体癖小説「雨宿り」③
2人で階段をのぼる足音だけが、しばらく響いていた。
ニシナさんのテンポとあたしのテンポは全く合わず、不思議なリズムが刻まれていた。
正直、ニシナさんは毎日この階段をのぼっているとは思えないくらい、遅く感じた。というか、全く焦っていない、っていうのかな。
さっき走ったから、やっぱり疲れてるのかもしれない。あたしは一段跳びでものぼれるって思ったりしたけど、さすがにやめておいた。
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