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電子書籍をやめて紙の本へ。気が済むまで積読したらいいじゃん。本との付き合い方を見直した

本は読みますか?

子供のころから読書は好きな方でした。図書館で借りて読むのが習慣になって、親が保管していた本も読んでいた。文芸書や伝記が多かったように記憶しています。自分の見ている世界と、他者が描く世界が入り混じって新しい世界に広がっていく感じが楽しい。字ばかりで眠くなることもあるのだけど、読書している時間は静かで、文体に向き合っていながらも自分と向き合っている感じがして心地がいい。

学校生活が忙しくなるにつれ読書する時間がとれなくなり、大人になってからは実用書や専門書、自己啓発本を時々読む程度になった。

生きていくのに持ち物はそんなにいらないなとミニマリスト志向になってからは、何度も読みたい本だけ電子書籍で購入し、できるだけ本を買わない・買ったら読んですぐ売る、という生活をしていました。効率的・合理的にインプットをしたい、と考えたりもしていた。気になった本すぐ買っていたらお金もかかるし。

今思うと、インターネットが普及したことで「自己啓発本は意味がない」とか「金儲け主義の役に立たない本だ」という口コミとか、そういう声は無視していたつもりでも、若干影響を受けていたのかなと思った。

電子書籍は携帯性に優れている。保管の場所もとらないし、お風呂場で気にせず読めるし、移動中も気楽に読めるしでいいなと思っていた。

しかし、何かしっくりこない。

読書が続かない。なんだかワクワクしない。読んだのに記憶に残らない。読書が楽しいと思えなくなっていた。スマホやタブレットだと目が痛くなるし、アプリや通知で気が散るのかなと思ってKindle Paper Whiteも3回購入したけれど。毎回端末は売ってしまって手元に残っていない。私には合わなかった。でも理由がよくわからなかった。

40代になってこれまでのことを振り返ったり、これからどうしていきたいかと考え直したりする機会が増えた。不惑の40とはよく言ったもので、そこそこ経験も積んでいて、ある程度のことは自分でジャッジできて、迷いが減ってくる。「人生こんなもんか」という冷ややかな声が自分の中から聞こえてきたりもした。未完成が山積みだけれど、明日死んでも悔いはないなと思う日もあったりで、これを不惑と言っていいのか。この違和感はなんだろうと考えていた。

2024年、そんな自分とひたすら向き合ってみようと思い立ち、デジタル管理にこだわってきたツールを見直した。手書きの手帳とノートの使用を再開した。

デジタルでも、アナログでも日記を書くようになって3か月が過ぎ、変化に気づいた。手で書く=頭の中だけではなく、自分とつながっている感覚がある。
スマホのメモに書いたことも後で見返したら「ああ、そうだったな」と思うのだけど、不思議と手で書いたことは自分への手紙を書いているような、自分という人間の輪郭を感じる感覚があった。

手帳がヒントになり、電子書籍ではなく紙の本を読むようにしたら、ワクワク感が戻ってきた。手でページをめくる感触と音。紙のにおい、目に入る背表紙や表紙、著者の言葉が自分の中に入ってくる感覚。

私には五感で感じられるものが必要なのだと認識したのだった。効率よく情報をインプット・アウトプットするだけならデジタルツールで充分なのだけれど、どうも私にはアナログ感も必要らしい。目に見えないところに置いているとすぐ忘れてしまう性質だから、本が積んである景色も含めて「読書」なんだなと理解した。面倒な性分だけれど、ひとつ自分を知れるとうれしくなった。IT系で振舞っていた自分がなんだかインチキくさく思えて、嘲笑した。

これからの本との付き合い方を整理した。

1.ネットも、本屋も気軽に足を運び、ほしいものリストを活用する
ほんとに読みたいかな?と一呼吸考えて迷った本はほしいものリストに登録して寝かせておく。リスト増幅してもOK。これも読んでみたい、という好奇心を殺さない。買ってしまいそうになるので行かなくなった本屋にも足を運ぼうと思います。新刊も読みたいし、本屋ならすぐ購入できるしね。

2.電子書籍で購入する本は、漫画のみ
一生読みたい漫画は、電子書籍で購入。漫画はページをめくる展開が速く、時々しか読まないしかさばるので、電子書籍でいいかなと思った。漫画以外は、基本は紙で購入に切り替えた。

3.ちょっと読めればいいレシピ本などは図書館で借りる
締め切りがプレッシャーになる性格の私には「2週間で読まなきゃ」「借りに行く&返却に行くタスクが発生する」と脳内が忙しくなってしまい、今の生活に図書館利用は合わなかった。けど、すぐ読まなくなる可能性のある本は図書館を有効活用したい。

4.サラッと読んで、一言でもいいので感想を書く。アウトプットする。たいして自分の中に残らなくてもOK。
実用書や自己啓発本、好きです。世間では意味がないって言う人もいて。「行動に移さないなら意味がない」ってことらしい。これは私もそう思います。
あくまで私の意見ですが、行動に移さないなら読まない、というほうがもったいないなと思う。読んでみなきゃわからないし。読んだことって役に立ったかどうかも、いつ役に立つかどうかもその時はわからないと思うんです。

役に立つかどうかは脇に置いといて、へえ~っ、おもしろい!と感じるものが入ってきてワクワクする。そんな時間を私は過ごしたいんです。好奇心に従いたい。

実用書や自己啓発本は、自分なりにやってみたけれどうまくいかなくて買うことが多いので、読む前は「読んでみて、なるほど~って思ったらやってみようかな」と思っています。当然読んでみて「う~ん、言ってることはわかるけど、私には現実的じゃないな、合わないな」と感じることもあります。

そこで感じたことをアウトプットしておけば、流さずに読んだこととして蓄積はされていく。役に立つかどうかは知らんでいいかなと。そのあとは、読ませていただいてありがとうございましたの気持ちをこめて売りに出します。

こちらに関しては、キングコング西野さんのブログがとても腑に落ちたので紹介しておきます。

5.費やしたお金や時間が無駄になったと思わない。気が済むまで読む
4と重複しますが、役に立つかどうか、無駄かもしれないとか考えている暇があったら読む。その本に今惹かれるということは、何かしら縁がある可能性があり、人生の点の一部となりうるものかもしれない。気が済むまで読んで、読んだ後の自分に聞いてみればいい。手に入れて、読んでみて、考えて。その過程を通った上で手放した本たちは、何かの意味を持つと思います。

一度売ったけれど買い直した本もありますし。人間も、本も生物だなと思う。今に意識を向けて日々を過ごすのに、読書は一役買ってくれるのかもしれない。

6.部屋に本棚をつくる
私の部屋には、本棚がありません。持ち物を最小限にするために、収納が少ないのです。棚の空きスペースや作業デスクの端に本を積んでいます。積読含めて読書と気づいた今は、愛する本たちの居場所を作ってあげたいと思いました。どういう風に保管するかは現在思案中です。保管量をあらかじめきめて、お気に入りに囲まれる部屋にしたいなと思っています。

7.本が主役の場所に出向いてみる
映画を楽しむために映画館があるように、本を読むための場所へ出向いてみようと思っています。家でもカフェでも読書はできるけれど、もっと本に向き合っていきたいなと思ったので、訪れたことのない場所に出かけてみようと思った。こちらは近々、また書きます。

長文、お読みくださりありがとうございました。





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