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乳がん日記、あらため、息するだけの日々の記録(2023/09/26)

2023年9月26日(火)

今日は乳腺外科の診察があるので、午後休を取得。病院の前に美容院の予約を入れたので、軽くパンでも食べようと成城石井のベーカリーへ行ってみた。
ベーカリーのなかに入ると、なにかの取材をしているのか、カメラで撮影をしている人と指示をしている人がいた。撮影をしている人のうしろからぼんやりとパンを眺めていると、突然あらわれた成城石井の偉い人らしきおじさんが「お客様が来ているでしょう」とカメラマンに注意したのであせった。カメラマンにどうぞと譲られて、あわてて塩バターパンとスコーンを選び、偉い人らしきおじさんに謝られながらそそくさと店を出た。

塩バターパンとスコーンがおいしかったので、満足して美容院へ向かう。カラーとカットのあいだに、今村夏子『むらさきのスカートの女』を読み終えた。この小説の英訳者が解説を書いていたのが興味深かった。向こうでは〈ミステリー〉と紹介されているとか。たしかに、この小説の最大の謎が最後にきちんと明かされるところはミステリーと読むこともできる。

特急に乗って病院へ。電車のなかでは、伊坂幸太郎『死神の浮力』をオーディブルで聴く。こう書くと、なんだかすごく読書家のようだ。一分一秒も無駄にせず本を読んでいるような……どうじて一分一秒も無駄にしないのに、一時間や一日はすぐに無駄にしてしまうのだろう。

病院に着き、診察室に入ると、まずは最近の体調を報告……するはずが、なぜか岡山のライブのあとは路面電車が激混みで困るという話をする。ちなみに、先生は岡山大に通っていたそうだが、チャリンコを愛用していたので路面電車にはほとんど乗ったことないらしい。

と、先生のうしろに控えている秘書さんに呆れられそうな話をしたあと、診察へ。「リンパは腫れてないようやね」と先生に言われると安心するが、CTを撮っているわけではないので、「ほんまやろな?」とどうしてもかすかに疑ってしまう。先生は続けて、放射線の痕が残っているとか、肌が乾燥しているとかなんとか言うけれど、正直なところ、自分としては胸の見かけなどまったくどうでもよく、なによりリンパや再発が気になるので上の空で返事をする。

診察の最後に、半年に一回のリュープリンの注射をする。へその右横にブスリと打たれる。というと痛そうだが、いつも注射の前に、おなかの上にドライアイスを置いているのかという勢いで冷やしてくれるので、さほど痛みは感じない。(実のところ、以前痛かったときがあり、その次の診察のときに痛かったと先生に訴えたら、キンキンに冷やされるようになった)

病院を出て、淀川の堤防を歩く。少し涼しくなったかと思いきや、また暑さがぶり返していて、なんでこんなに暑いねんと今年の夏数えきれないくらい思ったことを再びつぶやく。

歩いているうちに、母親が入院している病院に近づいていく。見えそうで見えない。骨折にコロナに褥瘡(床ずれ)といろいろあったが、入院先の病院でちゃんと治療してもらったおかげで、少し前に療養型病院に転院することができた。もう80近い母親だが、最近は面会のたびに元気になっているので、人間の回復力とは侮れないものだなとつくづく感じる。

ていうか、こっちが病人やし!! と言いたくなるが、私も一日8000歩歩いているせいか、病気になる前より体力がついたのは事実。人間ってこうやってだらだら生きていくものなのかもしれない。

……と、ひさびさに日記を書きました。
夏が過ぎて(まだ暑いけれど)、楽しい予定も終わり、ただ息をしているだけの毎日ですが、息するだけの日々の記録として書いてみました。

(最後の最後の花火が終わったら……しかし考えたら、ここ最近は一年じゅう花火があがっているような気もする)


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