ラジオポトフ(おしゃべり大好き作家と俳優で美術家のラジオ)

今田と高澤の善良なラジオです。 こちらのアカウントは今田が運用していますが、高澤も元気…

ラジオポトフ(おしゃべり大好き作家と俳優で美術家のラジオ)

今田と高澤の善良なラジオです。 こちらのアカウントは今田が運用していますが、高澤も元気です。ご聴取&おたよりはリンク先からどうぞ。 https://potofu.me/radio-ptf

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【録音あり】スペースラジオポトフ「5月に砂金の取れる川」【無事終了】

概要来たる2023年5月26日金曜の夜、ツイッターの生放送機能「スペース」を使った月イチ恒例のおしゃべり企画「スペースラジオポトフ」第12回を行います。ラジオポトフアカウントからお気軽にお聴きください。応援や感想などは「#スペースラジオポトフ」をつけてツイートしてください。参加者のうち余裕のある者が読み上げます! 【参加者】 今田健太郎(いまだ・けんたろう) 高澤聡美(たかざわ・さとみ) 鳥原弓里江(とりはら・ゆりえ) 前回の記録と録音 テーマ1. 現代川柳ネプリ第2弾

    • 焼きたてのアラームあした待ちあわせ

      シリーズ・現代川柳と短文NEO/058  待つのが苦手なA氏と待たせるのが苦手なB氏が待ちあわせをすることになった。両者の利害は見事に一致し、なんの打ち合わせもなく、ふたりとも時間ぴったりに待ちあわせ場所(平将門の首塚)に到着。互いにストレスゼロの状態で過ごすことができた。 【きょうの現代川柳】 焼きたてのアラームあした待ちあわせ /今田健太郎

      • サン・テグジュペリもあしたは来るそうだ

        シリーズ・現代川柳と短文NEO/057  とある研究結果によると、大切なことは目に見えないそうだ。なるほどたしかに、と同意しつつも、すべてがその限りではないよな、と批判的な目線も持ち合わせていたい。むろん、目に見えるものは大切ではないのだ、と論理的なようでちっとも論理的でない誤った結論を声高に唱えたいわけでもない。当たり前だが、目に見える大切なものもいくらでもあるのだ。カスタネットとか。 【きょうの現代川柳】 サン・テグジュペリもあしたは来るそうだ /今田健太郎

        • キッチンに桜がないと思うなら

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/056  桜の木は自分の花を見られたいだろうか。植物にとって花は恥部という気もする。花見はかなりいやだろう。人間も人間で、酒を飲んで前後不覚になりながら恥部を見て騒ぐなんてどうかしている。ましてそれを風物詩扱いである。もっと冷静になってほしい。桜の樹の下には屍体も埋まってるんだし。 【きょうの現代川柳】 キッチンに桜がないと思うなら /今田健太郎

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        • 現代川柳と短文
          243本
        • きのうの無免許医
          238本
        • これも「読み」ですか?
          15本
        • 雑文ラジオポトフ
          320本
        • スペースラジオポトフ
          10本
        • 現代川柳と、400字の雑文
          100本

        記事

          これひょっとしてえびのとこ影絵なん

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/055  甲殻類アレルギーなのでえびは食べない。念のため、えびの影にも触れない。えびの影と言うと「えびの形をした影」と「えびが光をさえぎって作る影」の二種類があるが、念のため、そのどちらにも触れない。とくにこれといった不便はないから自分が甲殻類アレルギーだというのをつい忘れてしまいそうにもなり、よくない。 【きょうの現代川柳】 これひょっとしてえびのとこ影絵なん /今田健太郎

          春にしてミニカーとして君離れ

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/054  ふつうのカーと比べてミニだからミニカーなのであり、この「ふつう」という共通認識が崩れれば、カーとミニカーのちがいはおろか、ビッグカーやマイカー、シェアライドなどさまざまな概念が境界のあいまいなまま入り乱れ、カー業界はいっそうの混迷期を迎えるだろう。それを嫌い、また折からの不況、貧富差の拡大もあって、若者のカー離れはいっそう深刻化していく。 【きょうの現代川柳】 春にしてミニカーとして君離れ /今田健太郎

          ストローが売りきれてても会いにきて

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/053  ストローで家を作った。家の模型ではなく、一家4人が寝起きし生活するふつうの家だ。玄関もキッチンもリビングも和室も、2階の寝室もこども部屋もすべてストローで作った。そしていまコーラを飲むためストローを探しているが、1本も見当たらない。 【きょうの現代川柳】 ストローが売りきれてても会いにきて /今田健太郎

          爪あとの上によくないステッカー

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/052  きょうは心理テストをしよう。まず、自宅玄関のドアにシールを貼られたと想像してほしい。つぎに、それがシールでなくステッカーだった場合を想像してほしい。色柄形はもちろん、粘着力まで可能なかぎり詳細に想像してほしい。最後にそれを貼ったのが自分のこどもだった場合と見ず知らずのこどもだった場合を、いずれもやはり可能なかぎり詳細に想像してほしい。そのこどもたちは幼少期のあなたの初恋相手の顔をしているはずだ。え? あ、そうですよ、ふたりとも。

          読みかけの本に関するベーコンを

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/051  わたしなどはベーコンと聞くとスライスされた状態を思い浮かべるが、当然もとはブロック、要するにかたまり状のはずだ。しかし、そうと理解はしつつ、やはり見慣れたスライス状を思い浮かべてしまう。バイアスである。思考に偏りが生まれている。このままではよくない。ブロック状を思い浮かべるように思考の方向性を力ずくで変えていきたい。頭の中でスライスベーコン数十枚を貼り合わせてブロック状に戻すしかない。 【きょうの現代川柳】 読みかけの本に関するベ

          笹かまを古城に置いておけばいい

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/050  笹に似たかまぼこやカニに似たかまぼこがあるが、そもそもかまぼこじたいが蒲(かま)という植物の穂に似ていることを由来とする名前だ。われわれはえんえんなにかに似せつづけているのである。いったいなにをやってるんだ。くらくらする。もはやカニがカニカマに似ている。 【きょうの現代川柳】 笹かまを古城に置いておけばいい /今田健太郎

          折り畳み式ミニロトを折り畳む

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/049  折りたためるから折りたたむ。人間の性だ。それと住環境やミニマリズムなどの事情および思想は関係がない。また、折りたためるなら折りたたまなきゃ損、という貧乏根性も関係ない。ただただやったのだ。できると思ったことはやる。見過ごされがちだが、きわめて重要な、人間の行動原理である。 【きょうの現代川柳】 折り畳み式ミニロトを折り畳む /今田健太郎

          顔を見ている時 時がとまってる

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/048  時が止まって4年が経った、という一文には矛盾が含まれているがわたしの実感なのだから好きに言わせてほしい。さて4年前わたしは美容室で髪を切っている最中に時を止める能力を発動させた。髪を切っていたのは美容師でわたしは美容師ではなくただの客でしかし美容師免許は持っているというややこしい状況で時は止まった。鏡に写ったアナログ時計の短針長針が形作る角度と担当美容師の間の抜けた表情は4年前からなにひとつ変わらないが、わたしの髪は確実に4年分伸びて

          ミニカーの荷台に砂糖 角砂糖

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/047  角砂糖があの形なら丸砂糖の形も予想がつきそうだ。丸いのだろう。では夢砂糖は夢っぽい形なのかというとそれはちがう。おそらく夢に出てくる砂糖のことだ。つまり角砂糖も丸砂糖も夢に出てくれば夢砂糖と呼んで構わない。むろん正確に言うなら夢角砂糖とか夢丸砂糖というふうになるだろうが、そんなにきっちりしなくてもいいんですよ。さ、自分の家だと思ってくつろいでくださいね。お疲れでしょう、お風呂どうぞ。 【きょうの現代川柳】 ミニカーの荷台に砂糖 角

          だれひとり髪を切らない犬神家

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/046  八つ墓村と犬神家をまちがえてからなにもかもがだめになった。仕事も恋もなにもかも。気づくと、飼っていた犬も猫も小鳥も逃げていた。いいんだ。だってわたしは彼らの名前すら覚えていなかった。覚えていたつもりだが、きっとまちがえて覚えていたにちがいない。犬の名前と猫の名前をまちがえるなんて飼い主失格だ。まして、八つ墓村と犬神家をまちがえるなんて。 【きょうの現代川柳】 だれひとり髪を切らない犬神家 /今田健太郎

          4kmのしおりはさんだミステリー

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/045  ねえ、こんなきれいな月夜の晩に、ぼくらサナトリウムを抜け出して、新潮文庫についてるひも状のしおりの先端をインクにひたして文字を書こうよ。講談社文庫って書こうよ。講談社学術文庫って書こうよ。夜はいつか明けてしまうから、どんな本も最後までは読めない気がするよ。 【きょうの現代川柳】 4kmのしおりはさんだミステリー /今田健太郎

          めちゃくちゃなラッコになんて言えばいい

          シリーズ・現代川柳と短文NEO/044  ひさしぶりにラッコを見るとそのかわいらしさに驚く。と同時に、ふわふわ(ずぶ濡れなのでびしょびしょだが)の体毛とまったく質感の異なるしっぽの存在にも驚く。生き物にはふさわしくない言葉だが、「えっ、材質がちがう」と言いたくなるほどだ。作っている工場でなにかの手違いがあったんじゃないかと思わされるのだった。 【きょうの現代川柳】 めちゃくちゃなラッコになんて言えばいい /今田健太郎