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「なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか」を読了した

若手を育てるのは難しい。若手じゃなくても人を育てるのは難しいと思い、この本を読み始めた。
意外にも思ってたこと・職場に対して思ってたことがデータ化されていたことでスッキリした。

若手がやめる理由となっているが、IT業界だと若手じゃなくてもこの考え方でありキャリア・将来の不安といった部分では自分も当てはまる内容だなと感じた。

なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか

いくつか思い当たる部分や感じたことをまとめてみた。
若手を育てるという部分ではなく、社会人であれば誰しもが感じている部分だと思う。
もしくは、自分がまだまだ若手の域なのかもしれない。

若者たちが転職や副業に積極的な背景

リンダ・グラットンの「ライフ・シフト」において「教育 -> 仕事 -> 引退」という3ステージ人生が崩壊して、マルチステージ人生を提起した。

8年も前の本だが、この提起から日本でもここ数年、副業や転職といった話は広まった気がする。
転職自体は、何年も前からの話ではあるが副業が推奨されてきたのは国が副業・兼業のガイドラインを整備したからだろう。

マルチステージという言葉は、若者じゃなくてもそれぞれの年齢で当てはまる。
自分も副業を通じて、マルチステージを意識するようになった。
数年前までは、二足のわらじという感覚はなく会社の仕事オンリーだった。
時間がなかったのか。時間をうまく使えなかったからだと今振り返ってみるとそう感じている。

「3ステージ人生 = 2ステップ職業人生」は、「マルチステージ人生 = 選択の回数が増えた職業人生」に変わってきた。

この言葉はすごく理解できた。
一度きりの人生。同じことを積み重ねるよりも幅広く自分のスキルを磨きあげることが重要だと感じている。
それだけ飯をたべていくのではなく、自分のマインドマップをベースに広げていく。これは自分が15年くらい前に書いたマインドマップがベースになってる。

潰しがきく職業という言葉をよく耳にしてたけど、職業自体ではなく複数のスキルを持ち合わせておくことで将来の不安は限りなく少なくなっていくのだと思ってる。

「石の上にも三年」が通じなくなった理由

石の上にも三年という言葉は、新卒のときの先輩によく言われていた言葉だ。
石の上にも三年だ。じっと我慢するんだみたいなことを言われた気がする。
職業生活設計において、この部分が大きく変わってきた。

続けることで経験値は高まるものだが、それが果たして職場環境として良いかどうか見極めることが大切だと思う。

若手がここに不安を感じるのもよくわかる。
自分は選択肢がなかった時代だった。SNSはmixiだったしまだまだインターネットが一般化されていなかった。
スマートフォンやSNSといった外部との繋がりが多くなったから、今の時代はもっと外向きに発信できる環境ではある。
能動的に動くことで、新たな道・本業へのスキル向上は広がっていくと思う。
だからブログを書いてアウトプットしたり、SNSで発信を続けていくことが大切だと自分は思ってる。

ゆるい職場が増えた理由

ゆるい職場が増えた理由の背景には、法改正が大きなポイントだったようだ。
「ブラック企業」という言葉はネットスラングであったが、それが2013年の流行語大賞トップ10に上がってきたことが挙げられる。
その背景から、「若者雇用促進法」という法律が策定された。

自分も寝泊まりしてた。残業ばかりだった20代を経験していたこともあり、昨今の求人をみていると有給取り放題残業ほとんどありませんといったものをよく目にするようになった。
もう寝泊まりして仕事する時代ではない。もっと自分を磨く時間や家族の時間を大切にすることが、仕事のパフォーマンスは上がっていくと自分は思う。

ゆるい職場かどうかわからないけども、これは普通の企業であり当たり前のことが出来てなかったのではないだろうか。

みんな優しい環境で心理的安全性が確保されていることだろう。
しかし、心理的に安全を確保されていて将来へ不安は取り切れるものではない。

就職先への決定する気持ちは、自分の成長に繋がるかどうかが重要になってくると思う。

たしかにしっかりとした福利厚生・仕事時間・有給といった部分は当然うけれる体制であることが前提ではあるが、個々の成長に繋がる職場であるかも見極める時代だ。

将来どうなっていきたいか。それを決めるのは自分自身ではあるものの会社でどう役(職を広げる)を与えていくは上司次第なところである。

きつい職場

きつい職場なりの悩みツラミがあるかもしれない。
それは人間関係なのか・そもそも仕事が定着できないという悩みはそれぞれだ。

自分も若い頃は、営業とかでうまく成約を取れなかったりして悩んでた。
若いから取れないのか。どうして取れないのだろうと日々色々試行錯誤してた気がする。
ただ闇雲に動いても良い結果に繋がらない。これを知ったのは24歳くらいのときだった。
当時読んでたトニー・ブザンのマインドマップを読んでから、自分が取り巻く環境・スキル・苦手な部分を大きなキャンバスノートに書き出してた。

キャリアを見直すときは定期的にキャンバスノートにやりたいことどうありたいかを書き出すことを推奨していくのが昔からやってることだ。

きつい職場かどうかは、個々の判断になってくるが自分が成長できるかどうかを見極める能力は必要です。

呼び捨てと「さん」づけ、どちらが育成成功実感が高いか

上司と部下の関係性、もしくは年上か年下で呼び捨てかどうかはよくあった。
社長に呼び捨てで言われてた時代もあった。(今はどちらかというとあだ名だけど)
呼ばれるとビビってしまうことがよくあった。なにか怒られることしたかな?とか。思ったりした記憶が。。
管理職以上でかなり年配の人は、呼び捨てでいう文化が多いような気がしている。昭和時代ではそれが普通だった。

しかし、昨今「呼び捨て」「◯◯くん」「◯◯ちゃん」ではなく「◯◯さん」といった上司 - 若手の関係性ではなくハラスメント防止のための予防的な意味で「◯◯さん」が一般的になってきてる。

しかし、統計的には有意な差はなかったようだ。
呼び方は育成成功実感としては無関係ではあるものの、自分としてはだれに対しても仕事では「◯◯さん」を基本にしたい。

これとは別として、役職付きの人を役職で呼ぶのもどうなんだろうと思ってることだった。
自分の場合は、それがネタなんだろうとは思うけども役職呼びが定着すると転職した後でプライベートにあったときに、どう呼べばいいのだろうと思うことがあった。

よく軍隊のチームで動くときに、リーダーを隠す場面でそのままリーダーとは呼ばない。
敵は指示系統を倒すことが目的であり、リーダーがだれなのか知られてはいけない。
指示系統が失ってしまうとチームは崩壊する。

会社では敵がリーダーを倒すことはないけども、リーダーや課長や部長と役職付きの人を見つけたら、ヘッドハンティングされてたりするケースもあると感じた。
ヘッドハンティングされるケースは稀だけど、そういう目線でも「◯◯さん」で良いのではないかと思ってる。

「優秀な人材ほど辞める」を食い止めるには

優秀な人材はやめていくのいくつも見てきた。
それを食い止めるには、どうすれば良いのだろうと思ったことはあったけども自分は、止めることはできないと思ってる。

止めるのではなく、もっと外部と広く繋がっていくための環境やを用意することが重要だと思ってる。

能力が高い若者はたくさんいる。IT業界にいたら、自分より専門性が高い人はたくさんいて若手はスポンジのように吸収して新卒でもパフォーマンスが高い人はたくさんいます。

優秀な人材は、自分のお膝元においておきたい気持ちはあるだろう。
しかし、囲い込みは無意味であり、社外活動をもっと後押しすることが重要だと思ってる。
離れ小島に囲い込むではなくかわいい子には旅をさせよ。早々に外の体験を与えて本業での仕事・キャリアの特徴を掴ませる

この文章を読んで、自分が思ってることとドンピシャだった。
それが転職という選択肢になるかもしれないけども、優秀であればあるほどどんどん経験させれる場面を作ることが上司の務めだと思ってる。

まとめ

若手を育てるという題材の書籍だったけども、時代背景や職場環境をどうしていくのか。この時代にどう育てるべきかという部分はたくさん共感できた。
自分は食い止めるといったことはしなくてもよく、職場環境はどんどん経験やチャレンジできる環境を提供していくべきかと思った。

キャリアパスは自分自身で思い描くものであり、キャンバスの筆を書くのも自分自身。
それを後押しできる・アドバイスや旅をさせ感じたことを吸収できるように足回りの整備をすることが重要だと感じた。
きつい職場やゆるい職場を経験した中で思うけども、若手は使い捨てという感覚で仕事をさせるのではなく、チャレンジさせる・経験させることが必要だと思った。
チャレンジは若手じゃなくても言えることだから、チームがより働きやすい環境を作っていきたいと思った。

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