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3分で読めるレイルロオドのお話「ぬくもり不足なしろがね」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第22話「この先のレール」シーン4 ネーム&字コンテ

こんばんわです。

わたくしごととわたくしごとでないこととが立て込みすぎていっぱいいっぱいになっておりましたが、
わたくしごとの方が順次で片付いていっており、おそらくはそう遠くないうちに、一段落をつけられそうに思っております。

お話を書いているときはお話に没入でき。
それはたぶん、メンタル面にはよいリフレッシュ効果を発揮してくれるようにも思えますので、できうるかぎり早期に、まずは「3分で読めるレイルロオドのお話」の執筆ペースを、基本は2日に一回、おそくとも3日に一回に戻していければと考えております。

新しいメンバーシップ特典の
「3分で読めるレイルロオドのお話の、主役レイルロオドのリクエスト権」
でのリクエストについても同じペースで消化してければと考えておりますので、どうぞいましばらくのご猶予いただけますと幸いです。

そしてこちらもペースを戻していかねば! な
WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネームの方、

先日公開の第22話「この先のレール」シーン3

に続きまして、本日はシーン4

を公開させていただきます。

8620が動き出したことにより浮き彫りにされる形となった

・湯医側の観光資源不足
・客車不足

――の問題。

それにどう対処していくものかどうか、ご期待のほどたまわれますと幸いです。

ということで、
「3分で読めるレイルロオドのお話」を書いてまいりましょう。

今回のテーマは「不足」がよいように思います。

キャラは、リク2名様からいただきましたので、

冬雪ゆきさんの分のリクを消化で、「しろがね」で。

タイトルは
「しろがねのぬくもり不足」でございます。

どなたにも無償でお読みいただける話となりますので、もしよろしければご笑覧いただけますと幸いです。

■しろがね■


關門鉄道EF10 23専用レイルロオド
關門海峡トンネルを往復しつづける海底輸送のスペシャリスト。
感情の起伏に乏しいゆえに、自らの感情についてあまりにも無知。

■しろがねのぬくもり不足■

「ん……」

どうしてでしょう。
いつもと同じ乗務をし、いつもと同じ退勤をし。
いつもと同じく宿舎に戻っているはずなのに……

「寒い」

……けれども気温は正常です。
ゆえに精査を――もっとしっかり、自己診断を行わなければなりません。

「寒さ……ではなく――
ああ、物足りない、がより正確でしょうか」

体にどこか、ぽっかり欠損した部位があるように感じます。
もちろん全部位は正常ですし、自己診断でひっかかる部分もありません。

なのに――

「物足りない……足りない……ああ、『肌寒い』」

うん。いままでで一番しっくりとくる言葉です。
思いついたら、理由もすぐに連鎖で浮かび上がってきます。

「つい昨日まで、ランさんとご一緒してたから」

お仕事で近くに来たからと、わざわざ下關までランさんが遊びにきてくれて。
夕方から次のお昼まで、まる一日にも満たない時間だったけど、
にぎやかで、楽しくて、あったかで――

「……しろがねは理解できました。ランさんは、スキンシップが多かったから」

ことあるごとにしろがねを褒め、しろがねを撫でたり軽く叩いたりしてくれたランさん。

「それがいきなりなくなったから――うん。しろがねは、肌寒さを感じている」

理解をすれば、肌寒さが一層強くなります。
だって……ランさんはもう帰っていってしまったから。

下關と高嵜はあまりに遠くて、共感さえも届かな

(Trrrrrr――Trrrrrr)

電話――珍しい。
なにか緊急事態でしょうか?
けど、それなら共感が飛んでくるはず――
ああ、いけない。出ないと切れてしまいます。

「は」
「やぁ! レディしろがね。素敵な夜を過ごしているかい?」

「――ランさん」

声だけで。
たったひとことの挨拶だけで――不思議です。
肌ざむいのが、綺麗に消えます。

「……スキンシップ、されてないのに」

「スキンシップがどうかしたかい?」

「ああ、いえ」

声が出ちゃってたみたいです。恥ずかしい。

「しろがねは、少し不思議に思っただけです――ぁ」

「ん?」

ランさんと会えなくなって、スキンシップをしてもらえなくなって、肌寒くなった。
それが電話の一声だけで、綺麗さっぱり消え失せた。

それを不思議に思ったことを、素直に伝えるのがなぜか……
しろがねには、恥ずかしいように思えます。

から――

「ええと、その――理由、です」

「理由? 誰の、何に関する理由だい?」

「ランさんの、です。
ランさんが、しろがねに今、電話してきてくれた理由」

「何の不思議も無くはないかな? 誰かが誰かに電話をかけるその理由!
それはたったのひとつだろうさ!」

「ひとつ――何でしょう?」

「『話をしたい』と思うから」

「はうっ!」

話をしたい。もっとたくさん。
ランさんもそう思ってくれてた――肌寒かったはずのお肌がぽーって、かーって、熱くなります。
だから、しろがねは理解します。

(ぬくもり……だったんですね。ぬくもりが急に失われて、足りなくなって、だから、しろがねは肌寒かった)

「レディしろがね? 大丈夫かい? いま奇妙な声が聞こえてきたけれど」

(スキンシップをしなくても、距離がどんなに離れていても、声だけで、思いだけで、ぬくもりは伝わる……)

「レディしろがね?」

「あ、はい……ごめんなさい。
大丈夫。は、もちろん大丈夫、です」

けど、熱い。全身がもう、オーバーヒートをしてるみたいで。
ランさんの声が心配そうで、それが申し訳なくて。

「大丈夫な声ではないよ? レディしろがね、心配をかけたくないなどとどうか思わないでくれ」

……申し訳ないけど、嬉しくて。

「レディしろがねの苦しみを、もしもこのランが拭えるのなら――
それほど光栄なことなどありえないのだからね」

「はぎゅっ!?」

「ほら、その声」

「しろがねは訂正します。
やっぱり、大丈夫じゃない、です」

「ならば聞かせてほしい! いったい何が」

「……今度はぬくもり、過剰供給すぎ、です」

;おしまい

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いかがでしょうか?

ランとしろがね、こちらの世界線でも接点を果たしてもつのかどうかなWEBTOON作品
「レイルロオドマニアックス

WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0の過去話でもご確認いただけますし、
これからも描かれるものと存じますので――よろしければどうぞあわせご笑覧ください


どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで

それ以降のまとめはメンバーシップ特典となります。

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