楽水

はじめまして。高校の教員をしています。今年から時間講師という名のフリーランスになったの…

楽水

はじめまして。高校の教員をしています。今年から時間講師という名のフリーランスになったので、お役に立てることがあれば何なりと。 趣味は自作スピーカーを核としたホームシアターと男声合唱です。よろしくお願いします。(^^)/

最近の記事

中尊寺金色堂

11月に妻と中尊寺金色堂を訪ねた。平泉駅を降りて毛越寺を散策し中尊寺へ。何はともあれ金色堂だ。坂道を登り到着、列に続いて覆堂の中へ。 おお、これが。薄暗い堂内で照明に照らされた仏たちはみな金色に輝いていた。中央の須弥壇に阿弥陀如来、右に観音菩薩、左に勢至菩薩、左右に地蔵菩薩が三体ずつ、最前列には持国天と増長天。林立する仏像のみならず柱や壁にも金や螺鈿などのきらびやかな細工が。 素晴らしい。救いを求める衆生のあまた祈りを九百年にわたり身に浴びてきた仏たちがそこにいた。 荘

    • セルフマネジメント事始め9

      <NAVIノートの広がり>  平成20年3月、これらの取組について東京で発表の機会に恵まれた。いくつかの学校から問い合わせがあり大いに興味を持っていただけた。  その中の一人が福岡の高校で進路指導主事をされていたS先生だった。私の提示したコンセプトをもとにS先生はさっそくセルフマネジメント習得のための手帳作りに取り組まれた。当初は私たちと同じNAVIノートを試されたが、後に業者と高校生用の手帳を共同開発をされたと伺った。それは一週間見開きバーチカルタイプの手帳で非常にコンパ

      • 多田武彦先生を追悼するために(じゃむか通信79号より転載)

        「多田です。作曲家の」そういって先生はいつも私にお電話を下さった。 初めて先生のお声を聞いたのは2003年、第一回全四国男声合唱フェスティバルの時だった。四国中の仲間を集めて巨大な富士山を舞台に現出させる夢がかなう、その思いを込めて私が書いたプログラム原稿について、とても気に入ったよ、とおっしゃっていただいたのだ。まさに天にも昇る心地だった。 男声合唱などまったく知らないまま大学のグリークラブに入団し知人の下宿の小さなラジカセで生まれて初めて「富士山」を耳にした。「麓には

        • スマホがそこなうもの

           どうしてスマホをいじっていると頭の動きが悪くなるのか、なぜ書写が効くのか、娘の勉強を見ていて分かった。  スマホやネットの情報は頭に溜めなくていいからだ。  頭の奥に蓄えておかなくても何度でも好きなように呼び出したり参照したりできるから。  頭の中で何らかの操作を行うためには、その対象を頭の中に置いて操作する。だから頭の中に溜めておく器が大きければ複雑な思考も可能になる。  でもスマホやネット依存になって自分の中に溜められる量が極端に減ってしまうと息の長い思考をする

        中尊寺金色堂

          セルフマネジメント事始め 8

          <教職員の声> しかし、それ以上に活用率が上がらないのには、もっと大きな問題があった。使い方が分からない、ということだ。そしてそれは教員側の問題でもある。 平成19年の終わり頃からNAVIノートに対する疑義が強く唱えられるようになった。活用率が上がらないのに高い金を払って買う意味はあるのか、という批判である。 メモを取る習慣をつけさせるなら市販の薄いノートで十分じゃないか。なるほど確かにそうだ。確かに単にメモをとるのに使うだけなら高すぎる。 だがセルフマネジメント習得

          セルフマネジメント事始め 8

          アンガーマネジメント

          怒りはなぜ起きるのでしょうか。 私は、怒りは自己防衛の感情だ考えています。 ちょっとした例を考えてみましょう。 一匹の犬が怒り狂って吠えまくっているのを想像してみてください。 その犬はどのような理由からそんなに吠えているのでしょうか。 犬は何かに向かって吠えていますよね。 近くを通った不審者?散歩中の他の犬?目に見えない何か? それは犬にとって攻撃すべき存在です。 自分にとって脅威であり自分を守りたいと思わせる存在なのです。 近所の飼い犬が聞き慣れた足音には

          アンガーマネジメント

          セルフマネジメント事始め 7

          <オリジナルリフィル> 学校生活にフィットするよう、リフィルは本校独自のものを考案したり少しずつ改良したりして運用している。例えば高校では6時間の区切りが日常なのだが、学生用のマンスリーは市販品にはない。 最初は「超」整理手帳にならって見開き8週間で作ったのだが、一般にはカレンダー型がなじみやすいという要望から月曜始まりのカレンダー型にした。一日の枠を左右に分割し左側を8段(6コマの授業+放課後2段)に区切ってある。 活用を進めるために、各分掌とも連携し様々な取組を試み

          セルフマネジメント事始め 7

          実録・ひょう六噺

          聞いた話じゃによって確かなところは分からんが まことに恐ろしいことがあったげな 昨日の夕刻、ひょう六は婆を迎えに行き家に連れ帰った 兄の助けに月に一度は婆の世話をしておるのじゃ 婆は齢九十と一つ 杖を頼りに歩けるには歩けるがおつむりは年相応に呆けておる 婆を家に上げいつもの場所に座らせ、ひょう六が荷物を片付けておった時じゃ 急に婆が後ろで「これは苦いのう!」と声がしたのじゃ 振り返ったひょう六は肝が冷えた なんと婆は痒み止めの白い液薬を呑んでおったのじゃ

          実録・ひょう六噺

          セルフマネジメント事始め 6

          <就活NAVIノート> 他所にないなら自分で作るしかない。そう覚悟を決めかけていた折も折、学校に日本能率協会からカタログがDMで送られてきた。開いてみて「就活NAVIノート」という商品が目に焼き付いた。大学・短大の学生が就職活動をするための教材をA5サイズのシステム手帳に納めたものらしい。 https://pub.jmam.co.jp/book/b359455.html さっそく取り寄せてみた。バインダーは真っ黒の塩ビ、リングは金属製でしっかりしており、中には就活用の各種

          セルフマネジメント事始め 6

          セルフマネジメント事始め 5

          <A5版システム手帳> いろいろとやってみたが私にはやはりシステム手帳がベストだ。しかしリフィルを切り出す作業はもうイヤ。さてどうするか。 そう考えていた時、ふらっと入った文房具屋でA5サイズのシステム手帳を発見した。折しも学校現場ではB判からA判へと規格が移行しつつあり、A4用紙の印刷が容易な環境となった。 A4を半切して6穴を開ければA5判のリフィルができるから、A5システム手帳を採用すれば校内で独自のリフィルが簡単・安価・大量に自作できる。そうかこれなら、と大きく

          セルフマネジメント事始め 5

          セルフマネジメント事始め 4

          <ザウルス> それからしばらくして、私は使い慣れたシステム手帳から一旦、手を離すことになる。知人からザウルス(電子手帳)をいただいたのだ。自作ダイアリーをバイブルサイズに切り出すのに疲れていた私は、システム手帳を置き、電子手帳によるマネジメントにすべて移行することにした。 ザウルスはバイブルサイズのシステム手帳より小さく薄く軽く、携帯性に優れており、パソコンとの連携もとれ、様々に工夫されていることがよく分かった。いつでもどこでも思いついたことを気軽にしかもキレイな文字(活

          セルフマネジメント事始め 4

          セルフマネジメント事始め 3

          <ToDoリストの思想> ToDoリストは単なる備忘録とはまったく意味が違う。ToDoリストは「いつ○○をする」という宣言(コミットメント)である。誰かに指示されて他律的に何かを為すのではなく、すべて自分で「やる」と決めて実行する。これこそがセルフマネジメントだ。 自分で期日を決めてその通りに実行する、自分でやると決めてその通り実行する、それを繰り返しトレーニングすることこそがToDoリストの威力だ。 「やらされる」から「やる」へ、「方法がないからできない」から「やると

          セルフマネジメント事始め 3

          セルフマネジメント事始め 2

          <社会人、失格> しかし、社会人として働き始めた私には大きな欠点があった。事務能力が極端に低いのだ。字が汚い、整理ができない、計算間違いをする、予定を立てられない、書類を紛失する、〆切を忘れる…。 ある日、出張に行こうと学校を車で出たものの、途中でどこに行っていいか分からなくなってしまい学校に電話をかけて確認してもらったこともあった。思い出すと今でも赤面する。 どうしたらいいのか。ずいぶんと落ち込んだ。授業のやり方は教わったり助言を受けたりするのに、仕事のやり方は誰も教

          セルフマネジメント事始め 2

          セルフマネジメント事始め 1

          <プロローグ> 中・高それぞれ、入学すると生徒手帳を渡された。自分だけの手帳。強い期待で開いたが頁をめくるごとに強い失望を抱いた。使えない。何かを書き込むにはあまりに小さくその中身は日常生活に必要な情報とかけ離れたものだった。 <知的生産の技術> 岩波新書に『知的生産の技術』(梅棹忠夫著、1969年)という古典的名著がある。研究や文書作成、思索などの知的活動を「知的生産」と捉えて、内面で行われる目に見えにくい活動を様々なツールで外部から支援していく手法について書かれたも

          セルフマネジメント事始め 1

          夜のお弁当

          「行きます」 19時過ぎにLINEにいつもの着信。校舎の階段を降り薄暗い自転車置き場に向かう。自転車の前カゴに置かれた弁当を手に職員室に戻った。炊きたての白いご飯は温かく柔らかく、口に含むとふっと全身から力が抜けていく。 ずっと全日制高校で勤務してきたのだが64歳になる今年度は定時制の病休代替講師として働くことになった。勤務は12時50分から21時20分まで。赴任にあたって家族と相談し、健康を維持するために長年の習慣を変えず起床と就寝の時間は動かさないことにした。せめて朝

          夜のお弁当

          2022(令和4)年度「哲学対話」まとめ

          <今年度最後の哲学対話>  2023年3月15日に今年度最後(10回目)の哲学対話をやりました。  参加者は常連の四人のみ。ゲストもなく人数が少ない分、気心の知れたもの同士のリラックスした対話となりました。  質問ゲームのテーマは「春と言えば」。花、ワクワク、花粉症、気分の上下などなど。うん、なるほど。  問いのスイッチが入ったところで対話のテーマをあれこれ出しあい今回は「”変”って何?」に。  いつも変なキャラクターに惹かれる、変!という事で普通でないものを排除し

          2022(令和4)年度「哲学対話」まとめ