未知に満ちたポテトサラダである。わくわくしながらひとくち。うーん、しょうがの香りが結構強すぎたかも。でも、なんか色々な味が複雑に絡みあい、口の中がお祭りのように賑やかである。味噌もコクがあって、、うーん、あり。私的にはあり。いや、ありどころか美味しい!次回作るときは、生姜の量を減らすか入れないようにしようっと。と思いながら、たぶん同じものを作ることは2度とないだろうなと思った。奇跡的な巡り合わせで生まれた。この世に一度限り誕生した奇跡のポテトサラダなのかもしれない。そんな風に思いを馳せながら、やたらとありがたがりつついただいた(ちなみにまだストックはある)。
この料理体験から得た気づきがひとつ。
「ない」ことで人は不足を見い出す。放っておくと、私だってそんなことだらけである。
だけど、「ない」ことで新しい料理を生み出したり、それを考え出すというクリエイティブで楽しい時間を作ってくれる。お金が「ある」ことですてきなレストランで気分を変えてディナーをするのももちろん幸せだけど、「ない」ことで生まれる豊かさも同じだけ、陰陽は対極、プラスとマイナスの側面があるのだ、ということを、私は食費一月1万円生活を通して教えてもらっている。そんな風に、ふと気がついた。
この豊かさを忘れずに、今後も生活を楽しんでみようと思います。お料理だったり、そのほかの節約生活の内容も随時こちらでご報告していきますので、お楽しみに◎
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