頬に少し伸びている産毛が白く光っている
窓から差し込んできている温かい日差しが
私達の眠っているベッドを優しく包み込んでいる
向日葵も思わず見惚れてしまうような日差しが
私の頬をくすぐって、ぼんやりと目を覚ました
気持ちよさそうに眠っている
私の隣でずっと、気持ちよさそうに
好き
すきすきすき
彼の寝顔を隣で見つめて
ずっと体の芯が疼いている
私は産毛の揺らめきを、じっと見つめる
何時間でも見ていられそうだ
頭が外の日差しみたいにぽーっとする
幸せ
花が美しく咲くのは
素敵な太陽と、たっぷりの栄養を含んだ土壌と
綺麗な水があるから
私は、その全てを与えてくれる人に出会った
※
時計を見ると
時刻は午前十一時ちょうどを指していた
また、昼過ぎの起床
最近はずっと、大学にも行っていない
私はずっと、隣で寝ているこの人とずっと一緒にいる
初めて、私が泣きながら過去を打ち明けた人
私と一緒に、泣いてくれた人
彼は私の全てを受け入れてくれた
あらゆる不安を
ウイスキーかジンで割って飲み込むしかなかった私に
帰ってくる場所を与えてくれたのだ
人に泣きながら本音を打ち明けたのは
この人が初めてだった
縋るしかなかった
この優しさに
一緒に泣いて、
「大丈夫だよ」と言ってくれたこの人に
私はずっと、くっついている
どうしてそんなに優しいの?
隣で気持ちよさそうに眠っているこの人を
私は起こして散歩に行きたい
外が気持ちよく晴れているから
この暖かい日差しを一緒に浴びて
今日天気気持ちいいねって言いたい
ねぇ、起きて
身体を揺さぶってみても、起きる気配はない
※
私はこの人の顔が好きだ
とても可愛い顔をしている
私は愛おしくなって
もう一度ベッドに潜り込んだ
毎日楽しそうに生きているこの人は
私の不安をいく分か消し去ってくれる
彼はどう思っているんだろう
私のこと、どうするつもりなのかな
私は純粋に嬉しかった
こうしてここに
私の居場所を作ってくれることが
しかし、私は時々不安に駆られる
いつまで、こうして一緒にいられるのだろうか
好きになればなるほど
これから先のことが怖くなっていく
彼が寝ている隣で、涙したこともある
彼は気づいているのだろうか
私の、この気持ちに
ねぇ、起きて
もうお昼だよ
私は彼をゆすってみる
でもまだ、彼は起きる気配がない
私はじっと、彼を見つめる
※
ずっと彼にもたれかかって生きていくつもりじゃない
そうは思っているけれど
今のところ彼は私を放さないでいてくれるらしい
この人は
私をずっと受け入れてくれるのだろうか
こうして、ずっと一緒に暮らせるのだろうか
いつまでも、こうして隣にいたい
神様、お願い
これだけは叶えて
やっとできた大好きな人なんです
この毎日が、ずっと続いてほしい
※
ねぇ、起きて
一緒に散歩しに行こう
外、凄くあったかいよ
ちょっと離れたところまでさ
歩いてコーヒーを買いに行こうよ
そしたら公園のベンチに座って
日が暮れるまでおしゃべりしよう
あなたとずっと話してたいの
一緒にいれたらそれでいい
早くしないと日が暮れちゃうよ
起きなきゃもったいないよ
だからお願い
ねぇ、起きて
※
何気ないこの日常が幸せ
将来何て知らないけれど
私はあなたにずっとついていきます
今、先が見えないのは
あなたとの未来が眩しいから
そう信じても、いいのかしら
今はあなたしか見えないから
あなたのことが、大好きなんです
他には何にもいらないの
一杯のコーヒーで良いんです
ねぇ、散歩に行こう
あなたがいればいいの
一日中、おしゃべりしよう
難しいこと全部放り出して
あなたとの時間を楽しみたい
だからお願い
ねぇ、起きて
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