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風が唸る

風が唸る
温かいスープが欲しかった
白い凍った空気が
容赦なく無力な体を
氷の世界に誘い込む
もう少し
もう少し進めば
温かいスープが待っているはず

ところがそこへ到達するとまた
振出しに戻る
雪山の傾斜で無力のはずの体を
前へ前へ推し進めている何者かが
脳みそまで凍り付いた体を
どうしようとしているのか
わからない

それでも一歩一歩
わずかながら進んでいる体は
時がくれば温かくなる
もしくは
永遠に冷たいままになる

身は何者かにゆだねている
風が唸る