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効率化についての不都合な真実 / Todoistの贅沢な使い方 / ミルのダイナミズム / ノウハウ書の手軽さ

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2023/06/26 第663号

はじめに

現在開催中の「【プライムデー】最大70%OFF Kindle本キャンペーン」で拙著二冊がセール対象に選ばれました。

◇【プライムデー】最大70%OFF Kindle本キャンペーン

◇「【プライムデー】最大70%OFF Kindle本キャンペーン」に拙著が選ばれました|倉下忠憲

最初「セール対象に選ばれました」というメールをもらったとき、一回のセールでセブパブ本が二冊も選ばれるなんて他にはなかなかないんじゃないか、ふふん、と思っていたら、Tak.さんの本は5冊選ばれていました。

◇【告知】Tak.のKindle本5冊が「夏の超ビッグセール」対象になっています | Word Piece

しょうもないことで優越感を得ると、簡単にひっくり返されてしまうの図ですね。

とりあえず、50%オフですのでこの機会にぜひどうぞ。

〜〜〜ポッドキャスト〜〜〜

ポッドキャスト、配信されております。

◇BC066 『Remember 記憶の科学:しっかり覚えて上手に忘れるための18章』 | by goryugo

今回はごりゅごさんが『Remember 記憶の科学』をご紹介くださりました。面白かったのは、記憶の話なのに「忘れる」ことが言及されている点です。

でも、実は記憶と忘却はセットのメカニズムなんですよね。そういうことを僕たちはつい忘れてしまいます。

よろしければお聞きください。

〜〜〜LISTEN正式リリース〜〜〜

以前紹介したLISTENが正式リリースされました。

◇LISTEN

関連して考えたことを記事に書きました。

◇LISTENはポッドキャスト文化の何を変えるのか|倉下忠憲

で、このLISTENがマジですごいのですが、以下の書き起こしをみてください。

◇第百二十九回:Tak.さんと優先順位について | LISTEN

「話者」というのを設定すると、書き起こしもその話者ごとに分離されるのです。もちろん原理は推測できますが、それでもこうして自然に話者が分離された書き起こしが上がってくるとテクノロジーってすげーよなと改めて感心します。

今後の発展に期待しております。

〜〜〜Workflowy入門〜〜〜

新サイトKnowledge Walkersで新しい追加連載記事を書きはじめました。

◇Workflowy入門 | Knowledge Walkers

追加連載記事とは一つの大きな記事を少しずつ追記して完成にもっていくタイプの記事です。連載ごとにページ(URL)を切り分けないのがポイントです。

今回はこの形式を使ってWorkflowyの入門記事を書いていくことにしました。ちなみに"Workflowy"とするのか"WorkFlowy"とするのかいまだに迷っています(両方の表記があるのです)。

とりあえず、Workflowyをこれから触りはじめる人に役立つ記事にしようと考えていますので、「こういう情報もあった方がいいかも」などのアイデアがあればぜひお知らせください。

〜〜〜モードの切り替え〜〜〜

倉下が作業をするときは、だいたい以下の二つのモードを切り替えています。

・てきぱきやるモード(TPモード)
・じっくり考えるモード(POモード)

前者はできるだけ判断やアイロニーは停止させて、目の前の作業に集中するモードです。逆に後者は可能な限り判断や連想を広げていくモードです。

領収書を整理するときは前者のモード、企画案について考えるときは後者のモードといった具合ですね。生産性が必要なら前者、そうではないなら後者と言えるかもしれません。

さらにこの二つの作業モードに加えて、

・しばらくぼーっとするモード(DNモード)

もあります。ようするに休憩状態です。これはそもそも「生産」から遠ざかるモードと言えるでしょう。

こうしてモードを決めていても心理状態を完全にコントロールすることはできませんが、それでも「よし、ここからはTPモードだぞ」と心でつぶやくことで弱めの暗示がかかり、儀式をくぐり抜けた後に似た状態に移行できる可能性が高まります。

おそらく「自分の管理」というのはそれくらい緩めの管理がちょうどよいのでしょう。

〜〜〜背後にある理由〜〜〜

情報ツール界隈では定期的に「ツールは使いこなさなくてもいいよ」という提言がなされます。まったくその通りです。道具というのは使うものであって、使わされるものではありません。自分が求めるニーズが満たされていればそれで十分でしょう。

一方で、そもそもなぜ「ツールは使いこなさなければならない」と思っていたのかは改めて検討する価値があるでしょう。たとえば目の前に電卓があるとして「電卓を使いこなさなければ!」と思うことはレアなはずです。もしそう思っていたとしたら、何か外部的な要因が働いているのだと推測できます。情報ツールについても同様です。

問題は外部的な要因が一様ではなく、人によって違っている可能性がある点です。

一人ひとりがまったく違っているというのではなく、おそらくいくつかのタイプに分類できるでしょうが、それでもそれぞれのタイプによって理由は違うわけで、それを解呪するための方策も変わってくるでしょう。

だから結局のところ、それはなぜなのかを自分自身で探る必要があります。なぜ自分はそんな風に感じているのか。それを自問するわけです。

出てきた答えによっては、「使いこなす」路線をさらに追求しよう、という結果になるかもしれません。それもまた人生です。

なんにせよ内部的な分析を一切通過せず、ただ与えられたアドバイスに従っていることには一定の危険性があります。どれだけ親切で有用に見えるアドバイスですらそうなのです。

皆さんはいかがでしょうか。何かしらのツールを使いこなしたいと思うことはあるでしょうか。その原因はいったいどこにあるのでしょうか。よろしければお考えをお寄せください。

では、メルマガ本編をスタートしましょう。今回は、4つのエッセイをお送りします。

効率化についての不都合な真実

皆さんは、「効率化」が好きですか。私は好きです。今回はその効率化が持っている不都合な真実についてお知らせします。

といっても、賄賂があったり、悪の組織の野望だったり、地球を温暖化させてしまっているといった話ではありません。ごく単純なことです。

「効率化」という作業は効率的ではない。

ただそれだけの話です。

別の言い方をしてみましょう。私たち──あるいはライフハッカーたち──が効率化に取り組むのは、効率を欲しているからではなく、効率化の作業が楽しいからです。

だってそれはきわめて創造的な作業なのですから。

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