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天国に旅立ったスターたち①~西郷輝彦さん~

構成作家という仕事をして15年以上になります。これまで多くの著名な方々とご一緒する機会に恵まれてきました。中には、残念ながらその後、天国へと旅立たれた方もいらっしゃいます。今思うと、生前にご一緒できたことがとても貴重な機会だったと思い出されます。

多くの人たちを楽しませ、影響を与えてきたスターというのは、実際に会ってみると独特の印象をこちらに与えるものです。何かがキラリと違うのです。そこで今回から4回に分けて、僕の心に素敵な印象を残した“天国のスター”をふりかえってみたいと思います。

【構成作家T プロフィール】
主にラジオやテレビの台本を書いている30代の構成作家。
趣味はスポーツ観戦。とくに野球が好き。カープファン。

今回は今年2月に亡くなられた昭和の大スター・西郷輝彦さん。

たった一度だけですが、幸運にも一緒に仕事をさせていただく機会がありました。
当日、エレベーターの扉が開いた瞬間、なんとも言えないオーラを身にまとい、鋭い眼光のイケメンおじさんが現れました。
西郷輝彦さんです。
第一印象、「ちょっと怖い人なのかなぁ」と感じたのを覚えています。
なにせ眼光が鋭いのです。

いざ打ち合わせが始まると、その鋭い眼光を僕に向けてきました。
「……ウッ……」
緊張が走りましたが、次の瞬間、
「どうぞよろしくお願いします」
と、息子ほども年の離れた僕に対して、とても丁寧な言葉で挨拶をしてくれました。
「ほっ……」
安堵して打ち合わせを進めると、西郷さんは大変に気さくで逆にこちらが恐縮してしまうほどでした。
さらに、放送内容に関しても「僕にNGなんてないから何でも聞いてね」と制作側にとってこの上ないありがたい言葉をかけてくれました。

実際、放送が始まると「御三家時代の裏話」や「娘さんの話」、そして「がんとの闘病の話」など、ホントにNGなく語ってくれる大サービス。
さらに話の流れで、大ヒット曲『星のフラメンコ』の一節、
「好きなんだけど~♪」
を生でご披露いただいた瞬間は、スタッフ一同、感激でしたね。

あれから2年、せめてもう一度ご一緒したかった……。
この文章を書いている今も「好きなんだけど~」という、あの渋い歌声が脳裏にこだましています。
素敵な歌声と楽しいお話、聴けて貴重でした。
あの鋭い眼光からの笑顔、女性はやられると思います(笑)。
やっぱり、スターだなぁ~。
一瞬で人をトリコにする術をお持ちの方でしたね。

次回も天国にいるスターをふりかえります。おつきあいください。

つづく


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