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東京地区は桜満開

4月7日(日)は桜満開、格好のお花見日和。
72候暦では
玄鳥至(つばめきたる)や花まつりの頃合。
前の週が寒かったこともあり
多くの人たちが集まった。

東京国立の大学通りは予想通りの人・人・人。
大学通りの両サイドには
200本以上の桜が並び、観光で訪れた皆様を歓迎した。
現上皇陛下生誕記念の植樹がスタートであるから
樹齢が80ー90年超える正にシニア桜たち。
現在はその1割が様子よくなく
桜守さんたちの助けにより何とか永らえ、見る人たちを
楽しませている。

私のお気に入りは、一橋大学を過ぎたあたり蕎麦屋さんがある
エリアに立つ大島桜です。
枯れそうだったこの桜木を桜守さん達の長年にわたるお助けがあった、
暫く白いホータイ(薬を含んだ布)巻いた姿で痛々しい姿であったが
何とか復活、
今は幹の上の方には明日へ向かっての新しい枝を数本
伸び始めている。見るものに勇気を与えてくれる。
樹齢90年を超えるこの樹木、
この地球に咲いた生命の先輩として
大学通りから谷保天神までの散歩の時には
いつもその姿を拝し、
元気かいと言葉を交わしてはまだまだ頑張れるぞと
声をかけるのが習慣になった。

さて桜を見に来られた皆さまは、どのような思いで
桜と対面されておられるのだろうか。

「さまざまのこと おもひ出す 桜哉」(芭蕉)

皆様が人生を振り返り、各人これまでを振り返る
いい機会になっているでしょう。
200本の桜木をそれぞれの思いで一本一本
暖かく鑑賞してくださいな。


歌人俵万智さんが推薦するこれまでの桜の歌を
読みながら、そこに込められた思いを想像し
桜木を鑑賞されるのもいいかもしれない。
下記はそのいくつかです。

散ればこそ いとど桜はめでたけれ
うき世に なにか久しかるべき(伊勢物語)

清水へ 祇園をよぎる桜月夜
こよひ逢う人 みなうつくしき(与謝野晶子)

桜ばな いのち一ぱいに咲くからに
いのちをかけて わが眺めたり(岡本かの子)

さくら花 幾春かけて老いゆかん
身に水流の音 ひびくなり(馬場あきこ)

伊勢物語のみならず近代・現代の読み手の歌ですね

皆さん
サクラの潔い生き方を愛でておられる。
桜歌人と言えば
どうしても西行の歌になる。
有名すぎる、「きさらぎ」の歌はここではおいて

芭蕉や西行にある下記の歌を取り上げる。
木のもとに汁も膾も桜かな(芭蕉)

花見にと群れつつ人の来るのみぞ
あたら桜のとがにはありける(西行)

芭蕉の歌は、花見の賑やかさをうたう、珍しい。
サクラをこよなく愛した西行の気持ちがくみ取れる。

最後に万智さんのサクラ歌
さくらさくらさくら咲き初め咲き終わり
なにもなかったような公園

日本の桜饗宴は何時まで続くのだろうか?

聞けば110年前に、
東京市長であった尾崎行雄が米国大統領夫人の応援を得て日米友好の証に、桜を3000本送った。
元々兵庫育ちの桜であったが、1回目は上手くいかず
2度目に荒川土手にあった兵庫生まれの桜を送って
今度はうまく根付いて、それ以来110年の長きにわたり
ワシントンDCのポトマック河畔に咲き続け
米国民たちの心に大和心、花心を植え付けてきた。
桜でつなぐ日米関係である。こちらは
永遠につながっていくことを願っている。

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