見出し画像

筋トレの効果を最大化するトレーニング要素の最新エビデンス


 筋トレには、おもに筋肉を大きくする「筋肥大」と筋力を強くする「筋力増強」の2つの効果があります。

 これまでの研究報告から、筋肥大の効果の最大化には、負荷量とセット数、週の頻度を掛け合わせた「総負荷量」を高めることが重要であることが示唆されています。
科学的に正しい筋トレ 最強の教科書

 筋力増強の効果は「負荷量」がもっとも重要とされ、筋力増強の効果の最大化には「高負荷(高強度)」でトレーニングすることの有効性が示唆されています。
科学的に正しい筋トレ 最強の教科書

 しかしながら、これまで負荷量(強度)やセット数、週の頻度といったトレーニング要素が筋トレの効果に与える影響について大規模に体系化した解析は行われていませんでした。

 これに対して、2023年、多くの研究報告をまとめて解析したベイジアンネットワークメタ解析の結果が報告されました。

ベイジアンネットワークメタ解析とは、複数の介入結果の比較を、ベイズ統計を使って統計的に分析するものであり、今回は負荷量(強度)、セット数、週の頻度といった異なる複数の組み合わせによる筋トレの効果の比較を解析しするために用いられた解析手法

 今回は、筋トレによる筋肥大と筋力増強の効果において、もっとも重要となるトレーニング要素を解析した最新の研究報告をご紹介しましょう。




◆ 筋肥大は「複数セット」がもっとも重要なトレーニング要素


 2023年、マクマスター大学のCurrierらは、筋トレの負荷量(強度)、セット数、週の頻度の異なる組み合わせが筋肥大や筋力増強の効果に与える影響についてベイジアンネットワークメタ解析を行いました。

 解析は筋肥大119件(3,364名)、筋力増強178件(5,097名)をもとにして行われ、負荷量(強度)、セット数、週の頻度といった要素の異なる12組の組み合わせによる効果を順位付けしました。

Currier BS, 2023より筆者作成

ここから先は

1,395字 / 2画像

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?