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コミュニティマネージャーに学ぶ、心地のいいコミュニケーションの取り方

「好きを仕事にしているあの人の物語」をテーマにインタビュー記事を投稿する「one's story」

6本目となる今回は、私の所属している「書く」仕事をたのしく続ける『Marbleコミュニティ』のコミュニティマネージャー・八巻美穂さん(以下、みほさん)にオンラインインタビューを行いました。

コミュニティマネージャー、ファシリテーター、ライター、広報といくつもの職種で活動するみほさん。中でもコミュニティマネージャーとしての活躍に注力しており、日々数千人とコミュニケーションをとっているという。

今回は、コミュニティメンバーが心地よくいられる工夫や、人と関わる際に気をつけていることなど、コミュニケーション術について伺いました。

八巻美穂
ロサンゼルスのIT系コンサルティング会社で、インターン生として貿易事務・IT系コンサルティング業務に従事後、塾講師として学習塾に新卒入社。入社後2ヶ月でメンタルダウンを経験し、退社。SHElikesでライティングを学び直し、フリーランスライターの道へ。現在はコミュニケーションデザイナーとして、コミュニティマネージャーやコミュニティオーナーとして活動中。また各企業でファシリテーション、イベント運営、社内広報、ライター、編集、SNS運用なども担当。


複数の職種で活躍するマルチポテンシャライトとは?

——まず、自己紹介と現在のお仕事内容を教えてください。

マルポテフリーランスとして活動しています、八巻美穂です。

具体的には、コミュニティマネージャー(以下、コミュマネ)をメインに、ライター、編集、広報などさまざまな職種に取り組んでいます。

——マルポテというワードをみほさんを通じて初めて知ったのですが、どのような意味なのですか?

マルポテは「マルチポテンシャライト」の略です。

マルチ・ポテンシャライトとは、multi(複数の)、potential(潜在能力)、ite(人)を組み合わせた造語です。
具体的な特徴として、
・好奇心が旺盛で新しいことに次々とチャレンジしたくなる
・飽きっぽく、同じ環境に長く居られない
・新しい環境に飛び込むのに抵抗がない
・異なったジャンルの仕事をマルチタスクでこなしている などがあります。

出典:https://jp.indeed.com/career-advice/career-development/career-as-a-multipotentialite

マルポテとは、1つのことを頑張ることは難しくても、さまざまなことを横断的に取り組むことで自分の才能を発揮できる人のことを指します。マルポテとひとくちに言っても、4つのタイプがあり、私はスラッシュアプローチタイプに当てはまります。

出典:https://dual-work.com/column/multi-potentialite/#4

——なるほど。同時にさまざまな業務に取り組むことで才能を発揮できるなんてすごいですね!

今でこそ、マルポテフリーランスと名乗れるようになったんですが、1年前までは「私いろんなことをやりすぎて責任感ないと思われないかな……」と不安でした。最近では、自信を持ってマルポテであることをあえて発信するようにしています。

——フリーランスになるまではどのような経歴を歩まれてきたのですか?

新卒で学習塾に入社しました。でも就職したと同時に適応障害になってしまって……。眠れなかったり、人とうまく話せなかったりという日々が続き、辛い時期でした。これでは学習塾では働けないと思い、2ヶ月ほどで退職しました。

——みほさんにそんな過去があったのですね!その後はどのように過ごされたのですか?

大学を卒業する3ヶ月前から、クラウドソーシングを活用してライターの仕事を受注していたので、ライターとして働こうと思いました。

第二新卒枠でライター職を探したのですが、編集経験3年以上とか、ライター経験3年は必須など、スキルと経験が問われてしまって。正社員でのライター職は断念しました。

その後女性向けキャリアスクールに通い、改めてライターの勉強をして、フリーランスの道に進むことを決めました

アメリカ留学で気づいた「書く」ことの楽しさ

——これまでの人生で転機となったできごとはありますか?

大学4年生のとき、休学をしてアメリカでインターンシップをした経験が、大きな転機となりました。

貿易会社でインターンをしたのですが、毎日日本語でブログを書く課題があったんです。当時の私は「日本で有名な商社に就職するんだ!」と意気込んでいたので、「なんでブログなんて書かなきゃいけないの!私は貿易のことを学びたいのに……」と反抗的でした(笑)。

当時は文章を書くことに慣れておらず、毎日泣きながら6時間かけてブログを書いて……。それでも赤字で返却されるくらい落ちこぼれのインターン生でした。

——それでも書き続けた理由は何ですか?

このままじゃ社会人になれないと思い、書いていたブログをSNSで発信するようにしたんです。「今アメリカでインターンをしていて、ブログを書いているので、よかったら読んでください」と。

発信をはじめて1ヶ月くらい経ったころ、「みほのブログ読んで、アメリカ留学決めたよ!」と言ってくれる友達が現れました。

他にも、教育に関する記事を書いていたので「みほのおかげで教育観がアップデートされた!フィリピンの教育についても学んでみようと思う。」など、リアクションが増えてきて。

私の文章で誰かの背中を押すことができると思った瞬間に、やる気に満ち溢れて、これは一生書き続けようと思いましたね。

——書いた記事にリアクションがあると嬉しいですもんね。ブログでは具体的にどのようなことを書かれていたのですか?

どんなことを書いてもよかったのですが、私はアイデアが思いつかなくて……。

社長にアドバイスを求めたら、「この前フィリピンに行っていたから、フィリピンの教育について調べてみたら?」とか、「ホームステイで滞在していたホストファミリーはどんな教育を受けていたの?」とかたくさんヒントを教えてくれました。

——インターン生活の中でとくに印象に残っていることはありますか?

貿易会社でインターンしていたこともあって、展示会に同行させてもらう機会が何度かありました。中でも世界最大のテクノロジーイベント「CES(セス): Consumer Technology Association」に参加したときに、日本が世界から遅れていることを目の当たりにしたんです。

例えば、日本のブースはガラガラなのに対し、中国のブースはメディアや関係者でいっぱいで……。日本が世界から注目されていないことを身に染みて感じました。

そこで、自分よがりに商社に就職するのでなくて、日本を変えられる教育にフォーカスしていこうと決めました。それからは教育の話を積極的にブログで書いたり、教育業界に就きたいと思い学習塾に入社したりしましたね。

恩返しの気持ちから歩みはじめたコミュニティマネージャーの道

——マルポテフリーランスとしてさまざまな職種に取り組んでいるみほさんですが、コミュマネをはじめたきっかけは何だったのですか?

きっかけは、女性向けキャリアスクールで出会ったえるもさんから、「コミュマネのポジションができる人を探していて、みほちゃんにお願いしたい」と言われたことです。

えるもさんが、Xで「スクール事業を立ち上げたいのだけど、誰か手伝ってくれないかな」とポストしていたのを見かけて。私はえるもさんに育ててもらったので、恩返しをしたい一心で「なんでもやります!」とリプライしました。

当時は「コミュマネって何をやればいいんだろう」というレベル感でしたが、とにかくえるもさんの役に立ちたいという思いでいっぱいでした。

——現在は3つのコミュニティのマネージャーをしていらっしゃるのですよね?

1つは、「書く」仕事をたのしく続ける「Marbleコミュニティ」です。イベントを立ち上げたり、もくもく会を開いたりしています。コミュマネの仕事内容としては、一番わかりやすいかもしれません。

2つ目は、英語コーチングのスクール事業なのですが、受講生のサポートがメインです。ターゲット像も「Marble」とはまったく異なり、一人ひとりに向き合うイメージです。

3つ目は、1500人規模の教育系のコミュニティなのですが、これはオーナーとして関わっています。3年後、5年後のビジョンを作って、大掛かりにやっているので、活発に進んでいるわけではないですがゆっくり育てています。

——すべてに教育が関わっていますね!

そうですね。やっぱりフリーランスになっても教育を軸にしていきたいです。

——コミュマネとしてのスキルはどのように身につけたのですか?

はじめは手探り状態で、全然できていなかったと思います。何が正解かわからなかったですね。でも他のファシリテーターの方から学ぶことも多いので、お金を払ってコミュニティに所属するようにしています。

メンバーとの密なコミュニケーションで居心地のいいコミュニティを作る

——みほさんがコミュニティメンバーと円滑にコミュニケーションをとるために気をつけていることはありますか?

意識しているのは、ファシリテーションをするときは、はじめの10秒はとにかく明るく振る舞うようにすること。イベントに入ってきたときの雰囲気や、ファシリテーターの声かけで、その日のイベントの参加者の温度感も変わると思っています。

あとは、ポジティブな言葉を発したり、「今日はぜひ画面オンでご参加いただけると嬉しいです」と明るく言ったりも、意識していますね。「今日はとても楽しみにしてきました」と言うだけでも、参加者のテンションもあがるし、ゲストの人も嬉しいのではないかなと思っています。

——明るく笑顔でいてくれると嬉しいですもんね。

そうですよね。

イベントだと、途中から参加してくださる方もいるので、そういう方が取り残されない工夫もしています。私が話せる状況だったら「今なになにをしていて、こういう状況です」と伝えたり、私が話せなかったらチャットで「◯◯さんこんにちは。参加ありがとうございます」と声をかけたりしています。

——配慮がとてもすごいですね。みんなが心地のいい空間を作るためにどんなことを心がけていますか?

もくもく会の雑談や、メンバーのXのポストを見て、キャッチアップすることを意識しています。

イベントなどの活動は、基本的に自分がやりたいものをやるようにしているのですが、自分よがりにならないよう、メンバーのニーズとマッチすることを心がけています。

もくもく会などで、「来月こういうテーマでイベントやろうと思っているんですが、みなさんどう思いますか?」「次のイベントこの方をゲストにお呼びしたいのですが、ほかに候補いらっしゃいますか?」のようにメンバーの意見を聞くことが多いです。

そこで反応があれば「こういうニーズがあるんだ!」と取り入れることもあります。自分が言った意見が反映されたら嬉しいと思うので、メンバーの意見はメモを取るようにしていますね。

——最後の質問なのですが、みほさんが今後目指していきたい理想の姿はありますか?

目指していきたいことは2つあります。

1つは、自走するコミュニティをたくさん作っていきたいと思っています。コミュニティマネージャーがいなくても回るコミュニティが私の理想です。

もちろんコミュマネも必要なポジションではあるのですが、メンバーだけでイベントが行われていたり、オフ会をやっていたりとか、自発的にできたら完成形だと思っているので、それを目指しています。

自分自身としては、コミュニティを作りたいオーナーさんと、コミュマネを目指したいフリーランスの人のマッチングを行っていきたいです。そのためにコミュマネのためのコミュニティを作ったり、コミュマネ交流会を開いたりしていきたいですね。

まだまだコミュマネとしてやりたいことがたくさんあるので、邁進していきたいと思います!

編集後記

みほさんとふたりきりで話すのは今回のインタビューがはじめてでした。お互いストレングスファインダーのTOP2に社交性が入っていることもあり、はじめから打ちとけて、取材は終始リラックスした雰囲気でした。

みほさんは会った人みんなからオンラインとオフラインでまったく変わらないと言われるそう。彼女の明るく気さくに話してくれる空気感が、心地のいいコミュニティを作っているのだろうなと感じました。

私もみほさんのコミュニケーション術を見習って、オンライン・オフラインともに気持ちのいい人付き合いをしていきたいと思います。

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