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#162 人事の仕事は奥深い 24/5/6

みなさん、こんにちは。
今日は、人事部門の仕事、人事に携わる1人として、何を生業とするのかを考えてみます。少し風呂敷を広げてみます。

まず、わたしのスタンスの1つは「人事は運用が9割」です。

さて次に、人事分野は、自然界のような万物の法則、科学のような原理や決まり、技術のような理論を実用化する手段、これらがあまり多くないと考えています。

もちろん、生物学、心理学、社会学、脳科学、行動経済学、哲学、人文学、歴史などなどのさまざまな学問から科学的に、実証的に、考証的に捉える活動や成果はあります。そして、理論も形成されていることは存じています。

それでも、法則や原理に該当するレイヤは多くないと思います。それは扱うものが「人」だから、と考えています。もっと言えば、人の「心」だから、と考えます。医学的には心とは脳と言えそうですが、ここでは、人≒心、と定義させてください。

では、心を扱うとはどういうことか、です。

それは、「人の心を動かすのは何なのか」を追求すること、と考えます。
「人は何によって心を動かされるのか」です。

なお、人とは、抽象化した総和としてのヒトと、目の前の個々のヒトの両方を指します。

たとえば、日本人は横並びを見て行動する、と言われます。良い意味で使われる場合は、たとえば災害時のマナーある行動です。揶揄される文脈では、たとえばテレビなどメディアでお得なランチが紹介されると翌日には殺到し行列します。それは食事をしに行っているのではなく、情報を食べる行動です。

みんながやっているから、私もやりたい。
みんなが持っているから、私も欲しい。
みんなが言っているから、私もそう言っておく。

この例から推察する、人の心を動かすインセンティブは、「人と違いたくない」「変わった人と思われたくない」、人と同じことで得られる安定感、と考えられます。

ではまた異なる例を挙げてみます。
たとえば、採用応募者の心を動かすものを考えてみます。エージェントの推薦状によくある転職理由の代表格は、キャリアアップです。

たとえば、現職の仕事が、自社製造機械部品のルートセールスだったとします。特定商材、ルートセールスの2点を広げるキャリアアップの意味合いが転職理由だったとします。

これそのものを、転職者の心を動かすものと捉えて、自社が提供できるポジションを提案することも一つです。

あるいは、表面的に言っている理由はそうだけれども、ベースとなる年収条件が根本的な転職理由ではないか、と洞察したとします。すると、その年収が、その応募者の心を動かすもの、と見通すことができます。

このように、人の心を動かすものが何なのか、を追求し続けることが人事の仕事の一翼と感じています。

そして、自社で言えば、従業員総体に抽象化したヒトの心を動かすもの、と経営・事業をどう合わせられるのかを追求することです。さらにその精度や生産性を上げ続けることが、人事の仕事と考えています。

さて、みなさんは、自分の仕事が自分の心を動かすものになっていらっしゃいますか。
それでは、また。

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