添削例を添削してみる(その3・自己アピール編)
れどぺん!志望理由書メンター(@RedpenKouko)です。
今日は『志望理由書・自己アピールの基本的な書き方』(2018, 桐原書店)に掲載されている志望理由書の例文を参考に取り上げてみます。
内容説明
本書は、志望理由書・自己アピールの書き方の基本を学ぶためのワークブックです。志望理由書・自己アピールをどう書いたらいいかわからないという人は、この本で「きほんのきほん」を身につけましょう。
目次
1 志望理由書の基本的な書き方
2 自己アピールの基本的な書き方
3 添削例
4 表現のルールと原稿用紙のルール
こちらの本は「文章考えるのも書くのも、苦手だー!」という人のためにとても丁寧な作りをしています。一問一答形式+ワークシートで、志望理由や自己アピールの大枠の型が出来上がるようになっています。
初心者向けのスターターブック、という位置付けです。
何から始めていいかわからん!という人には本当にオススメです。
今日は第3弾、自己アピール編です!
【添削例を添削してみようシリーズ】
⭕️ 第1弾 「志望理由編(園芸学部)」
⭕️ 第2弾 「志望理由編(看護師志望)」
課題
あなたは自分の長所についてどのように考えていますか。高校生活を振り返りながら、800字以内で書きなさい。
志望先
教育学部(?) 教師を志望している。
自己アピールの概要
長所は、諦めずに取り組むこと。陸上部に所属していた際に、タイムが伸び悩んでいたが、フォームの改良や筋力トレーニングによって目標とした大会に出場することができた。結果、夢の実現のために諦めないことの大切さを知った。現在は、教師になる夢をかなえるために勉学に励む。教師になったら、諦めないことの大切さを子どもたちに伝えたい。
チェックポイント
✅ 良い : 長所を一言で端的に伝えられている
✅ 良い : 長所とエピソード(達成したこと)がつながっている
✅ 改善点:他の志願者との差別化が難しい
(良くも悪くも、ありきたり。サンプルとしては大成功)
✅ 改善点:気持ちを書くのは最小限に留める。エッセイにならないように気をつけましょう!
✅ 改善点:諦めずに取り組むことが、進学先の学びや希望進路とどうつながるのか不明
✅ 改善点:最後の一文まで「自己アピール」をして終わらせる
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以下、1文1文を取り上げながら詳細に入ります!
より良くするには
全部で、4段落15文(。の数)の構成です。
具体的に1文(。から。まで)に切って見ていきましょう。
凡例:【1】 → 文の番号を示します。
第1段落
【1】 私の長所は、何事にも諦めずに取り組んでいくことである。
✅ 結論から書けているのは大変素晴らしいです!伝えたいことが自分の中ではっきりしていないと書けないので、ここはバッチリです。
✅ しかし、自己アピールの「戦略」として「諦めない」姿勢でいいのか再考の余地ありです。
(教育学部や体育学部志望だったと仮定し、「諦めずに取り組む」ことがどう教育学や体育学の世界と結びつくの?)
【2】これは、自分の夢をかなえるためにも大切なことだと考えている。
✅ 【1】同様、「自分の夢をかなえる」ことがどのように学問と結びつくのか見えないのが残念です。
教師の適性をアピールしつつ、学問の世界に関心が高い(学問を学ぶにふさわしい)ことを伝えたいです。
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