石神マリエ@ご自愛エッセイ

根暗で有名です。毎日エッセイもうすぐ350日。    「どうかご自愛くださいませ。」 …

石神マリエ@ご自愛エッセイ

根暗で有名です。毎日エッセイもうすぐ350日。    「どうかご自愛くださいませ。」 自己愛の本質。      あなたの心を突き刺し、抱きしめる言葉たち。     https://www.instagram.com/gamiyoga.0

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さようなら、お花のお家

私、生まれてから今まで10回ほど引っ越したことがある。本当に幼かった頃の記憶にある「初めての家」は、3才から6才くらいまでの幼少期に住んだ、田舎でも都会でも無い街の…

みーちゃん

些細な痛みでも 参ってしまう日があるように。 人間の体は嫌なほど正直にできている。 心は元気なふりをして嘘ばかりついてヘラヘラしていても。やっぱり痛いことや、怖…

おかあさん

「おかあさん」というのはとてもじゃないけど不自由だ。それは「おかあさん」という名の強力な価値観が社会にあって。「おかあさん」という存在を知らない人なんていないか…

正解の少し先へ

ゴミを捨てた、捨てない 電気を消した、消さない 言った言わない、違う違わない そういうちっぽけなことで傷つけあったり、大切な者を失ったりするのが人間だ。 まぁるい…

気が狂ったまま

本当は心の中で「つまんない」と思っていることがあるかもしれない。たくさん自分に嘘をついて、アホなフリして振り絞る笑顔で頷いて、心の大安売り。そんなのもう 「つま…

応援歌

心を痛めてばかりのあなたへ。 きっと これからもおんなじ毎日じゃ 「なくならない痛み」があると思う。 たとえばある位置を突破してみたり、破壊したり創造したり、とに…

いらないもの、いるもの

たまには心の模様替えも必要だし 頭の中の大掃除も必要。 そういうわけで、私は時より整理している。余計なものを退かしたり、溜まった埃を拭ったりして。すると本当に必…

歳をとる

お母さんが昔話なんてするもんだから、ある人の夢を見た。 わたしの夢の舞台はいつも白黒で、それでいて生々しくて、なんとなく今の私と同じ立場のまま繰り広げられる。ほ…

モットー

「明日、死ぬかもしれないのだから。」 という これが近頃の私のモットーでして。 それはたとえば、カフェでご飯を選ぶ時なんかにご飯はなるべく旨そうな方を選びます。 …

レイとわたし

私には5歳の息子がいる。 名前はレイ。 数日前、レイとふたりで保育園に向かう朝のこと。いつもの田舎道を通り、朝から暑いくらいで窓を開けたりして、BGMはなしだった。…

空を飛べたらとか

人生には、ちょうどいい速度が必要だと思うんだ。ドロドロした道を走ったり、ガタガタした道を走ったり、スピードが落ちてノロノロと同じ景色ばかり見ていると、いつのまに…

加算して生きる

たとえば。 テストで60点をとってきた子どもに、 「60点!すごいじゃない!  どんな問題が出来たの?」 と聞く親はほとんどいない。それよりも 「あと40点、なんででき…

許せないこと

随分の間、「どうかお幸せに」と思えない人がいた。それにはいろんな理由があって、私よりも先に幸せになってもらっちゃマズイ訳じゃないけど。どうにも心の淵でいつも呪い…

人生には「3度のモテ期」が訪れる

「人生には三度のモテ期が訪れる。」と、聞いたことはあるでしょうか?私には明確にその「3度のモテ期」があったと自負しています。なぜならばその他の時期にはまるでモテ…

からだとはなす

昨日とまるで同じような景色が流れて行く日々はぬるくて、あたたかくて、いつまでもこれが続いて行くと疑う余地がなかった。怖い夢なんか見ないで朝、暖かいお布団で目が覚…

てんとう虫と蝶と私

3月22日金曜日。5歳の息子、レイが高熱を出した。季節外れの雪が降る朝のことだった。私は息子の小さな手と手を繋いでリビングのソファに座り、窓の外に降り頻る雪を眺…

さようなら、お花のお家

さようなら、お花のお家

私、生まれてから今まで10回ほど引っ越したことがある。本当に幼かった頃の記憶にある「初めての家」は、3才から6才くらいまでの幼少期に住んだ、田舎でも都会でも無い街の住宅街。小さな平屋の賃貸だった。私はそこで父と母と、五個上の兄と4人で暮らしていた。そこは賃貸にしては立派な庭が付いていて、いつも庭中綺麗に花が咲いていたのをよく覚えている。というのも、父はとにかくマメで、庭いじりが趣味だった。春になる

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みーちゃん

みーちゃん

些細な痛みでも
参ってしまう日があるように。

人間の体は嫌なほど正直にできている。

心は元気なふりをして嘘ばかりついてヘラヘラしていても。やっぱり痛いことや、怖いことや、楽しくないことばかりの毎日を歩いていたら、病気になるようにできているんだ。それをわたしは、神様の優しさだと思う。

神様は言った。「この世界には辛いことが沢山あるから。」って。人間が我慢しすぎないように、前を向いて生きていける

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おかあさん

おかあさん

「おかあさん」というのはとてもじゃないけど不自由だ。それは「おかあさん」という名の強力な価値観が社会にあって。「おかあさん」という存在を知らない人なんていないからなのかも。

「おかあさん」は一つのモラルや、ルールに近いのかもしれないね。たとえば「お母さんが料理を作る」とかってガチガチのルールがあるみたいで。そこからはみ出した人は少し「出来損ないのおかあさん」みたいになる。モラルな世界。それはやっ

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正解の少し先へ

正解の少し先へ

ゴミを捨てた、捨てない
電気を消した、消さない
言った言わない、違う違わない

そういうちっぽけなことで傷つけあったり、大切な者を失ったりするのが人間だ。
まぁるいものをすぐに、二つに割りたがる。

それは私たちは常に自分が一番で、相手が二番にあるからだろう。そしてそれをみんなの心や身体はよく知っているのに、自分だけが知らないふりをして偽善ぶっているんだろう。
都合のいいもんだ。

いつだって、自

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気が狂ったまま

気が狂ったまま

本当は心の中で「つまんない」と思っていることがあるかもしれない。たくさん自分に嘘をついて、アホなフリして振り絞る笑顔で頷いて、心の大安売り。そんなのもう

「つまんない」

きっとその通りさ。あなたの心の通り、実はこの世界はどうでもいいことが大半なんだと思う。「大切なこと」ってこれっぽっちなんだと思う。

たとえばその「大切なこと」ってふたつ。

あなたが「元気に生きること」だし。「健康に生きるこ

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応援歌

応援歌

心を痛めてばかりのあなたへ。

きっと

これからもおんなじ毎日じゃ
「なくならない痛み」があると思う。
たとえばある位置を突破してみたり、破壊したり創造したり、とにかく景色を変えてみないと。どうにも「なくならない痛み」があると思う。薄々気がついているのかい?そのままじゃ誰といても、どこにいても、胸が軋むように窮屈なまま。おんなじ自分が胸を痛める。それを誰かのせいにしてみても、たぶんだけど景色は変

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いらないもの、いるもの

いらないもの、いるもの

たまには心の模様替えも必要だし
頭の中の大掃除も必要。

そういうわけで、私は時より整理している。余計なものを退かしたり、溜まった埃を拭ったりして。すると本当に必要なものだけが残っていくんだ。案外いらないものばかりが入っていたことにも気がつく。そうして「もっともっと良く生きること」よりも「生活」を愛したほうがいい。と、そういうことがわかる。

というのもやっぱり。この時代は目の前の大切なことがずい

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歳をとる

歳をとる

お母さんが昔話なんてするもんだから、ある人の夢を見た。

わたしの夢の舞台はいつも白黒で、それでいて生々しくて、なんとなく今の私と同じ立場のまま繰り広げられる。ほんの少しだけ気持ちは大胆になっているようで、現実のわたしの性格とはわずかに違ったりもする。心の奥の奥の方にあるちょっとした心残りみたいなものを引っ張り出してきては、ドラマにしているようなものなんだ。

そんな風に明け方見ていた夢は、昔の恋

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モットー

モットー

「明日、死ぬかもしれないのだから。」

という
これが近頃の私のモットーでして。
それはたとえば、カフェでご飯を選ぶ時なんかにご飯はなるべく旨そうな方を選びます。
それに友人と会う時には、大好きでたまらない奴と会います。「コイツちょっとムカつくところあるんだよなぁ」って奴にはそれがたとえちょっとでも、二度と声をかけることはありません。
それに息子と遊ぶ時には家事を放り出してでも遊びます。全力ダッシ

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レイとわたし

レイとわたし

私には5歳の息子がいる。
名前はレイ。

数日前、レイとふたりで保育園に向かう朝のこと。いつもの田舎道を通り、朝から暑いくらいで窓を開けたりして、BGMはなしだった。それでその日は赤信号で止まった時、息子がおもむろに言ったんだ。

「ママ見て!牛さんが乗ってるよ!」

言われるまま隣を見ると、大きなトラックの荷台に黒い牛が何頭か。口を縄で縛られ、暴れないように短い鎖のようなもので繋がれていた。おそ

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空を飛べたらとか

空を飛べたらとか

人生には、ちょうどいい速度が必要だと思うんだ。ドロドロした道を走ったり、ガタガタした道を走ったり、スピードが落ちてノロノロと同じ景色ばかり見ていると、いつのまにか人生が嫌になる。自分はどこに進んでいるんだ?ただ生きているだけで意味はあるのか?こんな自分はダメなんじゃないか?って苦しそうな自分を見つけてはつらくなったり、つまんなくなったりした。そういうもんじゃない?

それはきっと飽きていたからだろ

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加算して生きる

加算して生きる

たとえば。
テストで60点をとってきた子どもに、

「60点!すごいじゃない!
 どんな問題が出来たの?」

と聞く親はほとんどいない。それよりも

「あと40点、なんでできなかったの?」

失敗に目をつけ、人間の価値を下げていく。そういった減点法を植え付けていくのが日本の教育だと思う。それで子供はどう育っていくかというと、

「自分のできなかったところだけを見つめて、責める」ようになるのだろうと

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許せないこと

許せないこと

随分の間、「どうかお幸せに」と思えない人がいた。それにはいろんな理由があって、私よりも先に幸せになってもらっちゃマズイ訳じゃないけど。どうにも心の淵でいつも呪いをかけるようにしていた。それは「不幸になれ」というわけじゃなかった。けど、できれば私の痛みに気づいたり、間違った時には反省できる人になって欲しかったんだ。
こんなことを言うと私の方はとても明白みたいに聞こえるが、そんなこともない。そいつは決

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人生には「3度のモテ期」が訪れる

人生には「3度のモテ期」が訪れる

「人生には三度のモテ期が訪れる。」と、聞いたことはあるでしょうか?私には明確にその「3度のモテ期」があったと自負しています。なぜならばその他の時期にはまるでモテなかったからですね。どうしてこうも同じ容姿で、同じ名前で生きているというのに、モテないを経験してしまうのか不思議に思うほど他人を恨んだこともあります。そこんところ神様はうまく仕込んでいるのでしょう。だからこそたった今、モテないを経験している

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からだとはなす

からだとはなす

昨日とまるで同じような景色が流れて行く日々はぬるくて、あたたかくて、いつまでもこれが続いて行くと疑う余地がなかった。怖い夢なんか見ないで朝、暖かいお布団で目が覚めるということがどのくらい幸せなのかはまったく考えもせずにいたし、
そんな私は殆どロボットのようだったと思う。たとえばタイマーをセットされたストーブとか炊飯器のように。誰かにインプットされた手順で歯を磨いたり、顔を洗ったり、化粧をしたり、同

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てんとう虫と蝶と私

てんとう虫と蝶と私

3月22日金曜日。5歳の息子、レイが高熱を出した。季節外れの雪が降る朝のことだった。私は息子の小さな手と手を繋いでリビングのソファに座り、窓の外に降り頻る雪を眺めたのをよく覚えている。「また雪だねぇ、休もうね」なんつって。それから5日間、私の予想を反して息子はなかなか回復せず寝込んだままだった。ろくに口を効かず食事もできず高熱に耐えどんどん痩せていった。普段はラジオよりも良く喋るお茶目な彼だからこ

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