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小さくなっていた母


今朝

亡くなる直前の母方の祖母に

黒い服の母が駆けつける、

という夢を見ました。

確執があって

何年も音信不通だった母と祖母。

それを

娘の私も全く同じパターンを

踏んでいるのです。

息苦しくなって夢から覚めました。

この夢を祖母が見せてくれた気がして

心を決めて

仕事を終えてから何年ぶりかの

実家に行ったのでした。

もう行かなくてはいけない、と心の底から思ったのです。

自分の職場で和菓子を見繕って

駅の花屋で小さいブーケを買いました。

バスに乗っている間

何の連絡もなく会いにいくのを

母と姉は

気に入らないかも知れないし

または、長く会いに行かなかったことを

責められつづけるかもしれないのに

私が2人に会いにいこうとする

理由を考えていました。

もう‥

可能であれば

愛を体験したい

この一点だけだと思いました。

怖さと

反発心がでてこないように
 
自分が穏やかさの中にいられるように

祈りました💦

玄関から門までの数メートルに

スロープがつけられていて

母の体の不具合が分かりました。

インターホンを鳴らして

しばらくすると

本当に久しぶりの姉がでて

絶句していましたが

「会いたかったんよ」

とハグしてくれましたね😌

何かを話したとは思いますが

あまり覚えていません。

私の子供達が会いに行っても

玄関先だけだと聞いていたので、

祖母の夢の話はポツポツ話して

お菓子とブーケを渡して帰ろうとすると

「お母さんにも会うやろ、ちょっと聞いてくるから」

と姉は家に入っていきました。

母は

数年前から入退院を繰り返して

骨折もしていた

と後から連絡を受けた子供達から

聞かされるばかりで

会うことはありませんでした。

「上がって」

姉に言われて

久しぶりの実家に上がりました。

ああ、実家の匂い。

配置の変わったリビングに

小さく細い方が

背中を丸めて座っていました。

その方の中に

私が知っている母の面影を探す、という感じで

特徴のある瞳で

母だ、と気がつきました。

いつの間にか私は

母のそばにひざまづいて

白くふあふあになった髪を撫でて

ただただ泣いていました。

「もうね、何にもできなくなってしまったの。

全部〇〇に(姉の名)お世話になっているの。

お父さんが呼んでくれたのかな」

父はすでに亡くなっています。

姉を擁護することばかりで

元夫ともなかなか相容れなかった母に

ずいぶん悩んできましたが

そんなことは

どうでも良くなっていました。

私達の本当の確執は

一体何だったのだろう。

お互いがお互いのなかの

愛してほしい、理解してほしいと

枯渇した小さな子供が傷つけ合っているのを

ハグしてあげられなかっただけかもしれません。

体は有限だったのに

何年も。

深い話は何もしなくて

昔から変わらない大きな食卓を挟んで

紅茶と

私の持って行った和菓子を

食べて

メダカの鉢を姉と眺めていました。

深い話しなんて観念の相違にすぎないのですよね。

元夫とだって

違いをさらに違いで責めて

どんどん

穏やかさや優しさや静けさから

離れていったのだと思いました。

少し長く話すと

呼吸を整える母を見て

もうそろそろ帰ろうと席を立つと

母は不自由な身体をおこして

姉に介助をお願いして

私を玄関まで見送ろうとしてくれました。

また私は泣いてしまいましたね💦

「お母さん、また来ますからね」

あんなに言えないと思っていた言葉が

何も考えないうちにでていました。

帰宅して

子供達に母や姉に会ったよ

と話すと

おーっ!

という反応だけでした💦

それがなんとも健やかで

3人の子供達が食卓で

賑やかに夕飯をたべながら

笑い転げているのを

私はベッドで足をのばしながら

聴いていました。

本当に‥

穏やかさや優しさやあたたかい心地の世界は

〇〇だから、できない

というむずかしい壁はなくて

すっと移行すると

その中に入ることができる

あるいは

招いてもらっていることに

気がつくだけで

体験することができる

と知りました。

















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