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「好きなテレビ番組」について語る



いままで、内緒にしていたのだけど。
私は「テレビ番組」を見ない。
1日に1分も見ない。一週間に1分も見ないここともある。おそらく今年1年間で、総計10時間くらいしか見てこなかっただろう。そのくらい私は「テレビ番組」を見ないんだ。そしてそれは「嫌いだから」ではない。我が家には普通に、リビングに一台テレビがある。

だがそのテレビは基本、5歳の息子YouTubeを流し占領しているか、旦那さんがプロレスを見ているか、バンドのDVDを見ているか、だから私は「テレビ番組」を見ていない。
そもそも興味も薄く、テレビよりもスマホで仕事をしている方が至福なのだから問題ないのである。

という訳でそんなテレビに疎い私はつい最近
“SixTONES”のことを「シックストーンズ」と呼ぶことから卒業したし。“SnowMan”のことを「スノーマンズ」と呼ぶことから脱出したくらいに疎い。さらには、“なにわ男子”のことを「なんば男子」だと思っていたことに、今日気がついた。そのくらい「テレビ番組」を知らないってわけです。

ただひとつだけ弁解すると、
こんな私も産前は普通の人間だった。めちゃくちゃ「テレビ番組」に詳しくて、それなりにお気に入りもあった。マツコが大好きで、「月曜から夜更かし」は毎回リアタイで楽しみに見ていたし「Mステ」は欠かせなかった。「しゃべくり」も見ていたし、ドラマもいくつか並行して追っていたよ。(つまりは普通の人間であったってこと)

まぁ弁解はこのくらいにして。
ここでもう一つ内緒話があるんだ。
冒頭に「1年間で10時間くらいは見てる」って書いたその「10時間」について。
実は最近この私がある「テレビ番組」に夢中なのさ。それがズバリ今日の本題。

「NHK のど自慢」である。

みんな知ってる?NHKの長寿番組。70年以上続く「素人が主役」のカラオケ大会なんだけど。これが日曜の昼に「生放送」で行われる。その「生放送」感こそ、最大の魅力なんだ。

私が「のど自慢」を初めて見たのは今年の夏。生放送の会場が地元、群馬であるということを聞いて、旦那さんが録画しておいたのがきっかけだった。興味本位で見たその45分間で、私は度肝を抜かれたのだ。
番組の楽しみ方はまさに、「どうなるかわからない」という緊張感だった。

その日のトップバッターはテンションが高く、責任感のありそうな高校教師。Adoの「私は最強」を迫力ある歌唱で歌い上げた。2番手からは本格的なラップを見せつける強者が現れたり、歌詞を忘れてしまうおじいちゃん。耳まで赤くなる女子高生や、涙を流しながら歌うおばさま。時より見ているだけで恥ずかしくなるようなコスプレのおっさん、アニメオタク、完全になりきりモードのアイドル志望者や、ミュージカルを目指す本気の若者なんかも現れた。そんな中、「亡くなった母に送ります」という小学生や、「離れ離れで暮らす祖父へ」、「きっと今日も、おじいちゃんは天国から見てくれています。」なんて言葉も飛び交い、思わず画面越し涙を浮かべたりするのが私だった。そんなこんなで番組はあっという間に後半。


その日ハイライトは、画面越しに彼女へプロポーズの言葉を送る若者だった。

若者が菅田将暉の「虹」を歌い終えたあと、
司会者が言ったんだ。
「では、テレビの前の彼女に言いますか?」

すると若者の真剣な表情にズームが寄った。

静寂に包まれる観客席。

そして大きな声で若者が言った。



「結婚してくださぃでぇさす!!」



「?!!?!?!?」



会場中に「?!」が浮かび、一瞬の間をおいて大笑いと拍手が起きた。
「今、なんて言った!?」と私も思わずツッコミをいれて、「もう一回言いましょう?」と慌てて言う司会者も、周りの観客も、応援していて励ましたくなる赤面の若者も、テレビの前の私のこころも。なんか良かった。





そう言う訳で、テレビを滅多に見ない私がお勧めしたいのは「NHKのど自慢」なんだ。
「人間味」が溢れるその時間を、ぜひみんなにも見てほしい。今日はそれだけ。私のテレビ事情でした。お付き合い頂きありがとうござきましたでぇさす!!

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