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シーガっていう伝統的ゲームがありまして(6)

昨日からの続きです。

今回の商品では、ソリティアのゲーム盤に、コマがタテヨコの4方向しか動かないことをはっきり示す目的で、タテヨコの補助線を描いてしまったのです。

こんな見た目のゲーム盤なのに「コマはナナメ移動できます」というルールを添付したら、消費者の怒りを買います。そんなことは絶対にできません。
 
ユーザーの利便性を上げるつもりで何気なく描いた補助線が、まさか自分たちのクビを絞めあげることになるとは。
考えてもみなかった、商品開発部の面々でした。
 
*くどいようですが、この文章はラジくまるの妄想です。事実ではありません。
 
ゲーム盤は、すでに印刷屋さんに発注済の段階です。ゲーム盤のデザインは、もう変更できないのです。
修正をかけることが可能なのはルールブックのほうしかない。またしても、締め切りがギリギリの状況でした。
シーカの悪夢、再びです。

商品開発チームは、大急ぎで「ナナメの動きを禁止」&「ナナメにはさんでもダメ」ということで、タテヨコの4方向しか動けない&はさめないという風にルールブックを変更。急いでテストプレイも行って、このルールでもゲームとして成立することを確認。
ギリギリに商品を仕上げたのでした。
 
さてさて、さらに時は流れて2013年。ゲームアソート商品「ゲームスタジアムSD」の商品開発は佳境にありました。
今回の商品開発は、さすがに余裕をもって進めることができています。
ギリギリの商品開発は胃に悪いですからね。
開発進行状況も、スケジュール通りバッチリです。
 
今回、開発担当になった商品開発部の社員は、「重症のゲームオタク」でした。
伝統的ゲームのことはよく知っていました。たとえば、エジプトすごろくセネトとか、日本ではあまり知られていないワリ(マンカラのルール違いのほう)とか、幅広い知識も豊富に持っていました。
当然「Seega」のこともよく知っています。
 
「うーむ。」
彼はシーカのルールブックを読んで、ひとりで唸っています。
「伝統的なゲームSeegaをベースにして、Hanayama社オリジナルの要素もいれて、創作ゲーム「シーカ」を作ったのだろうなとは思うんだけど...。
なんていうかなぁ、このゲームルールは美しくない。
 太字引用:「火村英生の推理」より・・・

「特にダメダメなのは、相手のコマのサンドイッチの中に割り込むと、両側の2つが取れるってとこ。これは良くないよ。うん。オリジナルのSeegaにもっと近く、Seegaにスレスレになるまで寄せたルールにしたほうが美しいよなぁ。」
「Seegaと、シーカ。うん。音もそっくりで、ルールもそっくり。こうでなくっちゃ!」
 
こんな風に、ゲームオタク君の独断と偏見により、ますます原作のSeegaに「寄った」ルールになりました。
これが、シーカの今の状況なのです。
 
お詫び:
上に書いてあるのは、全てラジくまるの妄想です。
HANAYAMA社の皆様、一個人による「妄想・妄言」のせいでご迷惑をかけているのかも知れません。その節は、平にご容赦のほどお願いいたします。
 
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ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。