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#313:ふぐには毒はあるけれど

今回は寒い季節に美味しい『ふぐ料理』・・・の『毒』について。
ふぐ毒でよく知られている物質は、『テトロドトキシン』が有名で、その毒力は青酸カリの約1,000倍といわれ、ふぐの種類や部位などによって含有量は異なりますが、有毒部位(主に卵巣、肝臓など)を食べると、痺れや嘔吐、呼吸困難などの中毒症状を起こして、最悪の場合は死亡に至ります。

ところで、この猛毒を持つふぐ・・・実はふぐ自身が作っているものではなく、食べるエサによって体内に濃縮・蓄積されたものなんだそうです。 ( ̄O ̄; )
というのは、自然界のふぐのエサとなる貝類やヒトデが、有毒プランクトンや毒を作り出すビブリオ菌などを食べていて、それをふぐが食べるという食物連鎖によってふぐ自身が毒を濃縮及び蓄積するということなのです。

これは、養殖のふぐには毒がないことや、無毒ふぐしかいない水槽に1匹でも毒のあるふぐが混じるとほかのふぐが毒化することもあることなどでこれらのことがわかってきました。 ちなみに、ふぐ自身はテトロドトキシンに対し人間よりもより高い耐性持っているので中毒を起こす事はありません。

それより興味深いのは、この毒がないと体に寄生虫がわいて、病気に成りやすくなり、さらにさらに面白いのは、この毒がないと、ふぐ同士が咬み合いなどの異常行動を引き起こすらしく(異常行動時にテトロドトキシンを含有するエサを与えると行動が沈静化)、 ふぐにとってのこの毒はまさにマストアイテム的存在らしいのです。

さて、もうひとつ・・・ ふぐにあたると、痺れや嘔吐、呼吸困難などの中毒症状を起こし、最悪の場合は死亡に至ることは先にも述べましたが、このふぐ中毒に対する有効な解毒剤は今の現代医学を以てしてもないというのが現状です。
ただ、呼吸困難で死に至らないように人工呼吸器により呼吸を確保するなどの適切な処置が施されれば確実に延命ができるのだそうです。

古賀 直樹
▼中野坂上治療院のウェブサイト
http://www.nakanosakaueseitai.com

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