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読書会レジュメの作り方/社交ダンスとしての読書

みなさんこんにちは、らりるれろです。


私は色々な場所で色々な読書会をしており、その都度レジュメを作って説明しています。どんなやり方でレジュメを作っているか、簡単に紹介させてください。

まず、本と出会います。この瞬間から私の読書は始まっています。本屋で、Twitterで、Amazonで、あるいは別の本の中で。タイトルや装丁、帯の文が、パッと目に留まる。その時に得られる印象から、読書体験が始まります。

思い立ったが吉日。本の重力には抗えません。気がついたら手元にその本が届いています。

遠くから眺めるのと、手にとってみるのとでは、得られる印象が全く違います。

例えば、かなり前に哲学史の勉強用に買った『岩波哲学思想事典』を手にとってみましょう。


重い。

とてもじゃないですが、人間が手に持つことを想定して製本されているとは思えません。

一旦机におきましょう。


良い身体していますね。

何の茶番かと思われるかもしれませんが、これも読書です。読書とは、その本の作者とのコミュニケーションである以前に、本そのものとのコミュニケーションなのです。

社交ダンスを踊ることを想像してみてください。気の利いたダンサーであれば、手を組む相手のことを、しっかり観察してダンスに臨むでしょう。それと同じです。今から長くお付き合いする本のことを、まずはしっかり見てその存在を感じ取ることが必要です。愛がなければ、読書も、それによって得られる知も成立しないわけですから(まさに哲学=愛知というわけです)。

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