73 江戸しぐさの勧め

◆ 73 江戸しぐさの勧め
江戸しぐさとは、江戸の町民の公衆マナーであり、コミュニケーションルールです。狭い町で、「江戸っ子」として「粋」を重んじたスタイルの原点のようなもの。
・肩引きしぐさ 往来ですれ違うときに、相手側の肩を互いに引くことでスムーズに行き来ができるというしぐさ。このときに軽い会釈があれば、なお感じの良いものになります。
・傘かしげしぐさ 肩引きの応用編。雨が降っていて、傘をさしているときに、互いの傘を相手と反対側にかしげることで、行き来をスムーズにします。
・こぶし腰浮かせしぐさ 混んで来た時に、先に座っていた人から、こぶし一つ分、腰を浮かせて場を詰めるしぐさ。これで、後から来た人が座りやすくなります。昔、立ち飲みや立ち食いのカウンターでは、混んでくると自然に、肩を斜めにして1人でも多くの客が 入れるようにしていました。
・つかの間つきあいしぐさ つかの間とはほんのちょっとした時間という意味。ちょっとした出会いでも、こちらが好意をもって接すれば、相手も気持ち良い想いを返してくれるという気遣いです。実際に、ミラー細胞効果として認められています。
・階段は昇りの人が場を譲るしぐさ 階段で鉢合わせになったら、どうしますか?こういうときは、昇りの人が立ち止まり、場を譲ります。降りてきた人と同じ目線になったときに、会釈をして交わします。(登山では、逆のようです)
・うかつあやまりしぐさ 粗相をしたときに相手に謝るのは当然ですが、江戸しぐさでは迷惑を被った方も、「こちらもうっかりしていました」と謝ります。これで双方が気分を戻せるという気遣いです。
このように江戸しぐさには、接客の現場で活かせる知恵がたくさんあります。
ぜひ参考に!

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