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ルイス・キャロルの人物像に迫る!ー彼のボドゲ製作の手法からー(3)

画像は、すべてこの書籍から引用しました。使用している画像は、私の記事とは直接には関係ないです。
The Universe in a Handkerchief by Martin Gardner(邦題:ルイス・キャロル 遊びの宇宙)

Lanrickという名のボードゲーム。ルールの英語原文の書き方が「詩歌レトリック」を用いています。
奇妙なところで韻を踏むなど、実はとっても読みにくい文章構成になっています。難読構造文体です。
本当に、非常ーーーーに大変です。読むのが。
もちろん、今回紹介している4つのルール変遷の全部が、そんな難読文体になっています。

たぶん、ご本人としては「Natural Selection」を下敷きにしているので、変更点(改良点?)だけを明確にすれば良いだろうという「誤解」があるものと推定しています。
*これを初めて読む人もいるんだ、という苦労が想像できていない!

ところで、ちょと横道にそれます。
他の文献を調べていたら、英語版での「ルイス・キャロルの作品(ほぼ全部)」なんていう集積記事が見つかりました。
そこでは「詩歌風文体のLanrickルール」がそのまま掲載されています。
この難読文書を解読したうえで、「さあ、ちょっと遊んでみようぜ」などと友人とともにテストプレイできる人って、地球規模で見ても、かなり少数なんじゃないかなと思います。

詩歌としてなら、もしかして韻を踏んでいたりして美しい流麗な音の流れ?とかが感じられるのかもしれませんが、残念ながら私は英語の「詩:poets」は勉強して来なかったんで、そういう「音とか、文字とかの」美しい流れみたいなところは、あったとしても全然感じ取れないのです。

Lanrick 2 players
(December1880  第2改訂)
勝利条件:
5個ある対戦相手のコマを5個全て取ったら勝ち。
用具:
白5 黒5 合計10個のコマ。
コイン1枚(マーカー)
チェスボード 1台
*外周部分の28マスを「ボーダー」と呼び、それ以外の36マス部分を「フィールド」と呼ぶ。
*コインを中心とする3x3のエリア(全部で9マス)を「ランデブー」エリアと呼ぶ。
準備:
(第一ラウンド開始の前)
まず、一方のプレーヤーが相手のコマも含めて、10個のコマ全てを「ボーダー」の任意の場所に置く。
もう一方のプレーヤーは、フィールドの任意の場所にコインを置く。
ただし、コインの置ける範囲には制限がある。自分のコマがランデブーになる位置にコインを置いてはならない。
そして、そのラウンドでは、コインを置かなかったほうのプレーヤーが先手となる。
予備知識:
コマを動かす制限の説明:

コマの動きは基本的には「チェスのクイーン」と同様の動き方をする。
しかし動ける距離は制限がある。
その時点で、ゲームボード上にある自分の色のコマの「個数ぶんの距離」しか動けない。
ラウンドに関する制限の説明:
このゲームは、ラウンドを何回か繰り返しながら勝利条件をめざす。
遊び方:
先手の第一手目だけにある、特別ルール:

コマを全く動かさない代わりに、コインを1マスぶん、8方向任意の方向に動かして良い。
*コインはフィールドにしか置けない。

この特別なルールは、先手が「自分のコマを動かさない」限りずっと続く。
なお、このルール適用中に「ランデブーエリアにコマが入った」場合には、それ以後、コインの移動と一緒にそのコマも動く。
なお、コインの動きと一緒にそのコマを動かそうとした時、別のコマと衝突するようならば、そのコインの動きは禁止とする。

上述の特別ルールを除けば、あとは普通に交互にコマを動かす。以下の通り。
自分のターンでは、任意の、自分の色のコマを動かす。
コマの「移動力」は盤面に見えている自分のコマの個数で決まる。「移動力」すべてを1つのコマで使っても良いし、複数のコマに振り分けて使っても良い。
*注意:1ターンの中では、コマはまっすぐ直線状にしか動けない。

ラウンドでの勝利と、ラウンド勝利で得られるご褒美:
ランデブーエリアに、自分の色のコマ全てが入ったら、今回のラウンドの勝利者。勝利者には以下のご褒美が与えられる。
1:ランデブー内にいない、任意の相手のコマ1つを除去できる。
2:もし、そのほかにまだランデブー内にいない相手のコマがあったならば、そのコマを任意の8方向のいずれかで「ボーダー」へと進める。
*この動きの時に限って、他のコマを飛び越しても良い。
*今ランデブーエリアにあるコマ達は、そのまま放置される。

次のラウンド開始のための準備:
現時点で盤面に自分のコマが少ない人が、コインを別の場所にセットしなおす。(あるいは直前のラウンドで負けた人)
*当然、自分のコマがランデブーエリアに入る場所にセットしてはいけない。


ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。