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Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」 2017/12/04 第373号

はじめに

はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。

ついに、Evernoteのノート総数が7万を超えました。さすがに10年近く使っているので、これくらいの数字にはなってしまいます。

これまでいろいろなノートツールを使ってきましたが、10年近く前のメモが何事もなかったかのようにスッと取り出せるシステムは、やっぱり偉大です。しかも、クラウドです。

ノートツールは、情報が蓄積してからが本領発揮であることを考えれば、このような長大な射程を持つノートツールが、人類の多くにいきわたり、かつそれぞれの人が長期間使い込んだ後に生まれる「知的生産」というのは、もしかしたらそれ以前の知的生産とはまったく異なるのかもしれません。

知的生産2.0。

私たちはまだそれを目撃すらしていない可能性があります。楽しみです。

〜〜〜Style change〜〜〜

7万ノートを超えたから、というのではないのですが、最近Evernoteの使い方が変わってきています。

新機能の追加がひさしくなり、Evernoteの使い方に関してはもう固まりつつあるなと思っていたので、自分がそれを変えていることに意外感も覚えるのですが、引き金を引いたのは、7wrinerとScrapboxでした。特に、Scrapboxの影響が強くあります。

たとえば、今私は次のようなラディカルな問いを持っています。

「Evernoteって、ノートブックいらないんじゃないの?」

ある程度時間が経てば、この問いにも答えが見出せることでしょう。

〜〜〜新しい編集感覚〜〜〜

先週の土曜日に、「のきばトーク」のスペシャル回が放送されました。佐々木正悟さんが運営されている動画放送で、普段は毎週月曜日に放送されているのですが、今回は特別ゲストを招いての臨時放送。

で、私はその「のきばトーク」のアーカイブをScrapboxで作成しており、たまたま土曜日の放送をリアルタイムで視聴していたので、「よし、聞きながら簡単な概要をScrapboxに書き込んでいこう」と思いページを開いてみると、見知らぬカーソルが。

どうやら、同じタイミングで別の人がページを開いていて、その人のカーソル(テキストキャレット)が私にも見えるようです。カーソルの表示を見る限りで、その方はシゴタノ!の大橋さんだということがわかりました。

ということは、向こうからもこちらのカーソルが見えていると想定しても良さそうです。

最初のうちは、私と大橋さんが両方でテキストの書き起こしをしていたのですが、明らかに向こうの方が入力が早いので、そちらは完全にお任せして、私は関連する記事や名前があがった本のリンクを追加する作業にシフトしました。

暗黙の、作業分担です。

これが、実に心地よかったですね。

Evernoteでは、二人以上が当時に書き込もうとすると同期の競合エラーが起きて、どうしても非同期な書き込みになってしまうのですが、Scrapboxではそれが余裕でできます。競合エラーが起きないだけでなく、カーソル位置が表示されるので、相手が何をしようとしているのかすら推し量れます。

今回は、少し触ってみただけですが、このScrapboxによる同期的な共通ノート(ページ)への書き込みは、オンラインの新しい打ち合わせや対談に使えるのではないか、などと考えているところです。

〜〜〜『Dr.hack』のセール〜〜〜

『ライフハック大全』の応援企画として、ライフハック・ライトノベルの『Dr.hack』をセールにしていました。

◇『ライフハック大全』発売記念!『Dr.Hack』を50%OFF – R-style
https://rashita.net/blog/?p=23321

期間は、11月15日〜11月26日の約10日間で、値段はだいたい半額。

さて、結果はどうだったかというと、結構動きました。どのくらいかというと、『Dr.hack』を発売した月とその翌月の売上げを合わせたくらいは買って頂けました。

………
……

もしかして、最初の値段設定を間違えていた…?

という懸念も湧き上がってきますが、『Dr.Hack』は十分にボリュームのある一冊ですし、内容も面白い(と私は思う)ので、やはりこの値段でいきたいと思います。

いやはや。それにしても、値段設定とかセールとかの扱いは、やっぱり難しいですね。

〜〜〜中二病的職業病〜〜〜

本当に、一ミリも悪意はないのですが、他の人の文章を読んでいると、赤を入れたくなってきます。つまり、「この文章は、こう直した方が読みやすいな」とか「ここの、〈という〉は削って大丈夫だな」とか考えてしまうのです。

無論、おおもとの文章だって、きちんとした文章です。意味も取れますし、読みにくくもありません。イチャモンをつけようというのではないのです。単に職業病として、90のクオリティーものがあれば、91にする改善アイデアを考えてしまうのです。

しかしながら、街を歩いている人に突然、「この着合わせだった、赤色の靴下をはいた方がもっとしまりますよ」と話しかけたら、相当なお節介であることと同様に、そういう「赤入れ」もわざわざ指摘するようなものではないので、ぐっと堪えて、心の引き出しにしまうようにしています。

で、これってなんだか、中二病の「鎮まれ……俺の右腕よ」、というのとまったく一緒だな、と思った次第です。一人で盛り上がって、一人で沈静化。

でもたぶん、私だけじゃないですよね。こういう「症状」って。

〜〜〜フリーランスの心得〜〜〜

まだ、うまく言葉にできないのですが、フリーランサーとして仕事をしていく上では、

「指定された業務を遂行さえすれば、自然とお金が発生する」

と考えていると、なかなか辛いことになるかと思います。

もちろん、指定された業務を遂行することは欠かせませんが、それ以前の話とか、それ以降の話とかもフリーランスでは結構真剣に考えていかなくてはいけません。

言い換えれば、

「どうやったら、お金を生み出せるのか?」

を自分の頭で考える必要がある、ということです。でもってその問いは、「どうやったら、価値を生み出せるのか?」や「価値とは何か?」を考えることにもつながっていきます。

こうしたことを1ミリたりとも考えたくないならば、なるべくフリーランスには近づかない方がよさそうです。まあ、そうはいっても、というのがフリーランスではあるのですが。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、頭のウォーミングアップ代わりにでも考えてみてください。

Q. 職業病を何かお持ちでしょうか?

では、メルマガ本編をスタートしましょう。今週は、〈年末特別号その1〉として、すべてエッセイになっています。短いものから、長いものまでいろいろありますので、お気軽にお楽しみいただければと思います。

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2017/12/04 第733号の目次
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○エッセイ 「すぐれた教師の一言」

○エッセイ 「結婚生活という不思議な現象」

○エッセイ 「文脈に依る性質」

○エッセイ 「耳の良さから始まる脳内議論」

○エッセイ 「いつもたとえを探している」

○エッセイ 「エセー2.0」

※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。

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