見出し画像

「空腹時」と「満腹時」どっちに料理を作った方がいい?/時間帯や空腹時で変わる味覚の知覚について

空腹時の味覚感受性について


美味しい料理を一貫して作る秘訣は、"味見"にあります。ただし、単に各パーツを味見するのではなく、それぞれの要素を組み合わせた後の全体の味わいを確かめることが重要です。

新しい料理が完成して、一皿としての完成度をちゃんと確かめている人は案外少ないのではないのでしょうか?

個人的に自分自身がつくった料理を、完食することこそ、自分自身の料理の完成度を上げる近道だと考えます。自分自身の創造した味と、実際に完食して感じた違いの、すり合わせはどれだけ技術的に優れていても、料理人である以上は、一生ついて回ることを覚悟する必要があります。

これを踏まえた上で、味覚の認識について共有します。私が接してきたシェフの中でも、空腹状態で仕事をすることを心掛けている人が多い印象を受けています。そのようなシェフの意見として、

  1. 味覚の感覚が優れる

  2. お客様と一緒の状態で料理をつくるべき

という2つの主張が顕著に表れています。私も空腹状態で料理を作ることがおおいですが、それが味覚にどのような状態に影響を与えているか客観的に知る必要があります。

研究によれば、味覚の知覚は一日の時間や満腹と空腹の状態によって変わる可能性があることが示されています。

ここから先は

3,763字 / 10画像
このマガジン(更新される教材本)を通して、歴史、技術、科学的な観点からの解説など、フランス料理に関する情報を学びながら、料理に対する知識を深めていただけます。さあ、料理をもっと知り尽くしましょう!

次世代の"分子ガストロノミー専門誌"へようこそ!最新論文を用いて、時代に取り残されない為に、古い情報をアップデートしよう!マガジン「滞在率…

活動資金に当たります