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#154 傾聴上手な人こそ相手が正解をアテにくると自覚しよう 24/4/28

みなさん、こんにちは。
今日は、恣意的な質問や投げかけに対して、人はどう対処するか、を考えます。

考えるきっかけは、現場で行われる1on1を観察させてもらったことからです。そして、その様子から、過去にわたし自身が上長との1on1を思い起こしたことです。

わたしは、1on1はキャリア開発や学びのOSとして、有効・有力な場にできる、と考えています。しかしながら、この1on1をその目的に即して運用することは、それなりにスキルとマインドセットを要すると考えています。

では、どんなことがキーファクターなのか、紐解いていきます。1on1の構図は、話す主体の従業員と、聴く客体の上長あるいは人事、とします。

まずはじめに、上長が1on1の目的を理解し、傾聴スキルにもそこそこに長けている場合、これが逆に阻害要因になりえると考えています。

どういうことか、というと、傾聴、応対、質問が恣意的になり得ることです。

相手のメンバーの話を十分に聴いて、より学びが深まるように内省を支援したいと上長はまじめに感じています。従業員の彼・彼女の、よりクリティカルな発達課題に即して、フィードバックをかけようとします。そうした良かれと思って考えている力が行き過ぎると、相手に意図的、恣意性を持った支援、ないしその空気を感じさせてしまうことにつながります。

大半の従業員メンバーは、上長が思っている以上に賢いです。そうした上長の空気感を肌で感じ取っているものです。ですから、それに呼応しておこうと、予定調和的な言動をとる人も相当に多いと覚悟したほうが良いと考えます。

予定調和的な言動とは、その上長が「言ってほしいな」と望んでいる発言や答えに、メンバー自身が寄せてくることです。上長の期待する答えに「アテ」にきます。これこそ正に、空気を読まれている、です。

そして、上長側メンバーからの回答に満足してしまうことが多いです。
「私は、彼彼女にとって、いい気付きを与える質問をしたよね」
「私は、フィードバックが上手な上司だよな」

など、自己満足感に浸ってしまう上長が実は多いです。

偉そうに言っていますが、わたし自身も、そういう側面をもっているため、自覚的になろうと、自己制御を働かせています。

このように、人の成熟さやスマートさは、上長・部下、ベテラン・若手、社会人・学生、などわかりやすい、画一的な階層のとおりではありません。

ですから、上長だから、「私のほうがいろんなことがレベル高いよね」の潜在意識に自覚的になっていないと、思わぬ落とし穴にはまってしまいかねません。

少し話が拡散しました。
かように、引き出したい回答や気づきを狙いすぎると、かえってそのリターンを遠ざけてしまいます。

狙いすぎたジョークはウケない、マニアックに設計するとマニアトラップにはまる(一般人にはわからない世界)と、狙った効果と真逆の結果を生みかねません。

ですから、1on1に限らず、ある程度はどんな会話をしようかを頭に描きながらも、やはり目の前にいる相手に集中して、そこでの即興演奏を相手と奏でる、ジャズ的なスタンスで臨むとよいのではないか、と考えます。

みなさんは、意図的な質問に気づいた時にはどんな対応をされますか。
それでは、また。

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