見出し画像

#105 採用と人材育成のターゲット【2/2】24/3/10

みなさん、こんにちは。
前回に引き続き、どんな人材を採用し、どんな人材を社内に増やすか、を考えます。

前回のおさらいです。
仕事ができる・できない×人間性が良い・悪い、の二軸で採用や人材育成のセグメンテーションを切って考えてみます。

        人間性が良い     人間性が悪い
仕事ができる  A:みんながほしい  B:現実の利に目を瞑る 
仕事ができない D:変化なければ排除 C:避けたい

各セグメントの従業員や採用候補者に対して、マジョリティのビジネスパーソン、企業はそれぞれのセグメントに対してA~Dのスタンスや対応をするのではないしょうか。

Aは論を待たないため、扱いません。
Dの「人間性は良いが仕事ができない人」のタイプは、初めのうちは無害だが、やがて仕事を教えても変化がなかれば「人はいいけど、ほかの仕事のほうが適性に合いそうだ」とチーム外への輩出行動に至ります。
Cの「仕事ができず、人間性も悪い人」タイプは、コンプライアンス違反行為や他者を傷づける、精神的な疾患が重傷な場合は除き、環境や状況の要因からそう振る舞っている場合を対象とします。人事や上長は彼彼女の話を傾聴すること、そして内省リフレクションの支援を普通の人の3倍かけて実行してみます。人間性の悪さは改善可能性があるため、活かし方があると考えています。

最後にBの「仕事ができるが人間性は悪い」タイプです。
このタイプが実は大きな論点ではないか、と考えます。
仕事はできるため、目先の利益や現実的な組織事情を考慮すると、ついつい決断や判断を先送りしてしまうインセンティブが働いてしまうからです。

このタイプの「人間性が悪い」は、仕事ができるため、それなりに役職や裁量権も渡されます。チームメンバーを持つ人も多くいます。そして、その仕事ができる自分をメンバーに強要したり、できない人を非難し追い詰める傾向にあります。ゆえにハラスメント気質が強いタイプが多いことも経験的に見えています。周囲への外罰性の高さもよく見られる傾向です。

そして、このBタイプの上長や人事も、常にマークしている対象ですから、節目節目に厳しいフィードバックを行なっているケースが多いです。コミュニケーション上も、人事考課や360度評価の仕組みからも、両面でフィードバックを働かせているように感じます。わたしや当社も、同様の対応をしていることが多いです。

それでも、繰り返し素行の悪い行為があっても、最後の判断や決断を行なうことまで至らず、その場しのぎでやり過ごすことが正直なところ多いと自戒も込めて考え至るところです。

これは人間の性、弱さだと考えます。目先の利益、現実的な選択として、その対象である彼彼女を排除する決断ができない、先送りするに留まってしまいます。
しかしながら、中長期的に、あるいは全体善や全体の効用を高めようと思えば、このタイプこそ、決断が必要と考えます。人事や企業として、活かす対象なのかどうか、意思決定するリーダーシップを発揮することが最も求められることです。そして、それが全体の生産性を引き上げるのだと考えます。

みなさんの会社やチームは、どのようなセグメントの人材をどう生かしていますか。
それでは、また。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?