摩天楼

動画制作、ショートストーリー執筆や映画の事など、主に地方を舞台に人生をテーマに書いてい…

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動画制作、ショートストーリー執筆や映画の事など、主に地方を舞台に人生をテーマに書いていきたいと思います。山形県山形市在住/Taka.matsuda/1978/男/趣味:自転車・音楽鑑賞など。

最近の記事

剣神#3

鶴雅から出発した6人は、首都・大京まで、およそ100里の道のりを、順調に進行していた。 馬車には2人と幌台には百合恵が乗っている。 先頭には豪多義、馬車の後ろには剣神と流木矢が、後に続くのであった。 先頭の豪多義が休憩の合図だ。 幌台から百合恵が降りてくる、 羽織浴衣で夏らしい着衣で降りてくる。 周囲を見ながら剣神と流木矢は、常に守りを固めていた。 百合恵「あなたのお名前は、悟丸氏でございましたね、お水をいただけますか?」 剣神は、荷台からひょうたん型の水筒を

    • 剣神#2

      悟丸と流木矢の2人は、護衛する藩主の白鳥家に挨拶を済ませ、宿入りした。 2人が護衛する娘の家は、大名・白鳥家の娘だった。 流木矢「さすがは大名一家の接待は豪華だな、旨いめし、美味い酒」 悟丸「おいおい、相変わらずだな、遊びに来たんじゃないんだぞ」 男「失礼します」 襖の奥から男の声で呼びかけられる 悟丸「はい、どなたで…」 男「拙者、白鳥家の使いの者でございますが、明日の巳の刻に迎えにあがります、藩主の白鳥泰蔵がお会いしたいと申しております。」 悟丸は襖を開け

      • 【ショート映画】剣神#1

              〜あらすじ〜  旧世界の戦国時代…。映画「七人の侍」では貧しい農民たちは、野武士からの襲撃に備え侍を雇ったが、本作に登場する小さな村では、侍を雇うのではなく自ら戦っていた。農民の息子たちは幼い頃から、村の守護神として育成され、野武士や盗賊と戦う自警団「剣手(けんしゅ)」が存在した。 だが、剣手は侍ほどの権威はなく、いざとなれば命を捧げる影の薄い存在だった。 幼少期に両親を野武士に殺された悟丸は、剣手として村の育成学校で修行を積み、剣神と呼ばれる伝説の称号を得る

        • 【ドラマ・ショート】探偵・真島吾一『暗殺者の女』

          真島探偵事務所へある女が飛び込んできた。 30歳くらいの女で濡れた長い髪を揺らし、黒いコートに身を包んでいたが、血を流し、右手にはナイフ、左手にはビジネスケース、持つ手には手錠が掛けられていた。 何やらとんでもなくヤバい状況から逃げてきたようだ。 探偵事務所の代表、真島吾一は女に駆け寄った。 真島「ど、どうしたんだ?!大丈夫ですか!?」 謎の女「こ、これを…」 女はコートのポケットから鍵を真島に渡した。 真島は鍵を受けとると、女は倒れこみ、真島が介抱する。 真

          【ショートSFコント】蟻地獄

          私は、突如として蟻地獄と呼ばれるホール(穴)に落とされてしまった ヤバいっ!と思った瞬間もうダメだった もがけば、もがくほど、どんどんすり鉢状の流砂に飲まれていき、脱出できなくなってしまった。 そして、気がつくと私は穴の中にいた。だが、私以外、他にも落とされた人達がいたのだ。その人達に話しを聞いてみたところ、なんとゲラと呼ばれる主がいるらしい。 だが、その主から呼び出されると、もうここに戻ってきた者は、いないという。 つまり、なぜ落とされなのかは謎のままに、一人また

          【ショートSFコント】蟻地獄

          【ファンタジー】『異世界』#1

          私は、昼下り街を歩いていると、ある建物へと導かれた。 なぜその建物へと入ったのかは分からない。 知らず知らず入っていたのだ。薄暗い広い廊下が永遠続いている。幅はそう12、3メーターくらいで、左右には仏壇を大きくしたような物がズラリと並んで置かれていた。 廊下はとにかく薄暗く、そこには様々な人種や宗教が入り混じったような光景。老若男女、いや比較的年配者が多かった。そして、人々はそこで祈りを捧げ、ある者は地面に深々と頭を下げて、まるで儀式のようだった。 ここはいったい…こん

          【ファンタジー】『異世界』#1

          【ホラー・コント】ゾンビが押し寄せる

          テレビからニュースが流れている。 ニュースキャスター「それでは速報です。今日未明にゾンビが押し寄せるでしょう。一刻も早くゾンビから逃げ、避難するようお願いいたします。身を守る方法がありましたら、すぐに実行して下さい。繰り返しお伝えします……。今日未明ゾンビが……」 押し寄せる! 大内サトルはテレビから流れるニュースを呆気に取られながらも、驚愕の様相で見ていた。 冗談のようで冗談じゃない出来事だった。 もうこれは一大事だ!こんな経験は人類史上初めてだから、そりゃ皆戸惑

          【ホラー・コント】ゾンビが押し寄せる

          ジャッカルの日('1973)

          監督:フレッド・ジンネマン 脚本:フレッド・ジンネマン/ケネス・ロス 原作:フレデリック・フォーサイス 今回は、この映画『ジャッカルの日』です。 これはもう皆さんご存知の傑作映画で、私自身好きな作品のひとつです。 リメイク版も好きですね…あのブルース・ウィルスとリチャード・ギアの方も面白かったですけど、オリジナルのこちらをピックアップします。 ストーリー解説はなしにしますが、ざっくりと言えば、アルジェリアからフランスの撤退に反対する組織OASが、フランスの大統領ド・ゴール暗

          ジャッカルの日('1973)

          【SFショート】侵略者

          ある田舎町に隕石が落下した。道路閉鎖までして危険地帯の包囲網を拡大したのには、隕石にマイクロエイリアンが付着していたからだった…。エイリアン地球侵略が始まっていく中、警備員の高野と部下の西井は逃亡したエイリアンを捕獲することに…。 隕石落下後3時間経過 テレビ画面 インタビューを受ける人々が、隕石が落下した時の状況を話している。 町の住人A初老の男「いや、びっくりしましたよ、最初は爆弾が投下されたと思いました」 町の住人B30代の女「とにかく爆発音と衝撃波が凄かった

          【SFショート】侵略者

          【ショートStory】殺し屋「暗殺一課」

          俺の職業は殺し屋だ。嘘をつくなって?いや、本当の話しさ…。じゃ、まずなぜ俺が殺し屋になったか、その経緯について簡単に説明しよう。いちいち、んな事説明すんのも面倒くせーけどよ。まあ聞けや、実は俺、刑務所に入っていたんだ、罪は殺しだ。 それで裁判になった訳だが、なんと証拠不十分で俺は無罪になっちまったんだ。 で、俺は出所出来たんだが、直前に刑務官に呼び出されて所長ところへ行ったらよ、何だか分からん連中のお偉いさんがいたんだ。 そのお偉いさんが、なんと俺にこう言ったんだ。 「殺

          【ショートStory】殺し屋「暗殺一課」

          『遊星からの物体X』('82)

          監督:ジョン・カーペンター 脚本:ビル・ランカスター BS-TBS視聴 GW期間BSでは様々な懐かしの映画を放送している。ジャッキー・チェン特集もやっているし、そして懐かしいジョン・カーペンター監督作の『遊星からの物体X』も放送していた。 ジョン・カーペンター作品は、私はもう散々観てきました。DVDもほぼ全作品持ってますし、一時期凄くハマりました。 今回は、嬉しい吹替版で、映像もデジタルリマスター版のような感じで画像も綺麗でした。私が持ってる「思い出の復刻版」のDVDより

          『遊星からの物体X』('82)

          ラーメン映画『タンポポ』(1985年)

          監督・脚本/伊丹十三 今日は、私のビデオライブラリーからラーメンをテーマにした映画をご紹介いたします。 コレです伊丹十三監督作の映画『タンポポ』です。 この映画を最初に観たのは、私が確か小学3年生くらいの頃だったと思います。デレビ放送のゴールデン洋画劇場で観たのが最初でしたが、これはめちゃくちゃ衝撃的でした。 とにかく、ラーメンと食にまつわるエピソードのエッセンスが詰め込まれた作品で、軸としては映画『シェーン』をイメージしつつ、店主タンポポの店を立て直す、というラーメンウ

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          【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#5

          しかし、そもそも私を殺さないのには何か理由があるはずだ。 それをこの相手から引き出す必要がありそうだ。 M田「やっぱり仕事を終えてのビールは最高ですね」 「実は私には家族がいましてね、女房とかわいい娘がいて、私がいつも仕事から帰ると娘がね、パパお疲れ様って、ビールをついでくれるんですよ、それが旨くてね」 「今どうしているか、でも亭主元気で留守がいいなんて……」 相手「…………」 まさか、嫌な予感がした。 相手は私の家族を殺害したんじゃないだろうか、この場所を殺す前

          【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#5

          劇場映画鑑賞記録『フォロウィング』(’98)/25周年HDレストア版

          時系列のシャッフル型サスペンスの傑作 クリストファー・ノーラン衝撃のデビュー作     『フォロウィング』 1998年/イギリス/モノクロ/70分    監督・脚本・撮影・編集    クリストファー・ノーラン 先日、クリストファー・ノーラン監督のアカデミー賞作『オッペンハイマー』を鑑賞してきたのですが、今回は新作から一気にデビュー作に遡りのリバイバル上映がありまして、観てまいりました。 この『フォロウィング』なんですけど、私は一度も観た事がありませんでした。なので凄い

          劇場映画鑑賞記録『フォロウィング』(’98)/25周年HDレストア版

          【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#4

          このままでは私は殺されてしまう…。 でもなぜ殺されないのだろうか。 M田「なぜ、私を殺さないんだ?」 相手「………」 M田「もて遊んでいるのか?」 「それとも、助かる道があるのか?」 コンっ(はい) M田は少し表情が和らいだ。 M田「それはどうすればいいんだ?」 「ん、答えるわけないか、こっちで生き残る方法を考えるしかないってことか?」 相手「……」 コンっ!(はい) なんて事だ、私は人質兼、交渉人って訳だ。 こんな、バカな事があってたまるか!前代未

          【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#4

          【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#3

          これまでのストーリー ビジネスマンの男・M田は、出張で山奥のペンションに泊まっていたところ、叫び声のあと何者かに部屋のドアをノックされる。危険を感じたM田は、応答の無いドア越しの相手にノックで応答する事に気づくが、なんと相手はペンションの受付の男を殺したという…。その後も相手とノックでの会話を試みることになるのだが…。 本編 殺してしまったのか!これは大変なことだ よし、まずは警察へ電話だ。 携帯、携帯…、ん…、 ちょっと待て! そういえば俺のスマホはバッテリーが

          【シチュエーションスリラー】knock〜ノック〜#3