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体癖小説「雨宿り」②

 その瞬間、手に大粒の雨が落ちてきて、あたしは空を見上げた。雨粒は、みるみるうちに、たくさん降ってきた。

 「これきっとゲリラ豪雨」
 とニシナさんが言った。
 「私のマンション、もうすぐだから雨宿りしてって!」
 確かに雨はさっきよりも激しくなってきて、バッグを頭に乗せて、とにかくニシナさんの後を走った。

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