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#137 何ができていたらOKか、ゴール設定が目標のキモである【2/2】 24/4/11

みなさん、こんにちは。
前回に続き今日も、MBO目標管理制度とその運用について考えます。

前回のおさらいです。
MBO制度のキモは、Management By Objectives and Selfcontrol. のセルフコントロールです。従業員自身が、任された成果を上手にマネージするために、ツールとして目標を上手に扱うことがその本分です。

しかし、この目標を決めることが難易度が高いです。なぜ難易度が高いのか、わたしが考えるプリミティブな理由は、つきつめると、解像度が粗い、からです。目標を言葉に置換していくときの、言語化する解像度が粗いのです。

ではそれを上達する方法論の1つが何かといえば、わたしは「何ができているとOKか」を、価値の届け先であるお客様と確認することです。

そして、成果を意味ある定量に変換します。定量とは売上〇円、KPI〇件、〇%とわかりやすい数値に限らず、「いついつまでに、何(成果物)を、どのくらいの基準(品質や量)で、完了する」の形式も、定量の1つです。

では、ここから今日の内容です。

わたしが考える、目標決めを熟れる(こなれる)ための、2つ目の方法論です。

少し目標の周辺に目を配ります。

1つ目の方法を用いてお客様とも合わせた成果について、改めて、なぜその成果や成果基準であるのか、意味を考えて認識することです。

たとえば、担当業務を30%改善することが成果目標だったとします。この場合、成果は改善、成果基準は今より30%です。

改善がなぜ必要なのか、今より生産的になったほうがいいのは当たり前で、できるならそうしたほうがよいこと火を見るより明らかです。考える方向はそうではありません。

改善求められる背景は、例えばその会社の経営管理方針が、常に前年より生産性を上げることが行動様式である、とか、その部門で新しい仕事をつくるリソースを確保するために5人で担っている仕事を4人でできるようにすることを求められている、など背景・理由を押さえることです。

次に、成果基準の30%はなぜなのか、20%ではなく50%でもなく30%と置くのはなぜなのか、考えて意味を作ることです。

たとえば、2年かけて半減する計画だが一足飛びには進めないため、まず1年目は30%の現実的な目線にした、事業方針として自動化技術を従業員に習得してもらうために仮置きに30%とした、などです。

こうして、成果や成果基準に、自分たちなりの意味をつくることで、従業員もその組織の管理者も、自分たちの目標を自分ごとに消化していくことがスムーズになります。それは、意味の解像度を上げることにつながります。

その背景や理由を考える際には、やはりお客様のニーズや課題を一段掘り下げることや、自社の経営メンバーや自身の上位役職者の期待の拾い上げをすることです。これは空間(位置)軸で捉えると言えます。

さらに、それを時間軸を延ばして捉えることです。そうすると、空間、時間の掛け算で考えが深まります。よって、目標成果の、意味の解像度が格段に引き上がげることが可能です。

これが、目標決め、目標を消化することの方法論2つ目です。

次に3つ目です。
生産性の考え方を適用することです。

どんな仕事であっても、今アウトプットしている業務量(生産量)そのもの、あるいはその品質を測る量・質のKPI・KGIに類する数値があります。
それらのいずれかを分子に、どれだけの部署の人数、あるいは個人としての労働時間で、その分子にあたる業務量やKPI・KGIを生み出しているか、の生産性を用います。

すると、今年度と昨年度の比較ができますから、それをもって、どれだけ前年・前期から生産性が向上させるか、を目標の成果定義に置くとよいと考えます。

どうしても仕事の性質上、定量化もしずらく、あいまいな成果を定義することになってしまって、困っている場合でも以上のことでほぼ100%カバーできると考えています。

そのほかにも、たとえば、プロジェクトの完了時期が年度をまたがり、目標・評価対象の期間と成果が出る時期が交錯するケースでよく聞きます。期の目標は、(自分の任されている範囲で)プロジェクトを円滑に進める、プロジェクトを推進する、など定性的になってしまう、と言われるケースです。プロジェクトであれば、WBSにして、マイルストンが置かれているでしょうから、その時における成果に置き換えればそれで済む話ではあります。

わたしは仕事の性質上、つまり自分の仕事は特別だからとは考えずに定義できる、が前提の考えにあります。しかし、そう考えられない方のほうが圧倒的に多いですから、その場合には生産性を用いて対処してみてはと推奨します。

さて、3つほど、目標決めの解像度を上げる方法論を考えてみました。

・「何ができているとOKか」を、お客様と確認します。
成果を意味ある定量に変換します。定量とは、「いついつまでに、何(成果物)を、どのくらいの基準(品質や量)で、完了する」の形式もありです。

・成果について、なぜその成果や成果基準であるのか、自分たちなりの意味をつくることです。従業員もその組織の管理者も、自分たちの目標を自分ごとになり、意味の解像度を上げることにつながります。

・生産性を適用することです。
どんな仕事であっても、今アウトプットしている業務量(生産量)そのもの、品質を測る量・質のKPI・KGIに類する数値があります。
それらを分子に、どれだけの部署の人数、個人の労働時間で、その業務量やKPI・KGIを生み出しているか、を用います。そして前年度・前期との比較をします。

さて、みなさんはご自身の目標決めの解像度が上がりましたでしょうか。
それでは、また。

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