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作っているのは、商品じゃなくて食。口にする人を、考えるからこその有機栽培。

先日、落花生のことをもっと知ろうと約40年もの間、有機栽培で取り組まれている杉本さん(中央)の方の話を伺いながら、収穫のお手伝いをしてきました。

慣れない農作業のお手伝いをすると、農家さんによっては『同じことばかりやるから、飽きてきちゃうでしょ。』そう言われることがある。『いや、そんなことはないですよ。』と、僕は笑顔で言い返します。

実際、好い人を装っているわけでもなく、本当にそう思っています。日頃、パソコンやデスクワーク、今ではスマホ。電子機器を多くさわる機会の方が多く、自然に触れる機会がないからこそ、こういった時間は大事にしたいと考えています。

今回は、たまにやる土いじりの感想も踏まえて、有機栽培で育てる落花生の状況をお伝えしていきたいと思います。

有機栽培の杉本さん。

僕らにとっては有機栽培の落花生といえば、有名な方です。有機栽培に取り組む方は、ちょっと話が小難しくなっていくので、頭がついていかなくなります。

簡単に言うと、元素記号と有機肥料に使用する、酵母菌や乳酸菌、納豆菌の話が出てきます。まず、この記号と元素の名前が出てこないと、はっきり言ってチンプンカンプンです。

杉本さんと僕が初めて会ったのは、約10年前。今年でもう、70歳?になるそうです。その杉本さんは、笑顔が素敵なこちらの方です!

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今回、久しぶりすぎて僕の顔なんか忘れていましたが、快く収穫体験を受け入れていただきました。基本的に話すのが好きな方で、他でも収穫体験の依頼などがあると、引き受けているようです。

杉本さんは農業のことだけでなく、色んなことに興味を持ち、興味を持ったら日本各地どこへでも行ってしまう。そんな印象があります。例えば、『愛知県にある○○ってスーパー知ってるかい?』とか、『良い塩が取れる瀬戸内海の○○ってところがあって。』と、長年生きているから。と本人は言っていましたが、どちらかと言うと食というものに興味を持ち、自分が良いものと感じたものは、現地に行ってどのように作られているのか知りたくなるんだと思います。

そんな食への強い思い入れが、自身の手がける野菜を有機栽培で、出荷しようという意欲に繋がっているんだと感じました。

また有機栽培というのは、あまり想像できない部分もあるかと思いますが、簡単にいうと手間がかかります。除草剤を使わず、手で雑草を抜いていく。機械化できそうでも、有機認証に影響が出るので、タネを人が一粒ずつ植えていくとか。

狭い敷地でもなく、どちらかというと広大です。落花生の芽が育ち始めた、6月頃の杉本さんの畑をお見せします。

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向こうの方まで続いているので、何メートル続くのか。という感じです。もちろん畑は、これだけではありません。こちらは、新品種の落花生Qなっつの畑で、でっかい品種のおおまさりの畑は別にあります。

機械化も進んできた落花生ですが、有機栽培への機械化というのは壁がいくつもあって、機械は大丈夫でも資材が有機に対応してない。とか。そもそも機械が高すぎて、本当に活用できるのか使用している農家さんとの情報共有とか。高額の設備投資というのは、農家さんの生活にしてみれば巨額になり、私生活にも当然影響を及ぼします。

そんな話を伺いながら、今回収穫までお手伝いしてきました。

おおまさりの収穫。

僕は、落花生農家さんへの収穫体験というのは初めてで、自分で育てたのを適当にもじいた事はありますが、実際取引される落花生を収穫したことがありません。

今回、その選別とか目利き的な話も聞きながら。と思った矢先、『じゃぁ、向こうの方から、収穫してくれるぅ。』と指さされたのは、杉本さんと反対側から収穫してきて。っていう指示でした。

『えっ!少し教わりながら。。。』

内心そんなことも思いながら、『わかりました!』と一言。ここから、収穫体験が始まりました。すでに掘られて準備されていたので、収穫自体はとても楽で、落花生をひたすらもじくだけでした。ただ素人が作る落花生とは比べものにならないのが、その大きさです。もじいたばかりの落花生おおまさりがこちらです。

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もちろん大きいものを特に選びました(笑)が、自分の小指より長く太い落花生は、見たことがありませんでした。

まだ気温30℃近く暑さ残る中、収穫体験を2時間ばかり経験させていただき、初日が終了しました。まだ本格的ではなく試験的に行なっただけの収穫だった。というのを後から聞きました。『次回来る時から、本格的な収穫になってくるから、また来てね。』と笑顔で言われ、その日はお土産に収穫した落花生なんかもいただいちゃいました。

全然、働いた感じでもなかったので、次こそは!の思いで、2日目に挑みました。

本格的な落花生の収穫。

中1日で迎えた落花生収穫体験の2日目。こちらも数名希望者がいたので、一緒に杉本さん宅へ向かいました。その日は、仕事の都合で午後からの収穫体験となり、遅れる感じで到着しました。

畑では、すでに現地のお手伝いさんが収穫をはじめていました。人数も増えると、一気に賑やかになり前回とは打って変わって雰囲気も変わりました。

その落花生の収穫風景がこちらです。

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遠くの奥の方に見える、紺色の上着を着たのが僕です。遠くにいるので、もはやぼやけてます。

一株、一株にぎっしり実った落花生。一粒、一粒ていねいにもじいていきますが、落花生おおまさりともなると普通サイズの落花生クラスは、収穫しなくても良いそうです。

このあとプロの目で選別していくそうですが、素人目にはやはり勿体無くも見える落花生が、いくつも未収穫のままそのまま畑に残りました。

収穫量をあげるのも一つの仕事だしお金にはなるけれど、質の悪いものを出荷してしまえば、信用にも及んで取引自体がなくなってしまうかもしれない。農家さんの苦労を少し垣間見た気もしました。

そんな事は、おかまい無しと言わんばかりに、杉本さんもみんなが収穫しやすいように機械を走らせてました。

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この機械があるから、落花生を一気に掘り上げて収穫することができるのです。まだまだ現役と言わんばかりの杉本さんですが、今は息子さんがメインで有機栽培の農業というものが引き継がれています。

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今回、あまり話すことができませんでしたが、手がけていたゴボウなどいただきましたが、柔らかくてとても美味しかったです。

作っているのは、商品ではなく食。

杉本さんは言います。『口にする食材が、どう作られているのか知った方が良いじゃない。例えば牛乳とかでも、牛がどのようなものを食べているか。食べてるものが影響してくるんだからさ。

中略…

自分で目にして、知った方が良い。そんなことも思い、きっかけは何だったか忘れたけど、食べてそれが人の体を作っていくから、作るものは良いものにしないとなぁ。』

その言葉が示す行動が有機栽培という形となり、その中でも大きな実となり、美味しい味となっているのを感じると、この食というものを一生懸命伝えていきたいな。と感じました。

土にさわるということ。

今回に限らず、農業体験をすると思うことがあります。それは、とても癒される感覚があるということです。冒頭にも申し上げましたが、日頃パソコンやデスクワーク、そしてスマホなどばかり見ているせいからかもしませんが、自然に触れる、土に触れる、太陽の日を浴びる。いつも感じない有り難みを感じます。

そして、農家さんや農業のお手伝いをされる方は、とても良い方たちばかりで、今回もはじめましてな僕らに、気さくに話しかけていただき、休憩時間などでも落花生おおまさりの新品種おおまさりネオなどの話や、地元の話で盛り上がりました。

とにかく笑顔が絶えず自然を感じながら、働くことって人の心を豊かにするんだろうなぁ。と勝手に感じてしまいました。

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一緒に杉本さんのところで、おおまさりの収穫をしてくださった地元の方々です。

この年末から、杉本さんの畑で収穫された塩ゆでされた落花生おおまさりを、多くの方々にご紹介とお届けをしていきたいと思います。

引き続きの応援のほど、よろしくお願いいたします。

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