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ホッピーについて思うこと

ホッピーが好きだ。


意中の人物への想いを吐露したと思われてしまうとこの先読んで頂けなくなるので念のため言っておくが、「ホッピー」は人の名前ではない。

この古めかしいデザインのラベルが貼られたボトルや、これが印刷されたポップ・メニューを見たことがある人は少なくないと思う。

ホッピービバレッジ(株)HPより

しかしながら、大衆居酒屋などで目にする機会はありつつも、「飲んだことはない」という方は、案外多いかもしれない。


僕がまだ20代前半でお酒に対して無知だった頃、手当り次第に色々な酒を飲んだ。
当時ホッピーも経験したような記憶はあるが、その時の感想は「あんまり美味しくない」だったように思う。
どことなくオジサンぽいし、「ビールっぽい」飲み物よりも「ビール」の方が美味いに決まっている、という偏見もあったかもしれない。

現在は大好きだ。
こんな記事を書くくらいなので。

「ビールっぽい」とは書いたが、そもそもホッピーとは何か。

ホッピーは1948年に誕生した麦芽やホップといったビールに近い材料で作られた炭酸清涼飲料水。
製造工程もビールと同じだが、製品としてのアルコール度数は0.8%の為、酒類には該当しない。
焼酎をホッピーで割り、ビールのようなテイストを味わう。

戦後のビールが高価だった時代に新橋や池袋の闇市から販売が始まり、「粗悪な酒でもホッピーを混ぜれば安く早く酔え、なおかつ美味しい」という点で、ホッピーは庶民に受け入れられた。
発売から70年近く経過した今となっては「ビールが買えない庶民の飲み物」といった色は薄れ、焼酎を美味しく飲むための一つのアイテムとして受け入れられていると、僕は認識している。

※度数は低いながらもアルコール成分は含むので、ホッピー単体であったとしても運転や機械操作をする際に飲むことはお勧め出来ない。


まぁ小難しい話はこれくらいにして、ホッピー未経験の方の為に、注文方法や飲み方を記したいと思う。
そうは言っても、ホッピーの世界では僕もまだまだ新入社員レベル。
諸先輩方から見れば「そういう解釈ではない」「マナーがなっとらん」「お前は真実を見誤っている」等のご指摘もあるかもしれない。
だが、お酒の飲み方は自由だ。
よって、こういった諸先輩方には僭越ながら一言だけ、お伝えせねばなるまい。

人の記事に土足で入り込んできて上から目線のアドバイスじみた能書きをダラダラと垂れたいならば、即座に僕のこの記事を閉じて自分の記事で何万文字も使って拙い文章力を駆使して書くがいい。そんなんだから貴方は部下からも煙たがられ「指導」「教育」の大義名分のもとに他人の時間を搾取し自分勝手な優越感に浸り「あぁ今日も後輩を正しい道に導いてやった」などとお門違いなまとめで一日を終え、家に帰れば妻や子どもに邪魔者扱いされ、その腹いせに翌日も会社に向かうがその横柄な態度は通勤ラッシュの電車の中でも遺憾無く発揮され…

おっと、何か別の感情が混じり込んでしまった。
見なかったことにして欲しい。


【用語】

・ホッピー
これがなければ始まらない。
「白」「黒」が存在する。
「普通のビール」と「黒ビール」に相当するものと思ってもらって差し支えない。

・ホッピーセット
店により異なるので、概念として捉えて欲しいが、
●ホッピー(瓶)
●氷と焼酎が入った、キンキンに冷えたジョッキ
●マドラー
以上の3点がベーシックなセットだ。

※公式では味が薄まるという理由で、氷を入れることは推奨していない。
ホッピー、焼酎、ジョッキの3点を全て冷やして準備する、「3冷」を基本スタイルとしている。
氷を入れるのが是か非か、という議論もあるが、僕個人としては氷を入れて飲むのが好きだ。

ソト
上記、ホッピーの異称。
おかわりの際に「ホッピーの液体の部分というか、、、ホッピーの主たる…瓶に入ったホッピーの…」と、しどろもどろになってしまうため、「ソトください」といえば次の瓶が運ばれてくる。
主におかわりの時に使われる用語。

ナカ
それに対し、割るための焼酎を指す。
「ホッピーを割る為の、、、えぇっと、焼酎…いえ、芋とか麦とかじゃなくって水割りとかロックとかじゃなくてホッピーに混ぜる…」と、しどろもどろになってしまうため、「ナカください」といえば次の焼酎がコップなどに入れられ運ばれてくる。
こちらも、主におかわりの時に使われる用語。

【飲み方】

上記の用語を把握したら、焼酎1に対してホッピーを5の割合で注ぐ。
炭酸が抜けない程度によく混ぜたら、あとは美味しく飲むのみ。

飲む際には上述した「ホッピーの誕生から庶民に認知されるまでの過程」に想いを馳せなければならない。
「戦後の物がない時代に…」
「ビールが高嶺の花だったころ…」
「日本のサラリーマンと共に歩んだ…」
「高度経済成長期の諸先輩方の喉を潤した…」

などという時代背景と共に喉に流し込むのが味わい深く、粋な飲み方だ(個人の感想であり、当時僕は生まれてすらいないのだが)。
場末感の漂う店、出来れば立ち飲み屋で飲むと、通常の1.3倍くらい美味しく感じられるだろう。
店はボロければボロいほど良い。
但し、不衛生な店は論外。

肝心な味についてだが、とてもライトな口当たりの、ビールっぽい風味が漂う炭酸入りの焼酎、という感じだ。
決して「ビールを薄めた感じ」などと言ってはいけない。
絶対にだ。

語彙力の無さについては申し訳ない限りだ。
この点において僕を責める気持ちがあるならば、義務教育の教育課程に「食レポ」が含まれていないことあたりを文科省あたりに言ってくれ。


ホッピーの飲み方は人それぞれだ。
梅酒やラム、ジンと合わせたり、コーヒーリキュールを混ぜ込む、といったレシピも紹介されている。

当記事に書いたのもあくまで一例。
読んで頂いて気が向いたら、是非とも手に取ってみて欲しい。
古き良き昭和の時代を、少しだけ味わえるかもしれない。


先日立ち飲み屋で一緒に飲んだ若者に「そもそもホッピーって何ですか?」と訊かれ、「説明し始めると30分くらいかかるけどいい?」と応じたところ(それはちょっとめんどくさい…)という顔をされたので記事にまとめてみた。

以上。
よいホッピーライフを。

HOPPY IS HAPPY公式より引用


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