マガジンのカバー画像

働きながら考える仕事の話

76
仕事や働くことについてのnoteをまとめています。
運営しているクリエイター

#コノビー

その本が、その人にとって特別な1冊になる。

少し前に、サディことコルクの佐渡島さんが「本を買って読むという体験って実はもっとリッチにできる」というようなことを言っていた。 リッチな体験ってどういうことだろう。そう考えていて思い出したのが、息子の出産祝いだ。 わたしには、もう8年くらい毎月集まって一緒に1ヶ月の振り返りをしている4人の友人がいる。結婚式の二次会を幹事もしてもらった夫婦共通の友人だ。 その友人たちから「出産祝い何がほしい?」と聞かれたときにわたしたち夫婦は「みんながおすすめの絵本を1冊づつプレゼントし

わたしの中にある「母」の割合

育休中ほど、1日を長く感じたことはない。 働いていたときには「やばいもう16時!時間ない!仕事終わらない!」なんて思っていた16時だったけど、育休中はなかなか16時にならなかった。 やっと16時になってからも、息子が泣き出すたびに夫が帰宅する19時まで何度も何度も時計を見て、ため息をついていた。 話ができない赤ちゃんと1日ずっとふたりきりで過ごすことの孤独、みたいなことがよく言われて、たしかにそういう側面もあるのだけど、産後すこしたった頃に小説家である平野啓一郎さんの『

母でもあるけど、母ではない。

どこへ行っても「お母さん」と呼ばれ、TVでもネットでも親戚からも「子育ては、母親こうあるべき」という話を聞かされる。 息子が生まれ、「母親」という役割が増えた。 それは事実だし息子はかわいいのだけど、本を読むのがなにより幸せで仕事もそれなりに楽しんでいて、学ぶのが大好きな「わたし」は今までどおりここにいて。 それなのに、周りから見たわたしは「お母さん」でしかない。 育休中、そんなすこしぽっかりとした気持ちを感じていた。 ** 「ママモードにお休みを」をいう特集企画を

「ありがとう」がもらえる仕事。

何度も読んでいる西村佳哲さんの「自分をいかして生きる」という本にこんな一節があります。 手がけた仕事に対して「面白い」や「興味深い」ではなく、「ありがとう」という言葉が返ってくるとき、そこに込められているものを大切にしたい。これは人の在り方に向けて戻されている言葉だ。「有り難い」「そのようにはありにくい」「あまりないことだ」という感嘆をふくむフィードバック。(「自分をいかして生きる」より) 担当編集として、半年ちょっとの企画・準備期間→半年間のWEB連載→書籍化→イベント