『 I'm home ! / 真相 』第5話・鳥の巣とあいだ
余程疲れていたのだろう、北に向かう新幹線の中で、俺はいつの間にか意識を失ったように眠りに落ちていた。
気がつくと俺は、いつもの溜まり場〝鳥の巣〟で、恋子と二人長机の上にノートを開いて、互いの作品の批評をし合っていた。
〝鳥の巣〟は、通っていた東立大学の作家を目指す学生、所謂作家の卵たちの集う文芸サークルの部室のような物だったが、『小説の書き方』のような入門書から、『小説家への道』、『誰にも真似の出来ないストーリーを描くには?』といったノウハウ本まで、集まる学生たちが持