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「玉碁」のアイデアは、2Dボードゲームに変換できません

さて、この「平面展開図」を使う技法ですが、別のゲームで試したらうまくいかなかったというお話です。

「玉碁Tamago」と名付けられた3D囲碁が販売されています。

3D囲碁がメインのルールなのですが、他にも、囲碁よりもずっと軽~く遊べる追加ゲームルール付きです。
このゲームのゲーム盤は、正12面体を基本ベースにした構造をしています。その理由から、いちおうは「平面展開図」の作成は可能です。ちょっと「平面化」して印刷してみました。
でも、結論を申し述べますとこれは平面図では「プレイ不可能です」。

玉碁のイメージ図

玉碁はそもそも、上に示した図を2枚重ね合わせた、2階建て構造体になっています。
(1階+2階)をぴったり重ねたサンドイッチのような構造です。
もしも紙に印刷しようと考える場合は、それら2枚の画像を、ちょっと位置をずらして重ねて印刷することになります。そんな風に印刷してみると、見た目がごちゃごちゃになります。(あえて、作図例を示しませんでした)
イメージ画像がごちゃごちゃしており、1階と2階とが複雑に錯綜(からみあって)してしまうのです。
見ているだけで頭がこんがらがってきます。このような「見た目」のゲーム盤では、ゲームは遊べないとラジくまるは判断しました。

要するに「正距方位図法」で2D展開図に変換する手法は、あくまでも「立体の表面で行うゲーム」にしか利用できないのだと思います。
玉碁のように2階建てに重なっているもの、あるいはさらに加えて3階、4階建てのものには応用が利かないものと私は判断しました。

せっかく作図したことから、ついでに、という気持ちが出てきまして、icomega用のゲームボードも作図してみました。以下の通りです。

正12面体(Dodecahedron)
正12面体x5分割(60面体)
正12面体x5分割(60面体)

なお、上下に並んだ図を見比べると、印象が全く違うように見えますけれど、全く同じもの=「正12面体」の平面展開図です。
視点をどこに置いたかという違いだけで、こんなに見た目の印象が変わるのは面白いなと感じています。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。