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#157 新しい方法や取り組みを提案することの意味 24/5/1

みなさん、こんにちは。
今日は、提案するとは?、どんな意味を持っているのか、を考えてみます。

人事部門に所属するわたしのように、間接部門の仕事を担っていると、全社や事業部門に対して企画を提案する機会が度々訪れます。

法令対応などコンプライアンス順守の仕組み化やその活動のリアクティブに提案する場合や、経営や事業を推進ドライブするために、アクティブに提案する場合があります。もちろん営業職をはじめ、多くの仕事でも提案行為があります。

さて、では提案するとは、どう言う意味を持ち、何を捉えるとより相手に響く訴求になるかのか、です。

それは、現状の何を否定するものなのか、と考えます。

現状維持では何か良くない、あるいはより良い方法がある、そう感じているから、提案が生まれます。

たとえば、転職することも同じと言えます。
転職は、自分による自分に対する提案、と捉えることができます。そのきっかけや理由が、ポジティブであれ、ネガティブな背景があれど、現在の状態に何かしらの不満を感じているから、場を変えよう、職を変えようと判断して自分に提案したと考えることができます。
ですから、現状の否定です。

また別のたとえをすると、人材育成、人材マネージメントのあり方も同様です。
現状は、営業の強い個人が、個力で自社の製品・サービスを担いでトップセールスを作ることで会社・事業を成長させてきた。これからは、お客様の課題を解決する、いわゆるソリューション営業で会社の成長を志向する、とします。

すると、人材育成の考え方や人事評価の仕方を新しく提案します。
たとえば、社内の製造・開発、カスタマーサポート、マーケティング、商品企画、広報・PRなど各部門の人を巻き込み、プロジェクト=顧客の課題解決提案を進める、インターフェース人材を育成することがプライオリティになり、それを評価する制度に変えるような提案をします。
これも、やはり現状の否定、と言えます。

このように、提案するとは、現状を否定する、現状を是としない、を意味する、と考えます。

ですから、逆説的に言うならば、相手に響く提案とは、現状を否定していることが必要条件と考えます。それだけでは不十分です。否定する根拠たる事実に基づいた問題定義と、そして現状に替わるオルタナティブの提示が次に来ます。そして、以前にもエントリした、これらの否定と提案の手札を出す順番がキモです。

より意味のある提案に設えていくためには、現状の何が合っていないのか、現状の問題設定をした設計時に立ち戻ることが、はじめの一手です。
そして、その課題解決の現状を事実として収集し、それが設計時のありたい姿と比較したらどうギャップが出ているのか、どの程度解決に効力を発揮しているのか、足りないところはどこなのか、を考察します。こうした事実の整理とその洞察によって、現状の否定とオルタナティブを作ることだと考えます。

最後に、現状の否定、は強い言葉と捉える人も多いでしょう。否定とは、あくまでも健全な否定、建設的な否定です。しかし、これを協調・調和を重視して、あいまいな否定にしてしまうと、これもまた提案のメッセージが伝わりません。
この「否定」の強度、程度のさじ加減もよい提案には重要な要素であるのが現実論のように感じます。

みなさんは、提案するときにどんなことを頭においていらっしゃいますか。
それでは、また。

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