見出し画像

記録と共に変化する その1 / 困ったときのノート

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2023/07/31 第668号


はじめに

ポッドキャスト、配信しております。

◇第百三十回:Tak.さんとノウハウ本について 作成者:うちあわせCast

なんやかんやゴタゴタしておりまして、約一ヶ月ぶりの収録となりました。でもって、話題は好例の「ノウハウ本について」です。

ノウハウを扱う本を書いている人間としては、ノウハウそのものについても考えつつ、「ノウハウ本の在りようとはどのようなものか?」もついつい考えてしまいます。

よければ、お聴きください。

〜〜〜X〜〜〜

Twitterが終わりました。正確には「Twitter」という名前が終わり、「X」に変じました。

ただ名前が変わっただけで「終わった」なんておおげさな、と言えなくもありませんが、その背後により大きな変化(ないしは変質)があり、名前の変更はその象徴的な出来事にすぎません。実際は、名前以上のものが変わっており、それは一つの終わりを暗示しているのだと感じられます。

もちろん、一気に何もかもが終わってしまうようなことは起きないでしょう。日本経済がじわじわと悪化していったのと同じように、より本質的な変化の進行は、それとはわからないくらいにゆっくりしたものになります。

しばらくは同じような風景が続き、少しずつ使い勝手が悪くなり、少しずつ投稿する人や頻度が減っていく。そんな感じで、ある閾値を超えたら急に終焉を迎える、という流れが予想できますが、もちろんそれは一番悪いイメージであって、新しい風が吹けば、新しい未来が描けるようになるかもしれません。

実際、懐かしい響きのあるmixiもまだサービスとしては残っていますし、モンストで頑張っておられるので、Twitter(X)が今後どうなるかについても確かなことは何も言えないでしょう。

それでも、昔楽しかったTwitterばかりか、最近のぎりぎり保っていたTwitterすらもその復活は望めないであろうことは、確度の高い予想だと言えそうです。

〜〜〜研究会構想〜〜〜

ふと思いついただけで、まだ具体的な中身はぜんぜん決まっていないのですが、「デジタルノート研究会」みたいなものを立ち上げたいなと考えております。

・デジタルノートをテーマにして
・多くの人の頭脳を集める

やりたいのはこれだけのことです。とは言え、個人的には新しさも感じます。

まず「デジタルノート」という旗を立てること。これまで「知的生産」という包括的なテーマではいろいろ活動してきましたが、より具体的な話にシフトし、さらに知的生産以外の活動も巻き込める「デジタルノート」を主題にするのはなかなか新鮮です。

加えて、結局私たちはまだぜんぜんデジタルノートについて理解できていないぞ、という心境もここにはあります。どうしても「アナログノートのデジタル版」くらいの理解から抜け出れていません。その理解を書き換えたい気持ちがあります。

さらに、それを自分ひとりで進めるのではなく「研究会」の形で知見を集めたいという思いもあります。これは単純に、現在のデジタルノート事情はひとりの人間が追い切れるものではなくなっている点があります。

たとえば「Notionっぽいツール」だけでもオープンソース含めて複数の選択肢があり、より範囲を広げればもうどれだけ存在するのかは把握不可能な状況です。だから、人に集まってもらって、知見をまとめておく。

それと共に、ノートの利用方法が多様であることを考えれば、一人だけで探求することの限界はあるでしょう。いろいろな視点を持ち寄ることによって、より大きな図面が描けるような気がします。

とは言え、まだコンセプトしか存在しないので、具体的にどういう集まりを、どういう場所で、どんな風に運営していくのかはノーアイデアです。今年後半は、これを一つの課題として考えていきたいと思います。

さて、皆さんはいかがでしょうか。職場のつながりでもなく、家族のつながりでもない、何かしらの「会」に属されているでしょうか。そうした会では何が行われ、どんな感触を受けておられるでしょうか。よろしければ倉下に教えてください。

では、メルマガ本編を始めましょう。今回は連載ものの第一回が一つ、やや長めのエッセイが一つでお送りします。

記録と共に変化する その1

「記録と共に変化する」というテーマで連続的な記事を書いていきます。

第一回は「変わるために必要なもの」です。

■変わるために必要なもの

変わるためには、何が必要でしょうか。

いろいろ思いつくことはありますが、その前に「変わる」とは何かを検討しておきましょう。

単純に考えれば、「変わる」とはある状態から別の状態に移行することです。簡単に言えば「違い」を生むこと。

「変わるとは、違いを生むことである」

とすれば、面白いことがわかります。そこには「共通」が必要なのです。どういうことでしょうか。

たとえば、よく似た二匹のネコがいるとき「あのネコとこのネコは違うね」と言うことができます。しかし、ネコとカレーライスが並んでいるなら、わざわざその二つを「違う」と言うことはしません。まったく土俵が異なるからです。

つまり、何かしらが「違う」と言えるとき、そこには確かに相違点があるのですが、それと並行して共通点も存在しているのです。その共通点が土俵となり、「違う」という判断ができるようになります。

ということは、変わるために必要なのは、実は変わらない部分なのです。その変わらない部分があるからこそ、「変わった」という判断ができます。もし、そうした共通点が一切なければ、「変わっている」かどうかの判断もつかなくなるでしょう。

もちろん、変わらない部分しかなければ変わることはできません。変わらない部分があり、変わる部分がある。そのバランスによって変化は可能になるのです。

ここから先は

6,725字 / 2画像 / 1ファイル

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?