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雨の慕情と魔法の思い出? 生きて音楽を聴き続けたい 2024年1月中旬の日記

2024年1月8日(月・祝)

年始早々地震など不穏なこと続きで、国は自分たちを守ってくれないようだとつくづく感じる今日この頃。
贅沢したいわけでもないし、儲けたいわけでもない。
ただ安心して生きていきたいだけなのに、どうしてこんなに不安なのか?

そんなことを考えながら、『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』発売記念のトークイベントを観に、梅田ラテラルへ行く。この〈遅フェミ〉については、下のnoteで感想を書きました。

イベントは作者の和田静香さんのほかに、ジェンダーをテーマとしたエッセイを多く執筆している作家のアルテイシアさん、同志社大学教授の岡野八代さんも登壇されて、さながら決起集会のようにたいへん盛りあがった。

連帯すれば不安が消える、というわけではないけれども、常日頃感じている不安や疑問を口にして共有すれば、ほんのわずかでも前向きな気持ちになれるのかもしれない。そんなふうに思えた夜だった。

2024年1月11日(木)

先日の八代亜紀さんに続いて、冠二郎さんの訃報を知る。

え? 八代亜紀や冠二郎となんの関係があるの??

と思われるかもしれないが、実は大学を出てすぐに、某レコード会社の大阪支店で事務のアルバイトをしていたことがある。
(本来なら真面目に就職活動をすべきタイミングだったのに、「音楽好きやからレコード会社で働いてみたい~」という小学生並みの動機で応募した)

そのときに、八代亜紀さんとの食事会に参加する機会があった。近くで拝見する亜紀さんはとてもやさしく美しくて、これがスターか……!とつくづく思った。
後日、その日の写真をみんなで見てみると(写真を紙に現像する時代でした)、ふつうの人は写真によって半目になっていたり、あらぬ方向をむいていたり、油断した表情になっていたりするものだけれど、八代亜紀さんはどの写真もすべてプロマイドみたいに完璧な笑顔で写っていて、スターの威力に再び圧倒されたのを覚えている。

冠二郎さんが支店に来られたときは、冠さんの冠(か否か)に注目しないよう社員の人に言い渡されていたので、伏目がちにおずおずと挨拶したのだが両手でぎゅっと握手され、その握力の強さにやはりスターの威力を感じた。

そしてまたもやチバを思い出す。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTも、私が働いているあいだに一度だけ支店に来たことがあったのだ。
宣伝の人が「チバさんにお茶持ってく?」と声をかけてくれたにもかかわらず、恐れ多くて、というか緊張のあまりコントみたいにお茶をぶちまけるのではないかと怖くなって辞退してしまった。いま思えば、せっかくの機会なのだから有難くお茶を持っていけばよかったような気もするし、いやでもやっぱりウチよう行かんわ~という気もする。

でもみんな死んでしまった。まさに「そして誰もいなくなった」状態だ。

2024年1月17日(水)

別件の用事があったので、かつて一緒に働いていた後輩のXちゃん、Yちゃんにひさびさに連絡し(もう彼女たちは別の職場に移っているので後輩でもなんでもないのだが)、私ももうすぐ辞めることを伝える。

X「次も知財の仕事するんですか?」
私「いや、次のことはなにも決めてないけど。。楽しい仕事をしたい、それだけが望みかな」
X「楽しいっていうのは重要ですよね。私はもうとにかく苦痛じゃないならそれでいいとしか思えないですけど」
Y「私もそう。苦痛じゃなければいい」

もちろん私だって、現実においては、楽しい仕事や楽しい職場などというのは幻というかツチノコやネッシーのようなもので、実際は多少なりとも苦痛でない方、砂漠で砂金を探すようにless苦痛を探さなければならない(それが難しい)というのはわかっているけれど……生きるってなんて大変なことか。

2024年1月21日(日)

梅田クアトロでサニーデイ・サービスのライブ。
去年は映画は観たものの、タイミングが合わずにライブは行けなかったのだが、いつの間にやら若い男子のファンが増えていることに驚く。
若い観客のパワーに感化されたのか、90年代の名曲から最新アルバム『DOKI DOKI』の曲まで、3時間半におよぶエネルギッシュなライブだった……いや、ちがう。若い観客のパワーもしのぐ力強さがあった。だからこそ、若い観客もひきつけられているのだろう。

ひとりひとりの観客をしっかり見ながら演奏する曽我部さんはいま目の前で生きていて(途中で気分が悪くなった客の存在にもいちはやく気づいていた)、これからも生きて歌い続けてくれると心の底から信じることができたライブだった。あ、田中さんのラーメン最新情報もおもしろかった。

(昔、『LOVE ALBUM』のツアーで「魔法」を聴いて余韻にひたっていたら、突然バンド解散の報を知って悲しくなった記憶があるけれど、この日の「魔法」はそんな思い出を塗りかえてくれた)





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