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モナコには圧力的なものがない

シリーズ・現代川柳と短文 096
(写真でラジオポトフ川柳184) 

 モナコのカフェでフィアンセとアールグレイを飲んでいると、まだ田無にいたころの記憶が蘇ってきた。フィアンセはそのころのぼくを知らないし、これからも言うつもりはない。ただ、なんとなく、ティーカップの裏側の底とか、道行く御婦人が連れているマルチーズの足の裏とか、そのへんがすこしずつ田無に置き換わっていく感覚をおぼえた。

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