たいでんるーず
子どものことを詠った短歌集です。
夕日が沈む いつも急いでいる毎日だから ゆっくり今日という日を みとろうじゃないか 車を脇に止め 土手を上る 木や水や家が染まる 宇宙の色は形而下に現れ 人々を立ち止…
今日もまた暮れていく 鳥たちはねぐらへ戻り また日が昇るまで 闇の中に消える 闇は深いほど星は瞬く 舞台の主役は入れ替わり 動から静の存在が輝く あらゆるものが具象で…
「ふっきちゃんがきったよ♪ ふっきちゃんがきったよ♪」 ポカポカお天気の3月のある日、私は7歳、5歳、3歳になる子どもたちを連れてフキノトウを採取していた。家の…
そもそも毎朝走り始めたのは、4年前。娘が高校へ行かなくなった時からだ。それまで長男が生まれてから、4人の子どもたちに振り回された18年間だった。これを機会に、自分…
山の夜は長い ごうごうと風は吹き抜け 雪が窓枠に張り付きながら積もっていく 窓や扉は硬く鍵をかけられたように 凍りついて動かない 山の朝は短い 燃え上がるその一瞬を…
2023年10月28日 12:08
夕日が沈むいつも急いでいる毎日だからゆっくり今日という日をみとろうじゃないか車を脇に止め土手を上る木や水や家が染まる宇宙の色は形而下に現れ人々を立ち止まらせるのだ夕日を背にすると正面のお月さまが笑っていた
2023年9月20日 22:19
今日もまた暮れていく鳥たちはねぐらへ戻りまた日が昇るまで闇の中に消える闇は深いほど星は瞬く舞台の主役は入れ替わり動から静の存在が輝くあらゆるものが具象であり世界は浪漫で満たされている
2023年7月20日 08:53
ねぶたの木うす紅色の髪飾り 夜風に波打ち目を閉じて待つ
2023年7月20日 08:36
風吹けばひらひら覗く夏暖簾 赤銅色の君の二の腕
2023年7月14日 16:36
灼熱の葵(あふひ)の上り詰める頃 君はあっさり梅雨明けと呼ぶ
2023年5月19日 19:40
田んぼ唄ひとりきりの音の世にカエルとキジとウグイスの声
2023年4月29日 05:56
大空に大きく円を追いかけて下界を染めゆくクマタカの影
2023年4月29日 00:32
チイチイと短き羽をばたつかせ生きるに向って親鳥を呼ぶ
2023年3月29日 13:47
春寒に 一番乗りのつばくらめ 恋の蕾にうらうらと舞う
2023年3月17日 23:22
おしゃべりを残して帰る三日間 娘の焼いたシナモンロール
2023年2月24日 15:55
時はただ小川のように絶え間なく 哀しみの舟を海まで運ぶ
2023年2月20日 16:59
「ふっきちゃんがきったよ♪ ふっきちゃんがきったよ♪」 ポカポカお天気の3月のある日、私は7歳、5歳、3歳になる子どもたちを連れてフキノトウを採取していた。家の庭には毎年たくさんのフキノトウが顔を出す。この年もたくさんのまんまるい顔が、あちこちから出てきていた。「あったー!」「こっちもいっぱいだよ」「そんなに泥が付いてたらだめだよー」「あーなんでばらばらにしちゃうのーもう!」「あ、そ
2023年2月19日 22:09
そもそも毎朝走り始めたのは、4年前。娘が高校へ行かなくなった時からだ。それまで長男が生まれてから、4人の子どもたちに振り回された18年間だった。これを機会に、自分のためだけの時間を作ろうと思ったのだ。そして、ちょっとばかり願掛けの思いもあった。いつの日か娘が自分で走り始める日が来ることを願って。 娘の症状は無気力症候群か、適応障害といったところだろうか。まじめな性格の彼女は勉強も優秀で、高校
2023年2月1日 21:09
山の夜は長いごうごうと風は吹き抜け雪が窓枠に張り付きながら積もっていく窓や扉は硬く鍵をかけられたように凍りついて動かない山の朝は短い燃え上がるその一瞬を逃すまいとズブズブと雪をかき分けるが朝焼けのピークは超えていて穏やかな顔をした山が柔らかくこちらを見ているあー今日も言い訳にスキマを与えてしまった明日こそは君と共に雪上を滑るように走るたとえ頰がかじかんで鼻水が凍
2023年1月24日 09:16
ほっぺたに ハートマークの寒雀 約束場所はコイン精米
2023年1月24日 09:01
木守柿 エナガの群れの戯れる 羽の風花澄み渡る空