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働きながら考える仕事の話

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仕事や働くことについてのnoteをまとめています。
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#コンテンツ会議

「BEの肩書き」から生まれるもの

TOKYO WORK DESIGN WEEKで、勉強家の兼松さんの話を聞きに行ってきた。Twitterで兼松さんの探求プロセスをみていて、「BEの肩書き」のとこがなんだかずっと気になってたから。 なんでこんなにも気になっていたのかなぁと振り返ってみると、1つにはここ2年半くらい「編集」をいう仕事をするようになって色んな編集者の人に会ったり編集者の本を読んだりしたけれど、知れば知るほど「編集者」がなにをする人なのかよくわからなくなったことが大きいかもしれない。同じ「編集者」と

見知らぬ誰かに評価を委ねない、ということ。

12月から担当編集をしているweb連載がはじまった。 漫画連載 本当の「頑張らない育児」 Byやまもとりえ 半年以上かけて企画してきて、事業としても色々な期待を背負っていて、途中何度胃が痛くなったことかわからない。というか、実際のところ何度か体調を崩した。 が、ちゃんとヒットさせることができた。(よかった) 1話目は1日で10万PVを超え、今のところ毎話15万PVを超えるくらいになっていて、何よりもたくさんのコメントをいただけるようになった。 思っていたよりもずっと反

深く、広く、永く。その前に。

原稿を読んで涙がこぼれた。 少し前に社外で1時間くらいの講演をする機会があった。 終わった瞬間、もう一度やり直したいと思うくらい反省がたくさんで久しぶりに凹んだ。(まだ引きずっていて思い出すだけでまたへこむ…) そんな講演が記事になることになり、原稿が届く。 自分のダメさ加減を確認しなきやいけない。 だいぶ気が重い。 印刷してはみたものの見る勇気が出ない。 あぁでもダメだったんだ、認めよう。 次の機会があればその時にもっとよくできるように、見なきゃだめだ。 なんとか

本が売れないと言われる時代にわたしが「書籍化」を目指した理由

12月から担当していたweb連載の書籍化が決まった。 わたしが今働いているのは出版社でもなく、インターネットの会社でもなく、福祉や教育をやっている会社の「子育てに笑いと発見を」をコンセプトにした子育てのwebメディアの部署で。 新しい事業のタネを考えよう的な話があった時に書籍化したいと言ったら、金額サイズ的に事業になり得ないとそっこうで言われた。 いろんなところで本は売れなくなっているというニュースが流れている。(とはいえ、売れている買う理由の設計がないと売れなくなったと

「本当の頑張らない育児」が、たった一人の読者に届くまで。

もし、1年前のわたしに「この連載、書籍化するよ」と伝えたら、「いやいやほんと?」と喜びながらも半信半疑だろう。 いま、わたしの手元には1冊の「本」がある。 1年前に企画をスタートし、半年間編集担当として連載をした育児漫画だ。 はじまりは1年前。 突然インターネットメディアの部署に移動になり、見よう見まねで編集らしきことをはじめ、壊滅的に絵が下手なのに漫画の編集をすることになって1年がたった頃。 編集長から「さやかさんはフルスイングしてないよね」と言われてけっこうがん

届けたい相手は、いつかの自分。

いつだってそのコンテンツを届けたい読者は、いつかの自分だ。 いつかの自分がへこんだり悩んでいたこと。 いつかの自分が知りたかったこと。 当時の自分に伝えたい、そんなに悩まなくてもいいんだよ。こんな風に思えたらもっと楽だったかもしれない。そんな気持ちがいつも企画にこめられている。 企画編集を担当した連載を、とあるパパコミュニティでシェアしたら、パパたちからなんだか熱量高いコメントをたくさんもらった。 ざっくりまとめると「産後の夫婦のすれちがいの正体」がめちゃくちゃ可視

その本が、その人にとって特別な1冊になる。

少し前に、サディことコルクの佐渡島さんが「本を買って読むという体験って実はもっとリッチにできる」というようなことを言っていた。 リッチな体験ってどういうことだろう。そう考えていて思い出したのが、息子の出産祝いだ。 わたしには、もう8年くらい毎月集まって一緒に1ヶ月の振り返りをしている4人の友人がいる。結婚式の二次会を幹事もしてもらった夫婦共通の友人だ。 その友人たちから「出産祝い何がほしい?」と聞かれたときにわたしたち夫婦は「みんながおすすめの絵本を1冊づつプレゼントし

人見知り編集者が、ライターさんを「好き」になって変わったこと。

気が合う仲間と少人数で語る時間は大好きだけど、誰かとその関係になるまでには時間がかかる。 顔見知りの人とエレベーターで二人きりになった時の焦りは半端なくて、とりあえず「最近どう?」みたいな聞かれても困る質問を繰り出しちゃう。 私はそんな人でして、自分からグイグイ仲良くなるみたいなことってすごく苦手なわけです。(そういうのをさらっとやれちゃうB型末っ子タイプの人がうらやましい) だけど、「編集」という仕事をするようになってたぶん人生で初めてくらい、どうしたらもっと相手のこ