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みらくらぱーく!と動物化――蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 1st Live Tour ~RUN!CAN!FUN!〜

こんにちは。かみなりひめです。

あと一ヶ月半弱で今年も終わりですね。
改めて言葉にした時の破壊力のエグさよ……。

さて、そんな寒さも身にしみる今日この頃、
楽しいイベントに参戦してまいりました。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
1st Live Tour ~RUN!CAN!FUN!~
東京公演、お疲れ様でした!

ほんの気まぐれで「夏めきペイン」を買い、
ふらっと応募したことで参戦を決めたこのライブ。

いざ聴いてみると、
水樹奈々さんの現場でお馴染みの門脇大輔さんなど
豪華なレコーディングメンバーにグッと惹かれ、
特に「Legato」をヘビロテしていました。

また、とあるラジオの箱番組でお名前を伺っていた
佐々木琴子さんもいらっしゃるじゃないですか。

ならば、あえてさほど予習もせずに当日を迎え、
出されたものを素直に受け止めてみよう!と決心。

佐々木琴子さん演じる夕霧綴理さん擁する
DOLLCHESTRAの楽曲をちょいと聴くだけにして
いざ武蔵野の森!‥‥と相成りました。

※ここからネタバレの巣窟です!※
名古屋公演のためにネタバレを避けたいアナタ!
ブラウザバック(死語?)をお願いします。



1. ぶっとび!みらくらぱーく!

……で、率直な感想ですが、

いや、予想以上に楽しくてビックリでした!!

MCもほぼない息をつかせぬ怒濤のラッシュ。
全員曲からユニット曲、さらには新曲たちまでも
惜しげもなく披露していく姿に圧倒されました。

また、全体を通してみてみると、
Link!Like!ラブライブ!
の半年の歩みを
振り返りながら進んでいくというコンセプトは
ワタクシみたいな予習ゼロにも助かりました。

基本的にはユニットでスクールアイドルをする
というのが蓮ノ空女学院の方針であるらしく、
幕間の振り返り映像においても、各ユニットの
二人の歩みを綴ったものになっておりました。

先輩に見初められる花帆さんのこと、
フィギュアスケートとスクールアイドルとの
二兎を追うわがままを決心するさやかと、
その輝くさやかを見ていたいと願う綴理の関係。

いずれの物語も胸を刺すモノがありました。

また、それぞれの楽曲も、
純朴に寄り添って花開いたスリーズブーケは、
穏やかで心温まるような二人の印象がそのまま
反映されたかのような楽曲たちでした。

対してのDOLLCHESTRAは、
カッコいい路線ではあるのだけれど、その裏に
見え隠れするちょっと憂いを帯びたアンニュイさが
感傷を盛り立てるようなニュアンスでした。

それぞれのキャラのパーソナリティも見え、
あらためて綴理DOLLCHESTRAを推してゆく
意志を固めることができました。

さて、そのなかでもみらくらぱーく!
後発ユニットとのことであるからでしょうか、
スリーズブーケDOLLCHESTRAよりかは
あっさりと軌跡を追いかけられていた印象です。

彼女らの幕間が終わったとき、
さていかなる楽曲が繰り出されるのか?
と身構えていたワタクシ。

そこに降り注いだのは、

一気に湧き立つ会場。
この場を包む輝かしいピンクと白。
のっけから容赦なく降り注ぐコーレスの嵐。
その「ド!」は漢字を宛てるなら「弩」か??

そんな超弩級の疾風怒濤に飲まれて
呆気に取られたワタクシを待ち構えていたのは、

ふわふわであまあまのもこもこ空間。
「宙」を漂う感覚は同音の「チュー」も相まって
いっそうスイートな響きとなって耳に届きます。

サビではタイトルにもなっている
ハクチューアラモード!/の大コール。

え? アル中? それともヤク中?
 ああ、なんだハクチュー(白昼)か……。

ってなりました。冗談でなくマジで。ホントに。

……と、あまりにも衝撃度が高すぎてしまう
ファーストインプレッションだったわけですが、
ふと冷静になって思うのです。

みらくらぱーく!というユニットは、
 とりあえず物語なしでも楽しめるんだな、と。


2. 動物化のゆくえ

さて、
スリーズブーケDOLLCHESTRAのように
その背後にある物語を読み解くという回路を
抜きにしても盛り上がりを創出できるのが、
みらくらぱーく!であるといえそうです。

このように、様々なしがらみを考えることなく
みずからの欲望を満たすようになっていく様を、
評論家の東浩紀さんは「動物化」と呼びました。

翻訳家の山形浩生さんは次のように説明します。

山形 (前略)人が社会に出て、職業に就いたり、女の子とデートをしたりすると、いろいろなしがらみを考えなければならなくて、とっても面倒くさい。だから、ボタンを押せば可愛い女の子が画面に出てきて、それを見て「萌える」という、刺激に対する単純な反応の世界に人々は落ちていく。これが最近の傾向だというわけですね。

(東洋経済オンライン「『動物化』論をめぐって」より)

この術語がとりわけ有名であるのは、
動物化するポストモダン』によるところが
大きいのではないかと思います。

さて、そんな『動ポモ』の発売からは
かなりの年月が経っているわけですが、
東さんご本人は以下のように語っておられます。

ポストモダン社会になり、消費者はさまざまな記号の波を軽やかに渡っていくことになりましたが、実際にそこに拡がったのは、消費のなかで与えられるファストフード化された消費財を動物みたいに食べることになる、という現実でした。

(WIRED「東浩紀、『動物化するポストモダン』刊行から18年後の現在地を語る」より)

ここにある、
「ファストフード化された消費財を
 動物みたいに食べることになる」という現象が、
まさにみらくらぱーく!で起こっているのでは?
と考えるに至りました。

後発ユニットが強い楽曲をもらうというのは、
たとえば虹ヶ咲におけるR3BIRTHもそうですね。

物語の層の厚さは、活動してきた時間に
どうしても比例してしまうモノ。

ゆえに、物語ではないところで
ファンを惹くための何かが求められるわけです。

アイドルたちの場合、その「何か」とは
やはり楽曲ということになるのでしょう。 

もちろん、
みらくらぱーく!の二人の物語を追えば、
より大きな感動の渦中にいられることでしょう。

ワタクシよりも真剣に蓮ノ空を、そして
みらくらぱーく!を追いかけてきた人たちは、
彼女らの魅力は楽曲だけでないことは百も承知の ことであるのは言うまでもありません。

ただ、新規ファンからしてみれば、
コーレスをふんだんに盛り込んだライブ映えする
楽曲
の数々は、みらくらぱーく!に惹かれる理由と
しては十分なモノでしょう。

そしてそれは、現代のコンテンツ消費のあり方を
しっかりと反映したモノだったというわけです。


3. Tier1・藤島慈

さて、そんなみらくらぱーく!のメンバーである
藤島慈(CV∶月音こな)でございますが。

彼女、どうも蓮ノ空のTier1であるようです。

物販で缶バッジを買うと、必ず発生するのが
ファン同士の交易模様でございます。

缶バッジ交換をしていた後輩に聞いてみたところ、
藤島慈だけやたらとレートが高かったとか。

ここまでの話を踏まえて思うに、

① 蓮ノ空に興味を持つ
② とりあえず楽曲を聞いてみる
③ みらくらぱーく!、曲強くね?→好き
④ みらくらぱーく!の藤島、可愛くね?→好き

なる回路は十分想像つきそうですね。

実際、ワタクシも月音こなさんのMCから、
まるで斉藤朱夏さんを見ているかのような感覚に
陥っておりました……既視感? 既聴感?

楽曲の分かりやすさ、そして明確な可愛さは、
人気に直結するということが看取できますね。
(当たり前の話かもしれませんが……)

逆に言えば、
藤島慈をTier1たらしめる要素のひとつに
みらくらぱーく!の楽曲の強さがあるのだ!
といっても過言ではないでしょう。


4. おわりに

ここまで、みらくらぱーく!をきっかけにして、
現代社会のコンテンツ消費の一端に目を向けてみる
という高尚な遊びをいたしました。

ここからは!ただのオタクです!!!

遅ればせながら!
夕霧綴理さん!
お誕生日おめでとうございます!!

お誕生日おめでとうございます!!!!!(再掲)

来年はもっと言葉を尽くして、
貴女の誕生日を祝いたいと思います。
これからがんばるね、よろしくね。

……と、いうことで、、、
綴理先輩と牛タン食べてきました。

芯たんめっちゃ美味でした

ライブ前は、推すための体力があるかどうか
いささか心配していたワタクシでした。

ですが、それもすっかり杞憂でございました。

ワタクシ!やっぱり!
DOLLCHESTRAが好きです!!!!!

ありがとうございました!

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