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2020年の倉下の手帳/2020年の倉下の日記 前後編/(おまけ)「断片だからこそ出せる」

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~2020/01/06 第482号

はじめに

はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。

新年ということで、ポッドキャストを続けて収録しました。全部で三つあります。

・@beck1240さんのポッドキャスト

・Lustyleさんとのポッドキャスト

・@beck1240さんとのポッドキャスト

以上のように連発していますが、実は配信ツールであるAnchorが最近不調で、音声が入らなかっったり、途中で突然切断されたりする憂き目にあっています。

結局、別のツールで録音してからAnchorにアップロードせざるを得ない状況で、「Anchorならめっちゃ簡単に対談が配信できる」とは言えなくなりつつあるのが気になるところです。

はやく復調してくれればよいのですが。

〜〜〜amazletの復活〜〜〜

以前使えなくなったと紹介した「amazlet」ですが、いつのまにか復帰していました。今は普通に使えるようになっています。

どうやら、ドメイン周りでトラブルがあったとのこと。

とりあえず、無事使えるようになって嬉しい限りですが、すでに自分用のブックマークレットを作ってしまったので、再び使い始めるかどうかは微妙なところです。

〜〜〜100年持つ建物〜〜〜

とある番組で見かけたのですが、神社は軒が普通の家屋よりも長く設計されており、その分雨が建物に当たりにくい構造になっているそうです。だから普通の家屋よりも長持ちするみたいなのですが、当然単に軒を伸ばせば構造的に歪んでしまうわけで、それを補う工夫が必要となります。つまり、建物を長く残すために一手間も二手間もかかっているわけです。

その話を聞いて、コンテンツの未来に想いを馳せました。本・書籍・Web、そして長く残すための一手間……。この話については、次回改めて検討してみたいところです。

〜〜〜今週見つけた本〜〜〜

今週見つけた本を三冊紹介します。

皆が同じ服を着て一斉に面接に臨む風景は、違う文化から見るとかなり奇妙なのかもしれません。「なぜみんなリクルート・スーツを着るのか。起源、歴史、変遷、文化、ジェンダーなど網羅的に分析したとき、その社会的な意義があきらかになる」という内容紹介が実に気になります。

タイトルからも想像できますが、エリ・ヴィーゼルの大学講義をその愛弟子である著者がまとめたものです。ちなみに、エリ・ヴィーゼルは1986年にノーベル平和賞を受賞した作家らしいです。ともかく副題が煌めいていますね。

視点が面白いですね。AIを使ってどんなことができるのかという話はよくありますし、AIが破壊してしまうものの話もよくありますが、その限界性に注目し、わかりやすく解説している本は結構レアだと思います。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、頭のウォーミングアップがわりにでも考えてみてください。

Q.今年の目標はなんでしょうか? それを達成するために何をする予定ですか?

では、メルマガ本編をスタートしましょう。

今回は新年特別号ということで、今年の目標について書いてみたいところですが、正直なところ「体の調子を整えて、それなりに仕事ができるようになること」以上の目標は考えられませんし、その目標はそれ以上深掘りしようもありませんので、今回は今年の手帳と日記について書いてみます。

最後に少し、おまけ的コンテンツもありますので、よければ覗いてみてください。

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2020/01/06 第482号の目次
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○「2020年の倉下の手帳」

○「2020年の倉下の日記 前編」

○「2020年の倉下の日記 後編」

○(おまけ)「断片だからこそ出せる」

※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。

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○「2020年の倉下の手帳」

まずは、2020年の手帳話から入ります。

去年は「読書手帳」を始めようとして、大きく失敗しました。ほとんど続かなかったのです。その失敗を踏まえて、今年はフレキシブルに始めることにしました。具体的な使い方を定めず、自由に書くために手帳を使うことを出発点に定めたのです。

セレクトしたのは、エディターズシリーズの365デイズノート。ページ数が多く、方眼の線の色も薄いので、私の好みにぴったりです。

この「ノート」を、「手帳」らしくするために、頭の方にカレンダーシールを貼りました。ダイソーで買った12月分のカレンダーシールです。このカレンダーはマス目があまりに小さいのでスケジュール管理には使えそうにありませんが、そもそもスケジュール管理はGoogleカレンダーでやりくりできているので、そこは気にしなくてよいでしょう。

何か特別なイベント(しかも誕生日のように動きようがないイベント)だけを記入したり、あるいは運動した日に印をつけるといったログとして使うつもりです。

■手帳に書くこと

カレンダー以降のページについては、基本的に自由ページですが、大きく2つのタイプを設定しました。「デイリー」と「ノート」の2タイプです。

「デイリー」はその日の出来事や、ちょっと思いついたことを時系列で書いていき、「ノート」はトピックを独立させてゆっくり考えたいときに使います。

さらにその「ノート」にも、複数の書き方がありえます。文章を書き思考を展開していく書き方と、箇条書きでリストを作る書き方です。場合によっては、マインドマップやマンダラートをこのタイプに加えてもよいでしょう。その辺はケースバイケースで考えていきますし、使い続ける上で新しいものが増えることもありそうです。

リストに関しては、正直なところアナログツールではなくデジタルツールで、もっと言えばアウトライナーで管理するのが効率的だと思うのですが、今のところはアナログの手帳から始めたいと考えています。

というのも、「泣ける映画リスト」や「読みたい漫画リスト」や「気になっている本リスト」など、リストを作れる対象はいくらでもありますが、自分の関心が長く維持されるリストは案外少ないからです。

そこで、まずこのノートでリストを作り、そのリストを長期運用したくなったら、改めてそのタイミングでアウトライナー(かEvernote)にリストを作る、という運用にしようかなと計画中です。ある種の選別というかフィルタリングをこのノートで行う、ということですね。

■ほぼバレットジャーナル

以上の使い方をぶっちゃけて総合すれば、ほぼバレットジャーナルです。もう少し丁寧に言うと、「箇条書きにあまりこだわらないバレットジャーナル」と言えるかもしれません。

それって名前的に矛盾しているんじゃね(バレットは箇条書きの冒頭の記号)、という気がしないでもありませんが、あまり細かいことは気にしないようにしましょう。ようするに、バレットジャナールにおけるノートの運用の外側だけを拝借して、アレンジしたノート法が私の今年の「手帳」となります。

■そこから始める読書手帳

とは言え、これはスタート地点にすぎません。ここに「読書手帳」をどう絡めていくのかが今年の課題となります。

たとえば、1月1日のデイリーページに『情念論』購入と書いたとしましょう。そして、その感想を書きたくなったら、『情念論』についてのノートページを作り、そこに書き込む運用が考えられます。さらに、それぞれのページにナンバリングを振っておけば、ページ同士をつなげることもできます。

たとえば以下のような感じです。

page.3
1月1日
 『情念論』購入→5

----------------------------------------
page.5
『情念論』について
←3
〜〜〜ここに感想を書く〜〜〜

このようにして、日常のメモに読書情報を混ぜ込んでいけばうまく継続できるのではないかと企んでいます。

とは言え、どう考えても、「Scrapboxでやれよ」案件なわけですが、一つには、日常の中に「手を動かして、字を書く」という行為を入れたいがために、あえて面倒(というかあまり効率的とは思えない)ことをやっています。実際、字を書くのはなかなか心地よいものなのです。

もう一つは、あえてアナログでやるからこそ見えてくるものがあるのではないか、という予感もあります。というのも、いきなり何もかもが便利にできるツールだと、最終的に自分がどんな情報環境を欲しているのかが見えにくくなってしまいます。

ほとんど何もできず、手間もかかる行為を潜り抜けるからこそ、何に手間をかける価値があって、何は省略して構わないのかが実感としてわかる。そんなこともあるかもしれません。

あるいはすべては言い訳で、なんとかして手帳(ノート)を使いたい自分の欲求こそが根元なのかもしれません。

理由は明確にはなりませんが、とりあえずはこの手帳(ノート)を使い続けていく予定なので、4月くらいに発生するであろう続報を楽しみにしておいてください。

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