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なぜ、教養ではなく、具体的な処世術が求められるようになったのか

こんにちは、らるです。

最近、こんな本を読みました。

面白い本だったのですが
今回は特に印象に残った
1970年代~80年代に
かけての変化について
紹介していきたいと思います。

1980年代の日本では
サラリーマン文化が変化していた時代でした。

特にその変化を象徴していたのが
「BIG tomorrow」という雑誌だったと言います。

80年代の出版バブルを支えていた存在。それは、雑誌であった。  たとえば1980年(昭和55年)に創刊された雑誌「BIG tomorrow」(青春出版社)は、男性向け雑誌のなかで圧倒的な人気を博していた。


三宅香帆. なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) (p.113). 株式会社 集英社. Kindle 版.

「BIG tomorrow」は、
職場の処世術女性にモテる術を伝える内容で、
多くの読者に受け入れられました。

では、なぜこのような雑誌が人気を博したのでしょうか?

その答えが、
学歴よりも処世術を重視する価値観が広がったからだ
ということです。

80年代に入ると、
大卒だから…というエリート意識が薄れ、
実際の職場ではどのように振る舞うかが
重要視されるようになりました。

つまり、処世術、コミュ力の時代になった
ということです。

1960年代や70年代は、
ある程度の教養がある人が尊敬される傾向に
ありましたが、80年代はその風潮から
コミュニケーション能力を重視する方向へと
シフトしていきました。

この変化は、今にも通じるものがあると感じます。

現代でも、出世するのに必要なのは
教養よりもコミュニケーション能力だ

というのは、ある程度正しいと思います。
(私自身も、これを日々実感しています)

人々が、実際に利益を与えてくれるものに
興味を持つのは自然なことですし、
こうして、興味が教養から処世術に移っていったのも
人々が合理的に適応している証拠なのかもしれません。

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